栂尾大知と山下貴宏。チームミヤタにいた2人の所属チームが使用するバイクはミヤタサイクルが扱うメリダ。若手中心の総勢14名の大所帯となったチームは、奈良をベースに活動5年目に突入。

シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAサイクリングチーム2014メンバー14名全員が揃うシエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAサイクリングチーム2014メンバー14名全員が揃う photo:Hideaki TAKAGI
5年目のチームは14名の選手で

3月29日(土)、奈良市西大寺のイタリアンバール、cucina+oven pianoで、シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAサイクリングチームのプレゼンテーションとパーティが行われた。奈良を拠点に体制を構えて丸4年、今シーズンで5年目に突入する。昨年からはUCIコンチネンタルチームとなりこれも2年目となる。

チームは6人が継続で若手中心に8名が加入し14名の大所帯に。一部選手は全国優勝など実績があるが、多くの選手はそこまでには至らない選手たち。だが選手間で強いと認識され伸びしろのある若い選手が多いのが今年の特徴だ。チームが主戦場と位置づけるJプロツアーは、毎レース1チームから8名までの出場なので、チーム内でのポジション争いさえも生まれてくるほどの陣容。

チーム特別顧問、奈良県選出の奥野信亮衆議院議員チーム特別顧問、奈良県選出の奥野信亮衆議院議員 photo:Hideaki TAKAGI乾杯の音頭は日本競輪選手会奈良支部田中祥之支部長乾杯の音頭は日本競輪選手会奈良支部田中祥之支部長 photo:Hideaki TAKAGI

「レース界にミヤタが復帰できる」株式会社ミヤタサイクル高谷信一郎社長

「レース界にミヤタが復帰」高谷信一郎株式会社ミヤタサイクル社長「レース界にミヤタが復帰」高谷信一郎株式会社ミヤタサイクル社長 photo:Hideaki TAKAGIプレゼンにはチームの特別顧問である奈良県選出の奥野信亮衆議院議員が昨年に引き続き出席、スポンサー関係者からサポーターも多く参加し華やかに進行。
今年もチームが使うのは株式会社ミヤタサイクルが供給するメリダ。スクルトゥーラとリアクトを選手たちは使う。今年同社はMTBのミヤタメリダバイキングチームに加え、宇都宮ブリッツェンへも供給し、国内3チームがメリダを使う。来賓祝辞の先陣を切って同社高谷信一郎社長が語る。
元チームミヤタの山下貴宏が使用するのはメリダ・スクルトゥーラ元チームミヤタの山下貴宏が使用するのはメリダ・スクルトゥーラ photo:Hideaki TAKAGI
「栂尾選手、山下選手は元チームミヤタであり、ミヤタのDNAを引き継いでいると思っている。今年、その選手たちをサポートすることができ、レース界にミヤタが復帰できることが嬉しい」
そしてヒルクライムレースを中心にミヤタサイクルが製作するスチールフレームを供給する予定があるという。その最軽量モデルは6.54kgとスチールフレームバイクとして世界最軽量を誇る。ミヤタ出身の選手がミヤタのフレームでレースを走る、まさしくレース界へのミヤタの復帰と言っていいだろう。

その山下は2007年にチームミヤタが活動休止したときのメンバー。「ミヤタの冠を背負うことを誇りに思う。期待に応えられるよう結果を出したい」と語る。そして「自分もだが特に若い選手に頑張ってもらいさらに上のチームを目指してもらえれば」と続ける。

「Jプロツアーのクリテリウムで1勝を」横山光太郎GM

「JPTのクリテリウムで1勝を」と目標を掲げるのは横山光太郎ゼネラルマネージャー。昨年は学生メンバーがスケジュール上、思うように出られなく「忍」の一文字だったという。今年はJPTとUCIレースへ適材適所で出られるようにし、いっぽうで学生はシーズン途中で研修生として迎え入れる用意もある。
横山光太郎GM(左)と小島裕樹監督(右)横山光太郎GM(左)と小島裕樹監督(右) photo:Hideaki TAKAGI奈良県の自転車競技を支える徳地末広県車連理事長(中央)、奈良北高 三好泰彰教諭(右)、榛生昇陽高 足立卓也教諭(左)奈良県の自転車競技を支える徳地末広県車連理事長(中央)、奈良北高 三好泰彰教諭(右)、榛生昇陽高 足立卓也教諭(左) photo:Hideaki TAKAGI

そして特に水野恭兵と水野貴行に注目しているという。水野恭兵は2013年都道府県ロード優勝。先日までタイ合宿に参加し高強度の乗り込みを続けてきた。その日焼けと均整の取れた体躯は会場で異彩を放つほど。4月から6月まで渡米し、サテライトチームの日隈優輔のアテンドでレースを走り続ける予定だ。水野貴行は以前からJPTを走ってきたがここ2年でスプリント力を大幅に強化し、すでに中京圏のレースでは結果を出している。

田典幸はJETで驚異的な逃げを披露してきたがいよいよJPTに参戦、鹿児島大を卒業し3月から奈良市内の合宿所に住む。宮一貴は大阪出身でシルベストで走り中央大法学部へ一般入試で入った選手。学連と並行のためJPT以外に出場。根井悟は名門奈良北高卒業後ふたたびトップレースを走る。豊田勝徳と小渡健悟はTTを得意とし、白浜チームTTの主力メンバーになり得る。
横山光太郎GMが期待する水野恭兵(右)と水野貴行(左)横山光太郎GMが期待する水野恭兵(右)と水野貴行(左) photo:Hideaki TAKAGI兄弟漫才のセクシーモンキーズと掛け合う栂尾大知。松竹入りか?兄弟漫才のセクシーモンキーズと掛け合う栂尾大知。松竹入りか? photo:Hideaki TAKAGI

「奈良競輪場でトラック練習を入れたい」と語るのは小島裕樹監督。さらに6月にはアジアのUCIステージレースへ出場する予定があるという。さらに「地域密着のひとつは地元でレースを主催すること。昨秋のツアー・オブ・奈良・まほろばを契機にUCIレースを主催していきたい」と続ける。
奈良県自転車競技連盟徳地末広理事長は「将来的に奈良でホームレースそれもUCIレースを」と展望。「昨秋のツアー・オブ・奈良・まほろばで奈良県下の自転車関係者がひとつになった。これをきっかけに今後お互いに協力できれば」と支援。
将来的にチームがレースを主催していくまでには、子供たちを含む幅広い年齢層からの支援や、県下クラブチームなどとの緊密な連携がより必要になるだろう。

多くのサポーターに囲まれるチーム多くのサポーターに囲まれるチーム photo:Hideaki TAKAGI

シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAサイクリングチーム2014年メンバー 

継続
栂尾大知
井上人志
若杉圭佑
西沢倭義
大中巧基

新規加入 カッコ内は昨年所属など
山下貴宏(チーム右京)
豊田勝徳(チームAVEL)
田典幸(エスポワールアジア)
大谷一弘(チームAVEL)
水野恭兵(LA Lagrange)
水野貴行(エルドラード)
小渡健悟(岩井商会レーシング)
宮一貴(中央大在学中、研修生)
根井悟(奈良北高→大阪教育大在学中)


photo&text:高木秀彰