ツール・ド・フランス2014を走った22チームのバイクに迫る第4弾。キッテルが開幕&最終ステージを含むスプリント4賞を挙げたジャイアント・シマノ、ペローが総合2位表彰台を獲得したAG2Rラモンディアール、ツール初出場を果たしたブルターニュ・セシェの3チームをピックアップする。



ジャイアント・シマノ 【ジャイアント Propel Advanced SL、TCR Advanced SL】

マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)のジャイアント Propel Advanced SL 第2ステージで使用したマイヨジョーヌ仕様だマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)のジャイアント Propel Advanced SL 第2ステージで使用したマイヨジョーヌ仕様だ photo:Makoto.AYANO
もちろんコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。スプロケットのトップは11TだもちろんコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。スプロケットのトップは11Tだ photo:Makoto.AYANOハンドル周りはPROで統一。SRMのモニターは出力表示をテープで覆い隠しているハンドル周りはPROで統一。SRMのモニターは出力表示をテープで覆い隠している photo:Makoto.AYANO


マルセル・キッテル(ドイツ)が昨年に続き開幕ステージ&シャンゼリゼゴールを含むスプリント4勝をマーク&第2ステージでマイヨジョーヌを着用するなど今年も大成功を収めたジャイアント・シマノ。もちろんバイクはタイトルスポンサーのジャイアント。キッテルを始めとしたスプリント力のある大柄な選手がエアロロードのPropel Advanced SL、序盤から集団を牽引するジ・チェン(中国)らがTCR Advanced SLという様に使い分けた。

トム・フィーラース(オランダ、ジャイアント・シマノ)のジャイアント Propel Advanced SLトム・フィーラース(オランダ、ジャイアント・シマノ)のジャイアント Propel Advanced SL photo:Makoto.AYANO
アッセンブルされるパーツはほとんどがセカンドスポンサーのシマノまたはPRO。コンポーネントはシマノの最高峰である9070系DURA-ACE Di2で、キッテルはスプリンタースイッチをアッセンブルしていた。クランクは全ライダーがパワーメーター付きのSRMを使用しているが、キッテルはモニターの出力表示部分をビニールテープで隠していた。走行中に出力を見ないという選手はプロトンの中でも多い。

ホイールも9000系DURA-ACEで、50mmハイトのC50がメインで使用されていた。組み合わせられるタイヤは25mm幅のヴィットリアCORSA CS 。ハンドル、ステム、サドルはPROで、特別使用のVibe Sprint Carbonステムを装着したバイクが多かった。

ホイールもDURA-ACE。タイヤは25mm幅のヴィットリアCORSA CSで統一ホイールもDURA-ACE。タイヤは25mm幅のヴィットリアCORSA CSで統一 photo:Makoto.AYANOPROのサドルに取り付けられたシマノの小型ムービーカメラCM-1000。今後発売予定のPROのブラケットで固定しているPROのサドルに取り付けられたシマノの小型ムービーカメラCM-1000。今後発売予定のPROのブラケットで固定している photo:Makoto.AYANO

アルバート・ティマー(オランダ、ジャイアント・シマノ)のジャイアントTCR Advanced SLアルバート・ティマー(オランダ、ジャイアント・シマノ)のジャイアントTCR Advanced SL photo:Makoto.AYANO
その他トピックスとしては今ツールでレースバイクへのカメラ装着が解禁となったことから、シマノ・スポーツカメラCM-1000を毎ステージで使用。合わせて、PROからリリース予定というサドル用とハンドル用の2種類の専用ブラケットが投入されていた。



AG2Rラモンディアール 【フォーカス IZALCO MAX】

ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)のフォーカス IZALCO MAXジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)のフォーカス IZALCO MAX photo:Makoto.AYANO
エースのジャンクリストフ・ペローが総合2位でフィニッシュし、フランス人として17年ぶりとなるパリ表彰台に登壇。他にもチーム総合1位を獲得し、若手のロマン・バルデ(フランス)が新人賞争いを演じるなどチーム史上最も成功したツールとなったAG2Rラモンディアール。バイクはジャーマンブランドのフォーカスで、細身のフロントフォークが特徴的な軽量モデル「IZALCO MAX」で全ライダーが揃えた。

