2018/02/21(水) - 09:20
コンポーネントや身につけるギアのみならずバックパックなども手がけるシマノ。アクティブなサイクリングを楽しむサイクリスト向けのUシリーズ、あらゆるユーザーにマッチするオールラウンドデイパックのRシリーズを実際の使用感とともに紹介しよう。
シマノ バックパック Uシリーズ
シマノ Uシリーズ(左2リットル、右14リットル)
MTBエンデューロレースに適したモデルから、アーバンユースにマッチしたモデルが揃うシマノのバックパックラインアップ。その中でもパフォーマンスシリーズとして、上下左右に激しく動くMTBライドや深い前傾姿勢を維持しながらのロードサイクリングにピッタリなモデルが「Uシリーズ」である。
アグレッシブなサイクリングにマッチする要因は、ライダーフィット・クロスハーネスというシマノ独自のショルダーストラップシステムにある。左右の肩紐を胸の前でまとめることで、自動車の4点式シートベルトのように身体とバッグをピタリとフィットさせることが可能となり、上下左右に動くようなシーンでもバッグが暴れにくくなっている。
クロスハーネスシステムは、ショルダーストラップが脇周りの動きを妨げることが無い。プッシュとプル、ハンドルを切る動作が大きいオフロードライドでも快適に過ごすことができるのも特徴のひとつだ。
グローブを装着した状態でもジッパー操作を行いやすくするため、リング形状となっている
止水ジッパーのポケット内側はフリース素材が使用されており、傷つきやすいものを収納するのにピッタリだ
ヘルメットのあご紐をかけるホルダーが用意されているため、ヘルメットの持ち運びも容易に行える
バック下部のポケットにはバンジーコードが備えられており、様々なものをかけることが可能だ
また、このシステムはハーネスの高さを柔軟に調整することができ、身長150cmの方から200cm近くまで対応する。加えて、腰回りもベルクロによって長さを柔軟に調整可能となっており、従来のバックパックでは肩周りのストラップが浮いてしまうという方や、脇周りが苦しいという方にもフィットする。
ハーネスを胸元でまとめるフックもこのシステムの肝だ。一般的なバックルではなくフックを採用することで、片手で素早く締め付け具合を調整することが可能となっている。ヒルクライム中は緩く、ダウンヒル時は締め付ける作業を乗車しながらでも作業を行えるのは嬉しい仕様だ。
ショルダーストラップは肉抜き加工が施されたクッション素材とメッシュ生地が組み合わされている。バックパネルも同様にクッションとメッシュ素材で作られていることに加え、空気が流れるようにパッドが配されているため、ハイテンポなライドでも熱がこもる心配が少ない。
クロスハーネスというネーミングの通りショルダーストラップが胸の中心でクロスしている
フックを採用することで、素早く胸の締め付け具合を変えることが可能となっている
ショルダーストラップの脇部分は、締め付けの調整を可能とするためベルクロ仕様となっている。肩と脇どちらのフィット感を高めることに成功している
バックパックのメインである荷室に関しては、メインに加え外側にフリース素材のポケットと、フックやメッシュの仕切り付きのポケットが設けられている。ファスナーにはグローブを装着したままでも扱いやすいOリングも装備された。
他にもヘルメットホルダーや、アイウェアを掛けるループ、多目的に使用できるバンジーコードなども備えられており、使い勝手に優れるバックパックに仕上げられている。
このシステムを採用したU−シリーズは容量別に5種類が揃う。最も小サイズなのが2リットル、大きなサイズは14リットル。中間にMTBエンデューロレース向けの4Lと6L、10Lという3種類が用意されている。
14リットルモデルのメインの荷室は広々としており、日帰りの輪行ツーリングなどに必要な物を持ち運べる
バックパックの背面側に用意されたポケットには、肩紐の長さを調節するアジャスターとハイドレーションパック用のポケットが備えられている
バック最下部にはレインカバーが隠されている
Uシリーズはアグレッシブなライドに最適化させるため、通気性に優れるバックパネルデザインとなっている
それぞれに美点があり、2リットルのモデルはバックポケットやツールケースの代わりとして必要最低限の物と、ポケットなどには入りきれないアパレルなどを収納するのにピッタリだろう。対して14リットルのモデルは、着替えなども収納できるほどの大きさであり、輪行ツーリングなどで活躍してくれる。自身の行動範囲によって選び分けることができるラインアップとなっている。
さて、Uシリーズの使用インプレッションをお届けしよう。今回はCW編集部員がオフロード走行ありのライドでU-14とU-2を試してみた。このモデルで特筆すべきポイントはバックパックとライダーの一体感。バッグを身体にフィットさせることで、オフロードでバランスを取るためやダンシングで身体を左右に振ったとしても、背中のバックパックが暴れるということが無くなるのだ。
次の美点はクロスハーネスシステムを採用することで適切なフィット感を得やすくなっている点だろう。このシステムは、ショルダーストラップの長さを身長別に調節することが出来るうえ、脇周りの締付け具合も身体に合わせやすい。
背中に密着しているため、容量にかかわらず高い安定性を感じることが出来る
