オランダを舞台に開幕したジロ・デ・イタリア。初日のタイムトライアルを制し、マリアローザを獲得したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)らのコメントを紹介します。



地元オランダでマリアローザを獲得したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

マリアローザを獲得したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)マリアローザを獲得したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:CorVos
アペルドールンのヴェロドロームをスタートするトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)アペルドールンのヴェロドロームをスタートするトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji信じられないことが起こった。この嬉しさは想像を超えている。母国オランダで、それも多くのファンが沿道に詰めかけた中で、僅差で勝つことができたなんて特別な気分だ。スタート前にはプレッシャーを感じていたが、同じくオランダで開幕した昨年のツールでの経験が多いに助けとなった。だから、ひたすら力を出すことに集中できたんだ。

この勝利は僕だけではなく、チーム全体にとっても、大きな意味を持つ。ここからは、可能な限り総合首位を守りながら、マリアローザを着用して走ることのできる日々を楽しみたい。

ステージ4位&ヤングライダー賞のトビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、ジャイアント・アルペシン)

マリアビアンカはトビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、ジャイアント・アルペシン)の手にマリアビアンカはトビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、ジャイアント・アルペシン)の手に photo:Kei Tsujiスタート前に、チーム全体で良いプランを練ることができ、レース中のチームカーからの指示も素晴らしかった。ただ、歓声がとても大きく、無線からの指示をうまく聞き取れないことがあった。その影響で、いくつかのコーナーでとても小さなミスをしてしまい、惜しくも4位という結果に終わってしまったんだ。

今日のタイムトライアルは難易度が高かったけど、自分は調子が良く、マリアビアンカを獲得することができた。この様な形でグランツールのスタートを切ることができ、ファンタスティックな気分だ。デュムランの勝利は嬉しいし、これがチームにとってのシーズン1勝目。チームにとってはとても良い1日となった。

0.01秒差のステージ2位に入ったプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)

0.01秒差のステージ2位に入ったプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)0.01秒差のステージ2位に入ったプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:CorVos今日のタイムトライアルで優勝争いができるなんて、夢にも思わなかった。これまでにも、何回かはタイムトライアルで上位フィニッシュしたことはあったが、いわゆるTTスペシャリストと競っての結果では無かった。今日は僅差で敗れてしまったけど、自分の何が悪かったとも思わない。ただ、正直にいうと、自分の能力はまだまだ向上段階にあると考えている。

そして、今日のコースは観客からの声援が凄まじかった。イヤホンから流れてくるスポーツディレクターからの無線さえ聞き取れないほどだったよ。

ステージ3位に入ったアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)

ステージ3位に入ったアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)ステージ3位に入ったアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) photo:Bettini今日成し遂げた事に、とても満足している。チーム、そしてリーダーのアレハンドロ(バルベルデ)にとって最高のスタートを切れた。僕らは今日のレースによって、また一つ強くなったように感じているよ。でも、まだスタートしただけということも事実だ。

タイムトライアル中は本当に良い感触だった。良い働きができた事は自信に繋がるし、これからの3週間でどんどんと脚が仕上がっていくはず。最後まで決して諦めず、前向きにジロを走り、良いレースにしていきたいね。

コーナーを攻めるマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)コーナーを攻めるマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) photo:Bettini平坦ステージでの勝利を見据えるマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)

いつものことだけど、タイムトライアルは難しい。今日は良い結果を残すことができ、満足しているけど、それ以上でもそれ以下でもない。

自分が優先すべきはマリアローザの獲得ではなく、平坦ステージで勝利することだけ。もちろん今日の結果がマリアローザ獲得に繋がれば嬉しいけど、そのためにチームに余計な力を使わせるつもりは無い。

ステージ8位に終わったファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)

スタートを切ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)スタートを切ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsujiレース中、少し違和感を覚えながら走り続けていたんだけれど、とにかく今出せる全てを出し尽したのは本当だよ。この2週間、かなりハードにトレーニングしてきたし、調子が上がっていることを感じていた。でも、今日のレースでプッシュしていった時に、パワーが少し失われているように感じたんだ。

結局、1kmあたり1秒のビハインドを背負うことになってしまった。きっと、まだこのペースに身体が順応していないのだと思う。これ以上は追い込めないというところまでパワーを出したと感じていたからね。やれることはすべてやると宣言していた通りに走った結果のこのリザルトなんだ。もちろん、どうにかして良い結果を出すことが求められるけれど、今回の僕は少し努力の方向が違っていたのかもしれないね。

レース前から胃腸の調子が悪く、まるで風邪のような症状と戦っていたんだ。そのことで、多くのエネルギーが失われるんじゃないかという恐れを感じていた。だから、これからの数日間はできるだけ体力を温存していきたいと思っているよ。

総合勢の中では滑り出しをみせたヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)総合勢の中では滑り出しをみせたヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:CorVos順調な滑り出しをみせたヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)

今日の結果にはとても満足しているよ。コーナーが続くコースだったから、何度も細かいインターバルがかかったので、全力のタイムトライアルになったよ。

今日から、ジロが始まることが楽しくて仕方がないんだ。とはいえ、明日はスプリントステージだから落車に巻き込まれないように気をつけていくよ。

初日を190位で終えた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) キツさレベル:7

スタート台に上がった山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)スタート台に上がった山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji前半に飛ばし過ぎて後半にバテてしまった。落ち着いているつもりでもジロという大舞台に立っているというプレッシャーで、冷静に慣れていないか興奮してしまっている部分があるのだと思う。

また、10kmという短いタイムトライアルを全力で走った経験が少ない為、ペース配分を把握できていなかったという原因もあると思う。そして今日の順位が190位という事で改めて理解した事が、周りの選手が自分よりも相当強いという事である。

明日以降はこのことを念頭に置いてレースをしないと一瞬の気の緩みで終わってしまう可能性がある。本番は明日からなので、「完走&チームから指示された仕事をする」事を目標に生き残れるように日々全力で頑張っていきたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:Naoki.Yasuoka, Yuya.Yamamoto