背中を痛みを訴えてロード世界選手権を途中リタイアし、1週間後のイル・ロンバルディアも欠場したクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)。仙腸関節の炎症によってレースから遠ざかっているツール・ド・フランス覇者のジャパンカップ欠場が発表された。

クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:A.S.O.「世界選手権で感じた背中の痛みが思うように回復しなかった」。そう語るフルームは、10月6日に行なわれたイル・ロンバルディアを欠場。UCIワールドツアーランキングの首位をホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)に明け渡している。

スカイプロサイクリングのアラン・ファレル医師は「スキャンを用いた検査で、クリスの仙腸関節に炎症が確認された。チームとして患部の回復具合を観察しているが、残念ながらレースには出場できない状態だ」と語っている。仙腸関節はその名の通り骨盤の仙骨と腸骨の間にある関節で、炎症によって腰痛を引き起こす。

フルームは自身のTwitterで「望んでいた通りのシーズンの締めくくり方ではないが、身体が言うことを聞かないんだ。R&R(Rest and Recreation=保養休暇)を楽しみにしている」と、予定より早くオフシーズンに入る宣言をした。

フルームが欠場を伝えたジャパンカップには、代わってリザーブのジョシュア・エドモンソン(イギリス)が出場予定。その他、リッチー・ポルト(オーストラリア)、ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)、イアン・ボスウェル(アメリカ)のメンバーに変更は無い。

さいたまクリテの出場予定は変わらず

ジャパンカップの翌週にはさいたまクリテリウムbyツール・ド・フランスが開催されるが、シクロワイアードがさいたまクリテ大会事務局へ確認したところ、「UCIレースではないから出場する」と、出場予定に変わりはないという。詳細な理由は不明だが、ジャパンカップに比べさいたまクリテが本格的なレースではない興行の意味合いが強いイベントであること、レースの性格上身体への負荷が低いことなどが考えられそうだ。


text:Kei Tsuji, Makoto.AYANO