序盤から逃げた4名はジェシュフの周回コースで吸収され、勝負は大集団によるスプリントに委ねられた。絶好のポジションから発射されたルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)をテオ・ボス(オランダ、ベルキン)が追い込み、勝利をさらった。



ポーランド南東部のキェルツェがスタート地点ポーランド南東部のキェルツェがスタート地点 photo:tourdepologne.plツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)第3ステージの舞台となったのは、ポーランド南東部のキェルツェからジェシュフにかけての174km。

コースは細かいアップダウンを含みながらも難易度は低く、ゴール予想は大集団によるスプリント。このステージ以降は3つの山岳ステージと最終日の個人タイムトライアルが続くため、スプリンターにとってはなんとしても勝ち星を挙げておきたいところだ。
丘陵地帯を行くプロトン。オメガファーマ・クイックステップやジャイアント・シマノがコントロール丘陵地帯を行くプロトン。オメガファーマ・クイックステップやジャイアント・シマノがコントロール photo:tourdepologne.pl
この日逃げを決めたのはビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)とサルヴァトーレ・プッチオ(イタリア、チームスカイ)、そしてパウェル・フランツァク(ポーランドナショナルチーム)とマテュス・タチアク(CCCポルサット)という地元ポーランド人選手2名。

逃げたビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)ら逃げたビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)ら photo:tourdepologne.pl前日にペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)逃げを許したことから集団は大きなタイム差を与えようとせず、逃げる4名が稼ぎ出したリードも2分台止まり。スプリントを狙うジャイアント・シマノらが中心となってレースのコントロールを行った。

テクニカルな市街地コースを逃げるサルヴァトーレ・プッチオ(イタリア、チームスカイ)らテクニカルな市街地コースを逃げるサルヴァトーレ・プッチオ(イタリア、チームスカイ)ら photo:tourdepologne.plジェシュフの周回コースでエスケープグループが捕まったジェシュフの周回コースでエスケープグループが捕まった photo:tourdepologne.pl先を急ぐ先頭4名はペースを上げるものの、逃げ切りを許さずという共通した意思を持つ集団に対しては分が悪すぎた。ジェシュフの周回コース(6.0km×2周=残り12km)に入る頃には吸収され、スプリンターチームによる争いが始まった。

残り10kmを切って、プロトンの目前でアーチバルーンが倒れるアクシデントが発生したものの大事には至らず、ベルキンが主導権を握る形でラスト1周のジャンを聞く。残り1km付近で発生した落車を避けた十数名に勝負は委ねられることに。

チームメイトによって、絶好のタイミングでスプリントを開始したのはルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)。しかし後方から追い上げたテオ・ボス(オランダ、ベルキン)の勢いがメスゲツを上回り、力強いガッツポーズが決まった。

「終盤には複数のコーナーが連続していたから、正しいラインを読む必要があった。前方に位置していれば後方からポジションを上げる選手に対して大きなアドバンテージがある。今日は比較的楽に位置取りができて良かったよ。なんとかメスゲツに先着できたから、以前彼に負けたときのリベンジができた。」とはボス。

「このためにハードな練習を重ねてきた。ワロニーでは上手くいかなかったけれど、昨晩は何か良い結果が出るんじゃないかと思えたんだ。今朝は皆に自分の調子が向いてきたとも伝えたし、全てのピースがはまっていくような感じだったね。本当は今シーズンずっと自分に尽くしてくれた(マーカス)バリーのお膳立てをしたかったけれど、そこまでは上手くいかなかった。」と加えた。

一方のメスゲツは「今日はとても良くチームとして動けたステージだったように思う。難しいコーナーが連続していたし、落車もあった。でも最終的に上手くリードアウトトレインを作ることができた。それからクラッシュの時に誰かが僕のディレイラーに自転車をぶつけて、11Tが使えなかった。でも結果には満足しているし、僕のレベルも高い。明日のステージが楽しみだ。」とコメントしている。


ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)をテオ・ボス(オランダ、ベルキン)が破り勝利ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)をテオ・ボス(オランダ、ベルキン)が破り勝利 photo:tourdepologne.pl
ステージ表彰台ステージ表彰台 photo:tourdepologne.pl


ツール・ド・ポローニュ2014第3ステージ結果
1位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
2位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
8位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
23位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
3h39'27"











個人総合成績
1位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
3位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
4位 ロマン・マイキン(ロシア、ルスヴェロ)
5位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
6位 ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)
9位 マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)
10位 グルゼゴ・ステフニアック(ポーランド、CCCポルサット)
14h50'55"
+27"

+31"

+33"

+35"

+37"


ポイント賞
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)

山岳賞
マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)

スプリント賞
ペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)

チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ

text:So.Isobe
photo:tourdepologne.pl