スペイン北部のバスク地方を代表するエウスカルテルは、今年も隣国フランスのビッグレースに主要なメンバーを送り込む。総合成績上位入賞を狙うチームリーダーは、ブエルタに集中するサンチェス(スペイン)ではなく、若手のアントン(スペイン)が務める。

昨年ツール・ド・スイス総合3位のイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)昨年ツール・ド・スイス総合3位のイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル) photo:Cor Vosスペインで最も自転車競技が盛んなバスク地方に拠点をおくエウスカルテルは、言わば「バスク人のバスク人によるバスク人のためのチーム」。バスク地方に近いピレネーステージには、オレンジTシャツを着た熱狂的なファンが大挙して詰めかけるだろう。

創設15年目のチームは、2003年のツールで総合トップ10に2名を送り込み、一躍トップチームの仲間入りを果たした。積極的にアタックを繰り返す姿が印象的。しかしステージ優勝は意外に少ない。今回選出された選手たちは、いずれもツールのステージ優勝経験がゼロだ。

2007年ツール総合9位のミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)2007年ツール総合9位のミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル) photo:Cor Vos昨年ツールで総合6位に入った北京五輪ロード金メダリストのサムエル・サンチェス(スペイン)は、ブエルタに照準を合わすために欠場する。代わって26歳のイゴール・アントン(スペイン)がエースの座に就く。

2006年ブエルタで難関頂上ゴールを制して総合15位に入ったアントンは、翌年ブエルタで総合8位にジャンプアップを果たした。昨年はツール・ド・スイスで総合3位。ツールをスケジュールから外してブエルタに集中したが、重要な局面で落車してレースを去っている。この山岳系オールラウンダーは、2度目のツールで総合トップ10入りを目指す。

昨年のブエルタで4日間リーダージャージを着たエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)昨年のブエルタで4日間リーダージャージを着たエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル) photo:Cor Vos2007年ツールで総合9位に入ったミケル・アスタルロサ(スペイン)は、昨年ツールでも総合15位。逃げにも乗る積極性を見せながら、安定した走りで毎年上位に絡んでくる。出場メンバーの中では最もツール出場経験が豊富だ。

他にもエゴイ・マルティネス(スペイン)やルーベン・ペレス(スペイン)ら、山岳に強い選手が揃う。2007年ツールでその積極性が評価され、総合敢闘賞に輝いたアメツ・チュルカ(スペイン)も出場する。

登坂力に優れたクライマーを多く輩出しているバスク地方。コルド・フェルナンデス(スペイン)は、そんなバスク出身が生んだ貴重なスプリンターだ。フェルナンデスはこれまで何度もステージ上位に絡んでいるが、まだグランツールでの勝利は無い。今年は“逆から読んでもISASI”で有名なイニャキ・イサーシ(スペイン)が欠場するため、フェルナンデスが単独エーススプリンターと務める。

エウスカルテルメンバー
イゴール・アントン(スペイン)
ミケル・アスタルロサ(スペイン)
ルーベン・ペレス(スペイン)
アメツ・チュルカ(スペイン)
エゴイ・マルティネス(スペイン)
ゴルカ・ベルドゥーゴ(スペイン)
フアンホセ・オロス(スペイン)
コルド・フェルナンデス(スペイン)
アラン・ペレス(スペイン)

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