2015年ツール・ド・フランスのマイヨジョーヌ争いは混戦に持ち込まれるだろう。四強と呼ばれるフルーム、コンタドール、ニーバリ、キンタナを中心にした3週間の戦いが始まる。



総合リーダーの証、マイヨジョーヌ総合リーダーの証、マイヨジョーヌ photo:Tim de Waele


ダブルツールを狙うアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)ダブルツールを狙うアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Kei Tsujiイエロージャージを意味するマイヨジョーヌは総合リーダーの証。個人総合成績首位の選手だけが着用を許される栄光のジャージであり、総合優勝者は最終日パリの表彰台でマイヨジョーヌを受け取る。

ステージに向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ステージに向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji5月のジロ・デ・イタリアを制したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)はダブルツール(ジロとツール同年制覇)を虎視眈々と狙っている。

ツール・ド・フランス初制覇を狙うナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ツール・ド・フランス初制覇を狙うナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Kei Tsujiミラノでマリアローザを受け取ってから5週間弱。勝利に溺れることなく調整を続けたコンタドールは、直前のルート・ドゥ・スッドで総合優勝。ライバルたちにはフレッシュ具合で劣っているのは間違いないが、1998年以来誰も達成していないダブルツールに向けて「エル・ピストレーロ」は順調な仕上がりを見せている。ジロに引き続きバッソ、クロイツィゲル、ロジャース、そしてマイカがコンタドールを強力にサポートする。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele2013年大会の覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)は前哨戦クリテリウム・ドゥ・ドーフィネで総合優勝。シーズン序盤は低迷したものの、しっかりとツールに調整を合わせてきた。コンタドールとフルームは序盤ステージの落車によって2014年大会をリタイアしただけに、マイヨジョーヌに懸ける思いは強いはずだ。

ジロでの落車から復帰したポートをはじめ、ケーニッヒ、ポエルス、ロッシュ、トーマスらが山岳ステージでフルームを支える。チームスカイはスプリンターを省いたメンバー構成であり、平坦ステージを含めたアシスト体制は22チームの中で最強と目される。

登坂力でライバルたちを圧倒すると予想されるのが1990年生まれの25歳ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)だ。2013年大会で総合2位に入ったコロンビアンクライマーは2014年ジロで総合優勝。2年ぶりのツール挑戦となる。

キンタナは今シーズンのティレーノ〜アドリアティコで総合優勝し、ルート・ドゥ・スッドでコンタドールに次いで総合2位。個人TTの距離が短いことはキンタナに味方するだろう。スペインチャンピオンのバルベルデやイサギーレ、アナコナがキンタナをサポートする。

ディフェンディングチャンピオンのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)はドーフィネで輝きを見せてリーダージャージを1日着用。最終的な総合争いには絡まなかったが、イタリア選手権ロードレースで連覇を達成し、ツールに向けて勢いをつける。ニーバリを支えるのはフグルサング、カンゲルト、スカルポーニらだ。



ジャンクリストフ・ペローとロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)ジャンクリストフ・ペローとロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Kei Tsuji上記の四強の他にも、ダークホースと呼ぶには豪華すぎるほどのオールラウンダーがツールに集結する。開催国フランスは2014年大会で総合表彰台に2人を送り込むことに成功。再びジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)とティボー・ピノ(フランス、FDJ)が総合争いに絡むだろう。

出番を待つティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)出番を待つティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) photo:Kei Tsujiさらにロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)やワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)、ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)ら、クライマー系オールラウンダーが揃う。個人TTの短いコースレイアウトは概ねフランス勢向きだ。

ファンに手を振るロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)ファンに手を振るロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji2012年と2014年大会で総合5位に入り、直前のドーフィネでフルームと戦いを繰り広げたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)は最もマイヨジョーヌに近いアメリカ人選手とされる。BMCレーシングはアシストとしてカルーゾ、デニス、サンチェスらを揃えてきた。

2013年大会総合10位で、2014年のドーフィネで総合優勝を果たしたアンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)はヘシェダルやマーティンを引き連れての出場だ。

山岳ステージではホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)らの動きにも注目。ウラン不調の場合はアルカンシェルを着るミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)がエースを担う可能性も。元世界チャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)は7年連続のツール出場。2012年大会で総合18位に入っている。

グランデパールを迎えるオランダのロットNLユンボは、2010年ツール総合4位ロバート・ヘーシンク、2014年ジロ総合7位ウィルコ・ケルデルマン、2014年ツール総合9位ローレンス・テンダム、2015年ジロ総合7位ステフェン・クルイスウィクという4人のオランダ人オールラウンダーを揃える。オランダ勢としては2013年から2年連続ツール総合トップ10フィニッシュしているバウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)にも注目だ。

ツール・ド・フランス2014総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)          89h59’06”
2位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)     +7’37”
3位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)                  +8’15”
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)           +9’40”
5位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)      +11’24”
6位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)          +11’26”
7位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)     +14’32”
8位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)  +17’57”
9位 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)              +18’11”
10位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)                 +21’15”



歴代のツール総合優勝者
2014年 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)
2013年 クリス・フルーム(イギリス)
2012年 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)
2011年 カデル・エヴァンス(オーストラリア)
2010年 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)※コンタドール失格による繰り上げ
2009年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2008年 カルロス・サストレ(スペイン)
2007年 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2006年 オスカル・ペレイロ(スペイン)※ランディス失格による繰り上げ
2005年 ランス・アームストロング(アメリカ)
2004年 ランス・アームストロング(アメリカ)
2003年 ランス・アームストロング(アメリカ)
2002年 ランス・アームストロング(アメリカ)
2001年 ランス・アームストロング(アメリカ)
2000年 ランス・アームストロング(アメリカ)
1999年 ランス・アームストロング(アメリカ)
1998年 マルコ・パンターニ(イタリア)
1997年 ヤン・ウルリッヒ(ドイツ)
1996年 ビャルヌ・リース(デンマーク)
1995年 ミゲル・インドゥライン(スペイン)
1994年 ミゲル・インドゥライン(スペイン)
1993年 ミゲル・インドゥライン(スペイン)
1992年 ミゲル・インドゥライン(スペイン)
1991年 ミゲル・インドゥライン(スペイン)
1990年 グレッグ・レモン(アメリカ)

text:Kei Tsuji in Utrecht, Netherlands
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