コンポーネントは電子式のカンパニョーロRECORD EPSをメインに、クランクはカンパニョーロのカーボン製アームとチェーンリングを使用したSRMのパワーメーターとしている。なお、昨年までは外装だったバッテリーが今シーズンからは内装に変更。ホイール及びタイヤはデカールがチームカラーに換装されたフルクラムに、シュワルベONEを組み合わせている。

サドルはサイドにリフレクターを配したフィジークANTARES VERSUSサドルはサイドにリフレクターを配したフィジークANTARES VERSUS photo:Makoto.AYANOSRMとブライトンのサイクルコンピューターマウントが取り付けられているSRMとブライトンのサイクルコンピューターマウントが取り付けられている photo:Makoto.AYANO

SRMの計測ユニットを組み込んだカンパニョーロのクランクSRMの計測ユニットを組み込んだカンパニョーロのクランク photo:Makoto.AYANOボトルケージは新たなスタンダードモデルになりつつあるエリートCANNIBALボトルケージは新たなスタンダードモデルになりつつあるエリートCANNIBAL photo:Makoto.AYANO


ハンドル、ステム、シートポスト、サドル、バーテープは全てフィジークで統一している。その他、ペダルはルックKeO Blade 2のプロチームカラー、サイクルコンピューターはブライトンとSRMを併用、ボトルゲージはエリートの新たなスタンダードモデルになりつつあるCANNIBALだ。



ブルターニュ・セシェ 【ケモ KE-R8 5KS、KER5】

アルマンド・フォンセカ(フランス、ブルターニュ・セシェ)が最終ステージで使用した特別カラーのケモ KE-R8 5KSアルマンド・フォンセカ(フランス、ブルターニュ・セシェ)が最終ステージで使用した特別カラーのケモ KE-R8 5KS photo:Makoto.AYANO
念願のツール初出場を果たした地元フランスのプロコンチネンタルチーム、ブルターニュ・セシェ。使用するバイクはチーム同様にツール初出場となる、スイスの新興ブランドKemo(ケモ)だ。今大会ではオールラウンドモデルのKE-R8 5KSに加え、エアロモデルのKER5という2台体制を敷いた。なお、第21ステージではブルターニュ地方出身のベルナール・イノーが創設し、チームが活動に協力するガン患者サポート基金をアピールするために特別仕様のバイクをアルマンド・フォンセカ(フランス)が使用した。

大雑把な曲げ加工が施された手作り(?)のゼッケンプレート大雑把な曲げ加工が施された手作り(?)のゼッケンプレート photo:Makoto.AYANO手の込んだグラフィック手の込んだグラフィック photo:Makoto.AYANO

FSAの4アームクランク「K-Force Light CompactBB386」を使用する。ペダルはルックだFSAの4アームクランク「K-Force Light CompactBB386」を使用する。ペダルはルックだ photo:Makoto.AYANO大きな網目が特徴のTextremeカーボンを使用している大きな網目が特徴のTextremeカーボンを使用している photo:Makoto.AYANO


アッセンブリーは強力なサポートを受けるFSAのパーツが多用されていることが特徴だ。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACEをメインとし、クランクに4アームスパイダーのK-Force Light CompactBB386を組み合わせている。

ホイールはFSAが展開するヴィジョンで、オーソドックスな三角形断面のリムを採用したTCシリーズで統一。コースやライダーの好みによって24mmと50mmの2つのリムハイトを使い分けた。タイヤはツールに出場した22チームの中で唯一となるイタリアンブランドのチャレンジだ。

ブノワ・ジャリエ(フランス、ブルターニュ・セシェ)のケモ KE-R8 5KSブノワ・ジャリエ(フランス、ブルターニュ・セシェ)のケモ KE-R8 5KS photo:Makoto.AYANO
ハンドル、ステム、シートポストもFSAで統一されているが、何故か廉価帯のシートポストが多用されている。その他、サドルはセライタリア、サイクルコンピューターはタッチスクリーン仕様のポラールの新型V650、ペダルはルックKeO Blade 2のプロチームカラー、ボトルケージはゼファールとしている。



photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto