いよいよ今週末、8月22日〜23日にかけて、Jツアー第8戦大町美麻サイクルロードレースが開催される。大会委員である長野県自転車競技連盟理事の藤森信行氏にレースの展望を解説していただいた。コース難易度が非常に高いハイレベルの2日間になっている。

Jツアー第7戦小川大会から4週間の中断期間を経て、国内ロードレース後半戦が再開する。国内ロードレース後半戦は距離の長い試合が目白押しだ。

シーズン後半の主要な長距離レース
8月22-23日 JBCF大町美麻  個人TT3.2km + ロードレース200km
8月30日 インカレロード  140km(CSC5kmサーキット)
9月6日 実業団選手権   個人ロードレース197km
9月09-13日 ツール・ド・北海道  うち2,3,4ステージが180km以上
10月25日 ジャパンカップ  151.3km(14.1×10周+10.3km×1周)
11月8日 ツール・ド・沖縄 クリテリウム60km + ロードレース200km

2008年インカレで優勝を飾った角令央奈2008年インカレで優勝を飾った角令央奈 photo:Hideaki.TAKAGIどのレースも競技時間が4時間から5時間半の長丁場。海外のステージレースに参加したチームを初め、各チームとも乗り込み距離を増やして、長距離の試合に対応できる体を作り上げたようだ。ここでは、各チームのシーズン後半の調子を伺うことの出来るJBCF大町美麻サイクルロードレースについて概要を説明したい。

開催場所の大町市美麻地区は長野県の北西部に位置している。安曇野から山ひとつ東に超えた標高900m前後の高原で、夏の暑い時期でも日陰に入るとひんやりとするほどの、さわやかな気候が魅力だ。地元の方々の御協力を得て、1周回12.6km・標高差226mのサーキットを設定することが可能となった。

2007年学生ロードシリーズでは宮沢崇史選手が、2008年インカレとして角令央奈選手が優勝しているサーキット。どちらかというとスピードのある選手に有利なコースのようだ。2009年は16周回・距離200km・合計標高差3600mに設定された。

2008年のインカレは合計164kmで行なわれ、完走者は僅かに13名。200kmの長丁場となった今年は果たして何名が完走するだろうか?

第2ステージのコースマップ第2ステージのコースマップ photo:大町美麻ロードレース実行委員会選手たちが世界を見据えて闘うために、それにふさわしい準備環境を整えることの出来る連盟は実業団連盟だけ、という同連盟の強い決意が感じられる。世界レベルのレースを1シーズンで最低3回は開きたいというのが同連盟の目標で、計画初年目で2回の200kmクラスのレースを実現した実行力は高く評価されるべきだと思う。

後半戦第一戦、大町美麻サイクルロードレースは、土曜日ヒルクライム個人タイムトライアル3.2kmと日曜日200kmのロードレースで構成されたステージレース。ステージレースなので、各チーム最小選手数、最大選手数の中での戦いとなる。

選手数を概ね揃えているので、チーム内で役割分担をし、よりよい成績を勝ち取る努力をしたチームに有利に働く。1名から好きなだけ選手をエントリーできる「個人ロードレース」は世界水準のレース(国際レースカレンダーに乗っているレース)では存在しない。距離を同じにするだけではなく、チームの形、試合の枠組みを世界と同じにしたいとの考えだ。

大会概要
8月22日(土)[権現山ヒルクライム]
12:30 クラスTR ステージ1 個人タイムトライアルスタート
          市道新行池の平線 距離3.1km 標高差244m 平均勾配8%
16:00 クラスTR ステージ1 終了
     コース:ヒルクライムコース 3.1km
     新行公民館 →(市道新行池の平線) → 権現山
 
8月23日(日)[ロードレース]
08:00  クラスBR 12.6km x 4周回 =50km スタート
09:10  クラスBR 先頭ゴール 表彰式
10:00 クラスTR 12.6km x 16周回=200km スタート
15:50 クラスTR 先頭ゴール 表彰式
16:00 クラスTR 最終選手ゴール
    コース:美麻地区南部周回コース 1周12.6km
    新行グラウンド →(市道湯の海新行線) → 境の沢交差点 →(県道美麻八坂線)
    →大塩大黒様 →(県道川口大町線)→ 向入口 →(市道蟻坂線)→ 向交差点 
    →(県道小島信濃木崎線)→ 新行グラウンド

