2018/07/21(土) - 12:05
北の大地の恵みを味わうグレイトアース北海道富良野ライドも後半戦へ。初となる160kmコースで見た光景に息を呑み、高級フルーツを堪能し、さらには後夜祭も楽しんだ後編レポートをお届けします。
第3エイドを出発して、初めて出てくる信号を右へ曲がると、十勝岳の麓へ向かう緩やかな登りが始まる。追い風に背を押されつつ、上った先にあるのが、名作ドラマ「北の国から」の主人公である黒板五郎が建てた「五郎の石の家」だ。第4エイドとなるこちらでは、緑豊牧場による麓郷の皮つきポテトフライと牛乳ソフトが振る舞われた。
大きく切られた馬鈴薯をその場で揚げたあつあつのポテトフライは、しっかり効いた塩味が疲れてきた身体に染み渡る。そして、牛乳ソフトがまた絶品。ポテトを食べている間に結構溶け始めてしまったのだけれど、それはこのソフトクリームに添加物がほとんど入っていない証拠。口に運んだ瞬間に、濃厚なクリームの味が広がっていく。コクがあって奥行きに富んだこのソフトクリームは、ぜひ一度食べてみてほしい。
さて、ここからは北富良野方面へ向かう。十勝岳の西麓から一旦ダウンヒル。上富良野の市街地へと抜け、次のエイドステーション「土の館」へと向かっていく。このころにはかなり日差しも強くなり、お昼時なのだと感じるころ合いに。
つまりそれは、関門の制限時間が迫っているということでもある。ランチエイドでもある土の館についたのは、12時30分ごろ。「スーパーロングコースを走る人は55分までにスタートしてください!」というアナウンスが流れる中、お昼ごはんとなるオムカレーを頂く。一つ一つオムレツを調理してくれる真心こもったエイドステーションで、とってもおいしかったのだけれど、時間が迫っているため掻き込むようにしていただくことにちょっと罪悪感。
どうにか食べ終えたころにはしかし、先頭グループは出発済み。人もまばらだと写真映えしないし、どうしたものか……と悩んでいると、グレイトアースをまとめる坂口さんが「ジェットコースターの路がすごくいいから、そこまで行ってみたら?」と勧めてくれた。良し、そういうことならと再びコースイン。関門締め切り10分前にスーパーロングコースへと突入したのだった。
コースでも最北となるこのエリアはスーパーロングコースの参加者だけが走ることのできるスペシャルエリア。スタート前に「かなり良いコースですよ!」と力説していた白戸さんの言葉通り、素晴らしい風景が次々に現れる。
でも、素晴らしい風景とセットになってくるのがパンチの効いたアップダウン。良いペースでここまで走ってきたので、かなり脚は終わり気味。無い脚をだましだまし使って、進んでいくとここまで走ってきた中で最もダイナミックなロケーションが広がっていた。
ジェットコースターの路、とはよく言ったもので、大きく波打ちながらまっすぐ伸びていく道からは、上富良野や美瑛の街並みが遠望できる。遠くには観覧車も見えており、なんだか本当に遊園地でジェットコースターに乗っているような気分に。
出来るだけ下りの勢いを活かしつつ、登り返していく。でも、最後の直登の手前に建てられていた三角形の看板には、赤地に白文字で止まれと書いてあるのだった。谷底からゼロ発進でジェットコースターの路最後の登りを乗り切れば、間もなくエイドへ到着だ。
美瑛産の小麦を使ったチュロスで糖分を補給したら、あとはゴールに向けて南下していく。今大会最後の峠となる千望峠への登りをどうにかこなす。きっと、その名前の通り、すごい景色が見えるはず……と期待しながらたどり着いた峠の頂上は、うっそうと茂る森の中。「誇大広告やん、ジャロに訴えるレベルじゃろ……」と思いつつ、下っていくと一気に視界が開け、富良野の大地を見渡せる極上ダウンヒルタイムに。疑ってすまない。
しばらく走っていくと、最後のエイドである富田メロンファームへ到着。休日ということもあり、多くの観光客でにぎわう中、ソフトクリームに自慢の赤肉メロンがトッピングされたサンデーを用意してくれていた。
火照った身体につめたくあまいソフトクリームが、そしてジューシーなメロンの果肉が心地良い。自慢のメロンはとっても甘くて、人生で一番おいしいフルーツの座を奪い取っていくほど衝撃的な美味しさ。
さて、ここまで来ればフィニッシュは目の前。ほとんど一直線の平坦路をメロンパワーで走り抜けたら、見慣れたグレイトアースアーチがお出迎え。元気な声でMCを務める平野由香里さんとハイタッチ。実はゴールにもエイドが用意されていて、小腹を満たしてくれる。牛サガリドッグと、最高級スイカであるマドンナで160㎞のライドを締めくくるのだった。
でも、まだまだ終わらないのがグレイトアース富良野ライド。この日の夕方からは、富良野でも人気のバー「AJITO」にて後夜祭が行われることに。道産の食材をたっぷり使ったビュッフェ形式の後夜祭は、前夜祭同様の盛り上がりに。いや、むしろ同じコースを走った絆が深まった分、後夜祭のほうが盛り上がっていたかも?
途中では、ライドの感想を伝え合う時間や、サプライズバースデーパーティーなども行われ、和気藹々とした時間が流れた後夜祭。とってもアットホームで、スタッフと参加者の垣根を感じさせない暖かい雰囲気に包まれたひと時に。きっと、この心地よいファミリー感がグレイトアースシリーズの本質的な魅力なのでしょう。
ちなみに、後夜祭がお開きになった後も、ワールドカップ・日本×セネガル戦のライブビューイングも行われ、本大会よりも盛り上がったよう(笑)自転車を通して出会った仲間と出会い、その輪が広がるのが、グレイトアースの魅力。グルメだけでも、景色だけでもない、もう一歩踏み込んだコミュニテイ―形成の場として、とても魅力的なイベントなのだと改めて感じた一夜となった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
第3エイドを出発して、初めて出てくる信号を右へ曲がると、十勝岳の麓へ向かう緩やかな登りが始まる。追い風に背を押されつつ、上った先にあるのが、名作ドラマ「北の国から」の主人公である黒板五郎が建てた「五郎の石の家」だ。第4エイドとなるこちらでは、緑豊牧場による麓郷の皮つきポテトフライと牛乳ソフトが振る舞われた。
大きく切られた馬鈴薯をその場で揚げたあつあつのポテトフライは、しっかり効いた塩味が疲れてきた身体に染み渡る。そして、牛乳ソフトがまた絶品。ポテトを食べている間に結構溶け始めてしまったのだけれど、それはこのソフトクリームに添加物がほとんど入っていない証拠。口に運んだ瞬間に、濃厚なクリームの味が広がっていく。コクがあって奥行きに富んだこのソフトクリームは、ぜひ一度食べてみてほしい。
さて、ここからは北富良野方面へ向かう。十勝岳の西麓から一旦ダウンヒル。上富良野の市街地へと抜け、次のエイドステーション「土の館」へと向かっていく。このころにはかなり日差しも強くなり、お昼時なのだと感じるころ合いに。
つまりそれは、関門の制限時間が迫っているということでもある。ランチエイドでもある土の館についたのは、12時30分ごろ。「スーパーロングコースを走る人は55分までにスタートしてください!」というアナウンスが流れる中、お昼ごはんとなるオムカレーを頂く。一つ一つオムレツを調理してくれる真心こもったエイドステーションで、とってもおいしかったのだけれど、時間が迫っているため掻き込むようにしていただくことにちょっと罪悪感。
どうにか食べ終えたころにはしかし、先頭グループは出発済み。人もまばらだと写真映えしないし、どうしたものか……と悩んでいると、グレイトアースをまとめる坂口さんが「ジェットコースターの路がすごくいいから、そこまで行ってみたら?」と勧めてくれた。良し、そういうことならと再びコースイン。関門締め切り10分前にスーパーロングコースへと突入したのだった。
