6月4日〜8日にかけての5日間でツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.HC)が開催され、ステージ2勝をマークしたマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)が総合優勝を飾った。ダイジェストでレポートする。
ルクセンブルク国内を駆け巡るツール・ド・ルクセンブルク photo:www.aotdl.com
プロローグ 濡れた石畳を走るアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:www.aotdl.comチェコの自動車ブランド、シュコダが冠スポンサーを務めるツール・ド・ルクセンブルク。74回目を迎える2014年大会は、例年と同じくプロローグで開幕する5日間のスケジュールで開催された。
過去に2度の総合優勝経験を持つフランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) photo:www.aotdl.comこのレースは丘陵地帯を駆け巡るため、コースはプロローグを含めてほぼ全てが多数のアップダウンを含むもの。難関山岳こそ設定されていないが、アルデンヌクラシックのような急坂や石畳の登りが所々に登場する。
第2ステージ ルクセンブルクの丘陵地帯を走るメイン集団 photo:www.aotdl.com今年は3つのプロチーム(ロット・ベリソル、ティンコフ・サクソ、トレックファクトリーレーシング)を筆頭に計13チームが参加し、過去に2度の総合優勝経験のあるフランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)も弟のアンディと共に出場。この3つのプロチームがレースを席巻することとなる。
第3ステージ アタックするフランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) photo:www.aotdl.com石畳の登りを含む2.55kmのプロローグではスプリンターやパンチャーが上位に食い込み、3分58秒をマークしたダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)が優勝しリーダージャージに袖を通す。
翌第1ステージは3名の逃げを飲み込んだ大集団によるスプリントに持ち込まれ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)がミカエル・モルコフ(デンマーク、ティンコフ・サクソ)を抑えて勝利。総合首位のヴァンポッペルはステージ3位に入り、ボーナスタイムで総合リードを僅かに広げた。
第4ステージ 周回をこなすマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) photo:www.aotdl.comロスポール〜シフランジュ間で行われた第2ステージは、集団のまま12%超の勾配を誇る登坂勝負に持ち込まれ、最後はマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)が余裕のスプリント。ヴァンポッペルが下位に沈んだため、ステージ3位のジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)が総合リーダーの座についた。
大会中最長距離(205.8km)を走る第3ステージでは、ゴール前の周回コースに用意された登坂コル・ド・ユーロップ(斜度8%)でフランク・シュレクやリーナス・ゲルデマン(ドイツ、MTNキュベカ)らが活発にアタックを掛けるものの決まらない。
代わってティンコフ・サクソ3人(ブレシェル、ザウグ、ロフニー)を含む5人がゴールまで逃げ切り、最後はブレシェルが2日連続のステージ優勝を決めてみせた。メイン集団を18秒引き離したため、ブレシェルは総合首位も同時に手に入れている。
そして最終日となる第4ステージでは逃げ切り優勝が決まった。序盤からはグライペルやアンディ・シュレクを含む9人のエスケープが決まり、アタックやペースアップを経て終盤は単独逃げのグライペルvs集団という構図に。集団からのブリッジはいずれも成功せず、僅かなリードを力で押し切ったグライペルが独走フィニッシュでステージ2勝目を挙げた。
そしてブレシェルは2位集団の頭を抑え、19秒差を守りきり総合優勝を達成。「ようやく今年勝つことができた!」と言う通り今シーズンは不調が続いていたが、この後に控えるツール・ド・スイスに向けての弾みをつけることとなった。
6月4日(水)プロローグ ルクセンブルク市内周回コース 2.55km(個人TT)
プロローグ 優勝したダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング) photo:www.aotdl.com
6月5日(木)第1ステージ ルクセンブルク〜エスペランジュ 172.6km
第1ステージ 圧倒的なスプリントでアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が優勝 photo:www.aotdl.com
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h34'03"
2位 ミカエル・モルコフ(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
3位 ダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
4位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
5位 グレゴリー・ヘンダーソン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
6月6日(金)第2ステージ ロスポール〜シフランジュ 157.5km
第2ステージ 登りスプリントを制したマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) photo:www.aotdl.com
1位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) 3h48'49"
2位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、ルスヴェロ)
3位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
4位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ストルティング)
5位 ロメン・ハーディ(フランス、コフィディス)
6月7日(土)第3ステージ エシュヴァイラー〜ディフェルダンジュ 205.8km
第3ステージ 2日連続の勝利を挙げたマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) photo:www.aotdl.com
1位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) 5h27'10"
2位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
3位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、ルスヴェロ)
4位 オリヴァー・ザウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)
5位 イワン・ロフニー(ロシア、ティンコフ・サクソ)
6月8日(日)第4ステージ メルシュ〜ルクセンブルク 205.8km
第4ステージ 独走でゴールに辿り着いたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:www.aotdl.com
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h04'54"
2位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
3位 ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)
4位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
5位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ストルティング)
個人総合成績
総合トップスリー表彰 photo:www.aotdl.com
text:So.Isobe
photo:www.aotdl.com





