毎年ツールに闘志を燃やすケースデパーニュだが、今年は主将バルベルデ(スペイン)不参加の大誤算。チームはパリ〜ニース総合優勝のLLサンチェス(スペイン)や2006年ツールで繰り上げ総合優勝に輝いたペレイロ(スペイン)を中心に、総合上位、ならびにステージ優勝を狙って走る。

パリ〜ニースで初総合優勝に輝いたルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)パリ〜ニースで初総合優勝に輝いたルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Cor Vosドーピングスキャンダル「オペラシオン・プエルト」への関与が疑われ、CONI(イタリア五輪委員会)から2年間のイタリア国内レース出場禁止の処分を受けたバルベルデ。処分が適応されるのはイタリア国内限定で、フランス国内でのレース活動は可能だ。

しかし今年のツールは第16ステージでイタリア国内を通過するため、仮にバルベルデが出場したとしてもイタリア入国前にリタイアしなければならない。バルベルデはCAS(スポーツ仲裁委員会)に訴えたが判決が間に合わず、チームとの協議の結果、ツール不参加を発表した。

2006年ツール総合優勝者のオスカル・ペレイロ(スペイン、ケースデパーニュ)2006年ツール総合優勝者のオスカル・ペレイロ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Cor Vos前哨戦のドーフィネ・リベレを制した絶対的なエースを欠くケースデパーニュ。バルベルデに代わってエースを務めるのは、シーズン序盤のパリ〜ニースで総合優勝に輝いたルイスレオン・サンチェス(スペイン)と、ドーピング違反が発覚した優勝者ランディス(アメリカ)の失格により繰り上げで2006年ツール総合優勝に輝いたオスカル・ペレイロ(スペイン)だ。

元スペインTTチャンピオンのLLサンチェスは、昨年ツールの中級山岳ステージで優勝。バルベルデをアシストしながら総合59位でレースを終えている。総合優勝候補に挙げるにはまだ時期尚早との声も聞かれるが、3度目のツールに初めてエースとして挑む。

山岳クライマーのダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ)山岳クライマーのダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Kei Tsuji2006年ツールの繰り上げ総合優勝者ペレイロは、翌年のツールを総合10位でフィニッシュ。しかし昨年のツールでは総合15位につけながらも、アルプスステージで激しく落車し、左腕を骨折してリタイア。今年のツールでは再び総合上位入賞を目指す。仮に総合で遅れた場合は、本来のアグレッシブな走りでステージ優勝を果敢に狙ってくるだろう。

上記の2人が山岳で苦戦した場合は、2007年ジロ総合10位&ツール総合13位のダビ・アローヨ(スペイン)で総合上位を狙う可能性も。山岳クライマーのアローヨは、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで悲願のグランツール初ステージ優勝。今年のジロを総合11位で終えている。

ダンケルク4日間レースで総合優勝に輝いたルイアルベルト・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)ダンケルク4日間レースで総合優勝に輝いたルイアルベルト・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) www.4joursdedunkerque.orgTTスペシャリストのホセイバン・グティエレス(スペイン)は5度目の出場を決めたが、グランツール全てでステージ優勝経験のあるパブロ・ラストラス(スペイン)や過去11回出場しているホセビセンテ・ガルシアアコスタ(スペイン)ら、ベテラン勢は相次いで欠場。チームは若手の選手たちに出場の機会を与えている。

エーススプリンターを務める24歳ホセホアキン・ロハス(スペイン)はツール初挑戦。新城幸也(Bboxブイグテレコム)が総合9位に入ったキャトル・ジュール・ド・ダンケルク(ダンケルク4日間レース)で総合優勝した22歳のルイアルベルト・コスタ(ポルトガル)や、ツール・ド・ロマンディ総合5位でスプリント力のある22歳リゴベルト・ウラン(コロンビア)もメンバー入りを果たしている。

ケースデパーニュメンバー
ルイスレオン・サンチェス(スペイン)
オスカル・ペレイロ(スペイン)
ダビ・アローヨ(スペイン)
ルイアルベルト・コスタ(ポルトガル)
アルノー・コワイオ(フランス)
ホセイバン・グティエレス(スペイン)
ルイス・パサモンテス(スペイン)
ホセホアキン・ロハス(スペイン)
リゴベルト・ウラン(コロンビア)

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