コースでも最北となるこのエリアはスーパーロングコースの参加者だけが走ることのできるスペシャルエリア。スタート前に「かなり良いコースですよ!」と力説していた白戸さんの言葉通り、素晴らしい風景が次々に現れる。
でも、素晴らしい風景とセットになってくるのがパンチの効いたアップダウン。良いペースでここまで走ってきたので、かなり脚は終わり気味。無い脚をだましだまし使って、進んでいくとここまで走ってきた中で最もダイナミックなロケーションが広がっていた。
ジェットコースターの路、とはよく言ったもので、大きく波打ちながらまっすぐ伸びていく道からは、上富良野や美瑛の街並みが遠望できる。遠くには観覧車も見えており、なんだか本当に遊園地でジェットコースターに乗っているような気分に。
出来るだけ下りの勢いを活かしつつ、登り返していく。でも、最後の直登の手前に建てられていた三角形の看板には、赤地に白文字で止まれと書いてあるのだった。谷底からゼロ発進でジェットコースターの路最後の登りを乗り切れば、間もなくエイドへ到着だ。
美瑛産の小麦を使ったチュロスで糖分を補給したら、あとはゴールに向けて南下していく。今大会最後の峠となる千望峠への登りをどうにかこなす。きっと、その名前の通り、すごい景色が見えるはず……と期待しながらたどり着いた峠の頂上は、うっそうと茂る森の中。「誇大広告やん、ジャロに訴えるレベルじゃろ……」と思いつつ、下っていくと一気に視界が開け、富良野の大地を見渡せる極上ダウンヒルタイムに。疑ってすまない。
しばらく走っていくと、最後のエイドである富田メロンファームへ到着。休日ということもあり、多くの観光客でにぎわう中、ソフトクリームに自慢の赤肉メロンがトッピングされたサンデーを用意してくれていた。
火照った身体につめたくあまいソフトクリームが、そしてジューシーなメロンの果肉が心地良い。自慢のメロンはとっても甘くて、人生で一番おいしいフルーツの座を奪い取っていくほど衝撃的な美味しさ。
さて、ここまで来ればフィニッシュは目の前。ほとんど一直線の平坦路をメロンパワーで走り抜けたら、見慣れたグレイトアースアーチがお出迎え。元気な声でMCを務める平野由香里さんとハイタッチ。実はゴールにもエイドが用意されていて、小腹を満たしてくれる。牛サガリドッグと、最高級スイカであるマドンナで160㎞のライドを締めくくるのだった。
でも、まだまだ終わらないのがグレイトアース富良野ライド。この日の夕方からは、富良野でも人気のバー「AJITO」にて後夜祭が行われることに。道産の食材をたっぷり使ったビュッフェ形式の後夜祭は、前夜祭同様の盛り上がりに。いや、むしろ同じコースを走った絆が深まった分、後夜祭のほうが盛り上がっていたかも?
途中では、ライドの感想を伝え合う時間や、サプライズバースデーパーティーなども行われ、和気藹々とした時間が流れた後夜祭。とってもアットホームで、スタッフと参加者の垣根を感じさせない暖かい雰囲気に包まれたひと時に。きっと、この心地よいファミリー感がグレイトアースシリーズの本質的な魅力なのでしょう。
ちなみに、後夜祭がお開きになった後も、ワールドカップ・日本×セネガル戦のライブビューイングも行われ、本大会よりも盛り上がったよう(笑)自転車を通して出会った仲間と出会い、その輪が広がるのが、グレイトアースの魅力。グルメだけでも、景色だけでもない、もう一歩踏み込んだコミュニテイ―形成の場として、とても魅力的なイベントなのだと改めて感じた一夜となった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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