1996年から6年連続ツール・ド・フランスでマイヨヴェールを獲得したエリック・ツァベル(ドイツ)が、過去のドーピング使用を白状した。1996年から2003年まで、EPO(エリスロポエチン)やコルチゾン、血液ドーピングに手を染めていたという。

現在カチューシャのアドバイザーを務めるエリック・ツァベル氏現在カチューシャのアドバイザーを務めるエリック・ツァベル氏 photo:Makoto Ayano15年間の現役生活の中で、6年連続マイヨヴェール獲得、ツールのステージ通算12勝、ブエルタ・ア・エスパーニャで4度ポイント賞獲得、ミラノ〜サンレモ4度優勝、アムステル・ゴールドレース優勝という成績を残して来たツァベル。2008年に現役を引退し、現在はカチューシャのスプリントコーチを務めている。

現在43歳のツァベルは、2007年に記者会見を開いて過去のEPO使用を告白している。テレコム時代のチームメイトだったラルフ・アルダグとともに、1996年ツールの第1週にEPOを使用したと自供した。

ツァベルは副作用の大きさから使用を中止し、それ以降ドーピングを行なっていないと会見で強調していたが、今年7月24日にフランス上院のドーピング調査委員会が発表した1998年ツール・ド・フランスのEPO陽性リストに再びツァベルの名前が挙がった。

八方塞がりのツァベルは、7月28日、南ドイツ新聞(ズュートドイチェ・ツァイトュング)の独占インタビューの中で、改めて過去のドーピング使用を告白。1997年から2003年まで長年にわたってドーピングに手を染めていたこと、そして過去の会見で嘘をついていたことを詫びた。

「EPOやコルチゾン、血液ドーピングを行なっていた」とツァベルは打ち明ける。記事によると、最初はEPOを使用していたが、EPOがドーピング検査で検出可能となったことから血液ドーピングに切り替えた。2003年ツールの開幕前には自己輸血を行なったという。

過去の嘘についてツァベルは「自分の人生を守りたかった。このスポーツを愛していたからこそ、プロサイクリストとしての夢にあふれた人生を失いたくなかった。だが自分の身勝手さが先行してしまった」と語っている。

text:Kei Tsuji
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