10月4日(日)、メキシコでブエルタ・チワワ(UCI2.1)が開幕した。初日の4.2km山岳プロローグで優勝したのは、かつてのツール山岳王ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック)。2年連続出場のエキップアサダはガズヴォダが20位、清水都貴が24位とまずまずのスタートを切った。

チームプレゼンでガッチリ手を組むフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)とミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック)チームプレゼンでガッチリ手を組むフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)とミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック) photo:Cor Vosメキシコ北部に位置するチワワ州。UCIアメリカツアーに組み込まれたブエルタ・チワワは、その名の通り標高1400m以上の高地に位置するチワワ州を駆け抜ける1週間のステージレースだ。今年からUCIカテゴリーがクラス2からクラス1に昇格した。

参加したのはケースデパーニュとフジ・セルヴェットのプロツアー2チームや、ISDとシャコベオ・ガリシア、アンダルシア・カハスール、コンテントポリスのプロコンチネンタル4チーム。更にはラボバンクのコンチネンタルチームやロックレーシングが顔を揃えた。EQA・梅丹本舗・グラファイトデザインは2年連続の出場だ。

プロローグ・コースプロフィールプロローグ・コースプロフィール photo:www.vueltaachihuahua.com開幕前から総合優勝候補に挙げられていたのは、2007年から大会2連覇を達成しているフランシスコ・マンセーボ(ロックレーシング)や、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合5位のエセキエル・モスケラ(シャコベオ・ガリシア)、ジャパンカップ出場を控えたファンホセ・コーボ(フジ・セルヴェット)ら、スペインを代表するオールラウンダーたち。

そして地元メキシコのテコス・トレックからは、2007年ツールで所在地虚偽報告によってチームを解雇されたミカエル・ラスムッセン(デンマーク)が出場した。

ステージ優勝を飾ったミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック)ステージ優勝を飾ったミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック) photo:www.vueltaachihuahua.com故意にドーピング検査を逃れたとして2年間の出場停止処分を受けたかつてのツール山岳王は、今年7月24日レース界に復帰。8月31日から9月6日までメキシコで開催されたブエルタ・ア・プエブラ(ナショナルレース)では総合優勝を飾っている。

初日のプロローグは、人口90万人の大都市チワワ市内にあるセロ・コロネルの丘を駆け上がる4.2kmの山岳個人タイムトライアル。標高差217mのこのコースで、ラスムッセンが最速タイムを叩き出した。

最高のスタートを切ったラスムッセンは「自分自身の走りに満足している。出場停止期間中はブエルタに向けてトレーニングを積んできたけど、結果的に出場できなかった。代わりに好調のまま挑んだブエルタ・ア・プエブラで総合優勝。今はこのチワワで総合優勝を狙う」とコメント。2年間の空白を経てなお、その登坂力がトップレベルであることを見せつけた。

同タイムの2位に入ったのは、ブエルタでバルベルデの山岳アシストとして活躍したダニエル・モレーノ(スペイン、ケースデパーニュ)。オスカル・セビリャ(スペイン、ロックレーシング)が1秒差の3位に入り、大会3連覇を狙うチームメイトのマンセーボが3秒差の4位に。総合争いはケースデパーニュやロックレーシング、そしてラスムッセンを中心に繰り広げられるだろう。

EQA・梅丹本舗・グラファイトデザインはロード世界選手権個人TT48位のグレゴール・ガズヴォダ(スロベニア)が38秒遅れの20位、清水都貴が40秒遅れの24位でレースを終えている。翌日の第1ステージは平坦基調の118km。ツール・ド・北海道総合優勝の宮澤崇史でスプリント勝利を狙ってくるだろう。

浅田顕監督のコメント
「ガズヴォダ&清水がラスムッセンから40秒差で、まずまずのスタートになりました。本レースは山岳、平地とメリハリのあるステージの組み合わせなので、ウチの選手だれもがステージを狙えるチャンスがあります。特にツール・ド・北海道で好成績を挙げた宮澤と清水、世界選TTを走ってきたばかりの(グレゴール・)ガズヴォダ、山岳が得意なギヨーム(・ポン)、国体で優勝の中島など各選手調子を上げてきているので、ステージ優勝も現実味があります」。

選手/監督のコメントはレース公式サイト、ならびにエキップアサダ公式サイトより。

トップタイムをマークしたミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック)トップタイムをマークしたミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック) photo:www.vueltaachihuahua.com大会3連覇を狙うフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)はステージ4位大会3連覇を狙うフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)はステージ4位 photo:www.vueltaachihuahua.com急勾配の上りを進む清水都貴(日本、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)急勾配の上りを進む清水都貴(日本、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン) photo:www.vueltaachihuahua.com

ブエルタ・チワワ2009プロローグ結果
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、テコス・トレック)8'44"
2位 ダニエル・モレーノ(スペイン、ケースデパーニュ)+00"
3位 オスカル・セビリャ(スペイン、ロックレーシング)+01"
4位 フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)+03"
5位 グレゴリオ・ラディーノ(コロンビア、テコス・トレック)+04"
6位 ヘスス・デルネロ(スペイン、フジ・セルヴェット)+14"
7位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)+16"
8位 アルベルト・ロサダ(スペイン、ケースデパーニュ)+19"
9位 マシュー・ブッシェ(アメリカ、ケリーベネフィット)+21"
10位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、フジ・セルヴェット)+21"

20位 グレゴール・ガズヴォダ(スロベニア、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+38"
24位 清水都貴(日本、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+41"
35位 ギヨーム・ポン(フランス、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+52"
75位 ミカエル・ダミアン(フランス、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+1'40"
93位 中島康晴(日本、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+2'09"
94位 宮澤崇史(日本、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)+2'09"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, www.vueltaachihuahua.com

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