8月25日から5日間に渡って開催された世界最大のバイクショー「EUROBIKE(ユーロバイク)」。現地取材で見つけた数々のプロダクトの中からニューモデル&面白いアイテムを続々とピックアップして紹介していきます。第2弾はM.チポッリーニ、サーヴェロ、サピム、ファストフォワード、シディをピックアップ。



M.チポッリーニ(イタリア)

M.チポッリーニの新型エアロバイクNK1KM.チポッリーニの新型エアロバイクNK1K
NK1Kにはディスクブレーキ仕様もラインアップされるNK1Kにはディスクブレーキ仕様もラインアップされる シートチューブ上方にはイタリアの国旗が配されているシートチューブ上方にはイタリアの国旗が配されている


往年の名イタリアンスプリンターであるマリオ・チポッリーニが興したバイクブランドがM.チポッリーニ。今回のユーロバイクでは、新たなフラッグシップロード「NK1K」を発表した。昨年登場したブランド初のTTバイク「NUKE(今年はNKTTに改名)」の設計コンセプトを踏襲する1台である。

エアロロードと位置づけで、フロントホイール~ダウンチューブ~フォーククラウンの間のクリアランスを詰めたインテグレーテッドデザイン、コンパクトなリア三角、臼式のシートクランプなどによって、エアロ性能を追求した。リムブレーキとディスクブレーキの2タイプがラインアップ。リムブレーキモデルにはダイレクトマウント(リアはシートステーマウントタイプ)を採用する。ディスクブレーキモデルはポストマウントとしており、前後ともエンドはスルーアクスル対応だ。

ブレーキは前後ともダイレクトマウントを採用。リアはシートステーにマウントするタイプだブレーキは前後ともダイレクトマウントを採用。リアはシートステーにマウントするタイプだ 専用のヘッドキャップを用いることで、エアロ性能を高めている専用のヘッドキャップを用いることで、エアロ性能を高めている

表層の網目は細かく、ハンドメイド感の仕上がりだ表層の網目は細かく、ハンドメイド感の仕上がりだ フォーク、ダウンチューブ、ホイールの間のクリアランスを詰めることで、空気抵抗を低減フォーク、ダウンチューブ、ホイールの間のクリアランスを詰めることで、空気抵抗を低減

マリオ・チポッリーニが乗るカモフラカラーのRB1000マリオ・チポッリーニが乗るカモフラカラーのRB1000 ブースに姿を表したマリオ・チポッリーニ氏ブースに姿を表したマリオ・チポッリーニ氏


また、チポッリーニ自身が開発テストに参加しているだけあり、ヘッドチューブやBB386規格採用のボトムブラケットのボリュームは相当なもの。エアロ性能を高めるために、ヘッドチューブ用に2サイズの専用コラムスペーサーを用意。素材はT1000グレードのモノコックカーボンで、イタリア国内でハンドメイドされている。



サーヴェロ(カナダ)

サーヴェロR3にディスクブレーキモデルが登場サーヴェロR3にディスクブレーキモデルが登場
ディスクブレーキ化に伴い、シートステーの設計を変更し快適性を高めているディスクブレーキ化に伴い、シートステーの設計を変更し快適性を高めている 前後ともエンドはスルーアクスル対応。ブレーキ台座はフラットマウントだ前後ともエンドはスルーアクスル対応。ブレーキ台座はフラットマウントだ


サーヴェロは、オールラウンドモデル「R3」のディスクブレーキ仕様を発表した。その特徴はシートステーの根本にあり、リムブレーキモデルがモノステー仕様であったのに対して、双胴式とされている。恐らくはRシリーズの特徴である優れた快適性を更に高める設計である。

その他の基本的なフォルムはリムブレーキモデルより踏襲。ブレーキ台座にはフラットマウントを採用し、前後のエンドはスルーアクスル仕様としている。なお、サーヴェロがサポートするプロコンチネンタルチームのMTNキュベカにも供給されるとのことだ。

スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)のサーヴェロ S5スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)のサーヴェロ S5 S3のBigla Pro CyclingモデルS3のBigla Pro Cyclingモデル

R5のVelocio SramモデルR5のVelocio Sramモデル
継続モデルとなるR5にはVelocio Sramモデル、R3にはMTNキュベカと同じく南アフリカを拠点とするBigla Pro Cyclingモデルとサーヴェロがサポートする2つの女子UCIプロチームのレプリカカラーが登場した。



サピム(ベルギー)

サピムが発表したカーボンスポークCX-Carbonサピムが発表したカーボンスポークCX-Carbon 世界中の完組ホイールメーカーやホイールビルダーが厚い信頼を寄せるベルギーのスポークブランド、サピムはカーボンスポーク「CX-Carbon」を発表した。完組ホイールでカーボンスポークを採用する例は少なからずあるものの、ハンドビルドに対応するもので、量産されるものは、恐らく世界初であろう。

同社の定番モデルCX-Rayに対して-1.86g/1本、スチール製としては最軽量クラスのCX-Superに対して-1.11g/1本の3.00g/1本を実現。一方で素材特性上、ほとんど変形しないため、非常に高剛性なホイールを組み上げることができるという。ストレートプル仕様のみラインアップされ、ニップル側にはスチール製インサートが配されている。



ファストフォワード(オランダ)

ファストフォワードの新型モデルF3Rファストフォワードの新型モデルF3R
リムハイトは30mm。ブレーキ面には、ストッピングパワーを30%向上させるCBTテクノロジーを採用するリムハイトは30mm。ブレーキ面には、ストッピングパワーを30%向上させるCBTテクノロジーを採用する F3RではディスクブレーキモデルもラインアップされるF3Rではディスクブレーキモデルもラインアップされる


ファストフォワードは、ロープロファイルの「F2R」にかわって、リムハイト30mmのセミエアロモデル「F3R」をラインアップに追加。チューブラーとフルカーボンクリンチャー、リムブレーキ仕様とディスクブレーキ仕様の計4種類がラインアップされる。リムブレーキ仕様の重量はチューブラーモデルで1,195g、クリンチャーモデルで1,395gをマークしている。

また、2016ラインアップでは多くのモデルに、ストッピングパワーを30%向上させる新たなブレ―キ面処理「CBT」が投入されたこともトピックだ。



シディ(イタリア)

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が使用したシディWIREクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が使用したシディWIRE
サイズは46と大きいサイズは46と大きい ロード用新モデルのERGO4ロード用新モデルのERGO4


イタリアの名門サイクリングシューズブランド・シディは、今年のツール・ド・フランスを制したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が実際に使用したシューズを展示。モデルはもちろんハイエンドの「WIRE」で、サイズは46とかなり大きいことに驚かされる。なお、クリートはシマノのフィクスドタイプ(赤)だ。

ERGO4と共通のアッパーを採用したMTB用のDRAGON4ERGO4と共通のアッパーを採用したMTB用のDRAGON4 KAOSには、多くのベンチレーションによって通気性を高めたAIR仕様が追加KAOSには、多くのベンチレーションによって通気性を高めたAIR仕様が追加

トレイルライドやツーリングに最適なダイヤルクロージャー採用のMTB SD15トレイルライドやツーリングに最適なダイヤルクロージャー採用のMTB SD15 レディースモデルも充実レディースモデルも充実


新モデルとしてはミドルグレードが充実。従来のハイエンドであったERGOシリーズがフルモデルチェンジし、「ERGO 4」が登場。位置づけとしてはWIREとKAOSの中間にあたり、2つのダイヤルを使用したクロージャーシステムやカーボンと樹脂を適材適所に配したTWELVE CARBON SOLEなどが特徴だ。また、共通のアッパーを採用したMTB用モデル「DRAGON 4」もラインアップされる。その他、「KAOS」にはワイヤーに多くのベンチレーションを設け通気性を高めた「KAOS AIR」が追加され、女性用モデルのラインアップが拡充されている。



text&photo:Yuya.Yamamoto