主な出場選手
日本チャンピオンに輝いた西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)日本チャンピオンに輝いた西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) photo:Hideaki.TAKAGI盛一大(愛三工業レーシングチーム)タイムトライアル日本チャンピオン 
西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)ロードレース日本チャンピオン 
2人の新しい日本チャンピオンが新しいナショナルチャンピオンジャージで出走予定。競技規則に従い、競技中は一枚の日本チャンピオンジャージに制限される。土曜日の個人タイムトライアルでは盛選手だけが、日曜日のロードレースでは西谷選手だけが、日本チャンピオンジャージを着用する。レース直前まで、日本チャンピオンジャージでウォーミングアップしているかもしれない。

鈴木真理(シマノレーシング)ルビーレッドジャージ/Jツアーツアーリーダー495pts
現在総合2位チームメイト野寺秀徳選手(シマノ)が380pts、総合3位長沼隆行選手(UTSUNOMIYA)が343pts、2日間の競走ですがワンデイレースと同じポイント(1位100pts)しか与えられないので、鈴木選手がゴールしようと棄権しようと、ルビーレッドジャージは動かない。しかし飯田、輪島と続くのぼりの多いコースを考えると6位以内は確保しておきたいところ。
 
山本幸平(MTB CX選抜)マウンテンバイククロスカントリー全日本選手権で桁違いの実力を見せ、5分差で圧勝した日本チャンピオン。
平野星矢(MTB CX選抜)同じくマウンテンバイククロスカントリーU-23の日本チャンピオン。5月の2days race in 木祖村では積極的な走りが光った。
辻浦圭一(MTB CX選抜)真冬のシクロクロスエリート7連勝中の日本チャンピオン。

また、実業団連盟の理解を頂き、ワイルドカード枠を設定することが出来た。定数33チームに達しなかった場合、主催者はワイルドカードを行使することが出来ることに。実業団TRにエントリーしているチーム、個人はほぼそのまま国内最高水準の選手だが、最高水準の選手は完全に網羅されているとは限らない場合もある。例えば、選手育成や地元の話題づくりのために、プロツール登録チームを排除しても、地元プロコンチネンタル登録チームを出場させるグランツールがあるほど。

今回ワイルドカードの枠を使って出場したチームの中で、注目したいのは以下の選手たち。

西薗良太(東京大学)学生ロードシリーズでリーダージャージを着用中
福田高志(O-Trick西日本学生選抜)関西学生選抜で出場
高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)2days race in 木祖村ステージ2優勝
岡林秀樹(信州大学)地元の信州大学から出場

ワイルドカードチームは、消極的に走ってゴールにたどり着くよりも、どっさりと設定されている周回賞、山岳賞狙いで前半から飛び出して試合を盛り上げることを期待している。

地元の協力で実現した豊富な賞品群
クラスTR第1ステージ
1位 お米5kg1袋 JA大北様
  地酒4合瓶1本(株)薄井商店様
2位 お米2kg1袋 JA大北様
   地酒4合瓶1本(株)薄井商店様
3位 地酒4合瓶1本(株)薄井商店様
   オリジナル麦茶1ケース セブンイレブン大町上橋店様

クラスTR第2ステージ
山岳賞・個人総合成績・U23・O-40
1位 お米5kg2袋 JA大北様
   ミネラルウォーター1ケース(株)トーエル様
  地酒一升瓶1本 北安醸造(株)
2位 お米5kg1袋 JA大北様
   ミネラルウォーター1ケース(株)トーエル様
   地酒4合瓶1本(株)市野屋商店様
3位 お米2kg1袋 JA大北様
   ミネラルウォーター1ケース(株)トーエル
但し2・3位はU23及びO-40を除く(個人総合3位は麦茶1ケースとする)

クラスTR
周回賞   1,2,3,4回目1位 お米5kg1袋 JA大北様
      1,2,3,4回目2位 麦茶1ケース セブンイレブン大町上橋店様
山岳賞   1,2,3回目1位のみ お米5kg1袋 JA大北様
      4,5,6,7回目1位のみ お米2kg2袋 JA大北様
ボーナスタイム 1,2,3回目1位のみ お米5kg1袋 JA大北様
        4回目1位のみお米5kg2袋 JA大北様

クラスBR
ゴール着順 山岳賞 女子
1位 お米5kg1袋 JA大北様
   地酒一升瓶1本 北安醸造(株)様
但し山岳賞・女子の1位は地酒4合瓶各1本が付く (株)市野屋商店様
2位 お米5kg JA大北様
3位 お米2kg JA大北様

山岳賞1,2,3回目1位 お米5kg JA大北様
山岳賞1,2,3回目2位 麦茶1ケース セブンイレブン大町上橋店様

text:藤森信行

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