翌第1ステージは3名の逃げを飲み込んだ大集団によるスプリントに持ち込まれ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)がミカエル・モルコフ(デンマーク、ティンコフ・サクソ)を抑えて勝利。総合首位のヴァンポッペルはステージ3位に入り、ボーナスタイムで総合リードを僅かに広げた。

大会中最長距離(205.8km)を走る第3ステージでは、ゴール前の周回コースに用意された登坂コル・ド・ユーロップ(斜度8%)でフランク・シュレクやリーナス・ゲルデマン(ドイツ、MTNキュベカ)らが活発にアタックを掛けるものの決まらない。
代わってティンコフ・サクソ3人(ブレシェル、ザウグ、ロフニー)を含む5人がゴールまで逃げ切り、最後はブレシェルが2日連続のステージ優勝を決めてみせた。メイン集団を18秒引き離したため、ブレシェルは総合首位も同時に手に入れている。
そして最終日となる第4ステージでは逃げ切り優勝が決まった。序盤からはグライペルやアンディ・シュレクを含む9人のエスケープが決まり、アタックやペースアップを経て終盤は単独逃げのグライペルvs集団という構図に。集団からのブリッジはいずれも成功せず、僅かなリードを力で押し切ったグライペルが独走フィニッシュでステージ2勝目を挙げた。
そしてブレシェルは2位集団の頭を抑え、19秒差を守りきり総合優勝を達成。「ようやく今年勝つことができた!」と言う通り今シーズンは不調が続いていたが、この後に控えるツール・ド・スイスに向けての弾みをつけることとなった。
6月4日(水)プロローグ ルクセンブルク市内周回コース 2.55km(個人TT)

1位 ダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
2位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
3位 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、レオパードデヴェロップメント)
4位 シリル・ルモワンヌ(フランス、コフィディス)
5位 アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)
2位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
3位 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、レオパードデヴェロップメント)
4位 シリル・ルモワンヌ(フランス、コフィディス)
5位 アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)
3'58"
+04"
+05"
+08"
+12"
+04"
+05"
+08"
+12"
6月5日(木)第1ステージ ルクセンブルク〜エスペランジュ 172.6km

1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h34'03"
2位 ミカエル・モルコフ(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
3位 ダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
4位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
5位 グレゴリー・ヘンダーソン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
6月6日(金)第2ステージ ロスポール〜シフランジュ 157.5km

1位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) 3h48'49"
2位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、ルスヴェロ)
3位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
4位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ストルティング)
5位 ロメン・ハーディ(フランス、コフィディス)
6月7日(土)第3ステージ エシュヴァイラー〜ディフェルダンジュ 205.8km

1位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ) 5h27'10"
2位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
3位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、ルスヴェロ)
4位 オリヴァー・ザウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)
5位 イワン・ロフニー(ロシア、ティンコフ・サクソ)
6月8日(日)第4ステージ メルシュ〜ルクセンブルク 205.8km

1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h04'54"
2位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
3位 ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、MTNキュベカ)
4位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
5位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ストルティング)
個人総合成績

1位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
2位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
3位 ミカエル・モルコフ(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
4位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
5位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、ルスヴェロ)
6位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ストルティング)
7位 ロメン・ハーディ(フランス、コフィディス)
8位 ローレント・イヴラール(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)
9位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
10位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ワンティ)
2位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ)
3位 ミカエル・モルコフ(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
4位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
5位 セルゲイ・ラグティン(ロシア、ルスヴェロ)
6位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ストルティング)
7位 ロメン・ハーディ(フランス、コフィディス)
8位 ローレント・イヴラール(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)
9位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
10位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ワンティ)
17h59'04"
+19"
+20"
+21"
+26"
+35"
+43"
+48"
+56"
+1'01"
+19"
+20"
+21"
+26"
+35"
+43"
+48"
+56"
+1'01"
text:So.Isobe
photo:www.aotdl.com
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