加えて脇のベルト調整はベルクロで、ストラップを胸元でまとめるのはフックであるため、ライド中にサッと調整作業を行うことができる。バックパックのフィットに関する気持ちはその時々で変わるものであろうし、今までのようにバックルで細かい調整を行わなければならなかった煩わしさから開放してくれるのは非常に嬉しい。
ストラップ自体の幅が広くされているため、身体にピタリとフィットするまで締め付けても不快感が生まれにくいのも美点であると感じる。従来のように高いフィット感を生み出すためチェストベルトをきつく締め付けた結果、胸が苦しくなったり、ベルトが身体に食い込んだりと、フィット感とトレードオフ関係にあったデメリットが少なくなっているのだ。
また、クロスハーネスは腕の動きを阻害しないこともメリットの1つ。従来型のバックパックでTTポジションの様に左右の肘の距離を近づけようとすると、ショルダーストラップが邪魔になることがあったはずだ。クロスハーネスではそれがほぼ無い。加えてオフロード走行時に必須な腕のプッシュ/プル動作を妨げることも無くストレスを感じにくいため、ライドに集中し続けることができる。
オフロードライドのようにアグレッシブに身体を動かす場面にピッタリなUシリーズ
必要最小限の物を収納する2リットルモデルは、アグレッシブなライド時にピッタリだ
これらの恩恵を受けたのがU-2とU-14だ。シリーズ最小容量のU-2はそもそも収納できる荷物が少ないため、バックパックが背中で暴れるということは全く無かった。このコンパクトサイズのメリットは、バックポケットを持たない服装(MTBウェアなど)で荷物を最小限のストレスで持ち運べること。補給食や工具類など沢山持ち運び、バックポケットの伸びが気になる方でも十分にその恩恵を受けることができるはずだ。
Uシリーズで最大容量のU-14でもバックパックとライダーの一体になる感覚をほぼ味わえる。もちろん荷物を多く入れた際はバックパックの存在感を感じるものの、邪魔になることは無かった。アグレッシブに体を動かすオフロードライドでも、バックパックによって集中力が削がれることは少ないだろう。
今回テストでは、シングルバーナーや1人用クッカー、タオル、一眼レフカメラ、工具、替えチューブを収納してもまだ物を入れられる余裕が残っていた。ここに加えてコンパクトな輪行袋や最低限の着替えなどは収納できそう。様々なシチュエーションで活躍してくれるのがこのサイズだ。
シマノ U-2(OLIVE GREEN) (c)シマノ
シマノ U-6(AEGEAN BLUE) (c)シマノ
シマノ R-16(OLIVE GREEN) (c)シマノ
バックパックを使用することで、楽しめるライドの幅はグッと広がってくれるはず。このUシリーズは動きを妨げずストレスにならないホールド感が魅力。バックパックの締めつけ感が苦手な方でも、一度試着をしてもらいたいと思う製品だ。
シマノ Uシリーズ
容量:2、4、6、10、14L
カラー:AEGEAN BLUE、BLACK、OLIVE GREEN(容量によって展開カラーが異なる)
価格:9,000円(税抜、U−2)、13,000円(税抜、U−4E)、11,000円(税抜、U−6)、12,000円(税抜、U−10)、13,000円(税抜、U−14)
シマノ バックパックRシリーズ
シマノ バックパックRシリーズ(左8リットル、右12リットル)
日帰りのロングツーリングや輪行サイクリングにピッタリなバッグパック「Rシリーズ」。パフォーマンスシリーズとして激しいMTBライドやアップテンポなサイクリングに適応した「U」に対し、「R」はどのようなシチュエーションにもマッチするオールラウンドバックパックとしてEXPLORERシリーズに位置付けられるモデルだ。
最も大きな特徴はUシリーズよりも軽量性に勝る点。Rシリーズの最小サイズであるR−8は495gとされており、近い容量のU−6は780gという値となっている。バックパックが軽量であれば、肩や腰にかかる負担も少なく、ロングライドでアドバンテージとなるだろう。
ショルダーストラップシステムは一般的なバックパックと同じ。肩紐とチェストストラップ、ウエストベルトという構成だ。ウエストベルトの付け根はポケットが設けられるほど幅広く、腰をサポートするような形状。左右に振られる動作でも暴れにくいフィット感を生み出している。
Rシリーズの特徴は縦に割るようなポケットが備えられている
縦に割るポケットはフリース素材が採用されている
バック下部には素早く取り出したいものを収納するのにピッタリなポケットが用意されている
バック下部には素早く取り出したいものを収納するのにピッタリなポケットが用意されている
ショルダーストラップが体と接する肩周りの部分は、肉抜き加工が施されたクッション素材とメッシュ生地で作られているため、熱がこもりにくい。バックパネルも体への負担を和らげるクッションパッドで空気の通り道を確保している。
バックパネルやショルダーストラップはメッシュ素材となっており、バッグと身体の間にこもりやすい熱を積極的に排出してくれるだろう。加えて、各ストラップはワイドな形状となっており、身体とのフィット感を高めている。
一般的なバックパックのようにショルダーストラップはバックルのベルトでまとめられる
チェストベルトは高さ調節を行うことができる
ウエストベルトにはポケットが備えられており、補給食などを収納するのにピッタリだ
Rシリーズのラインアップには8リットル、12リットル、16リットルという中程度の容量が揃う。多彩なポケットが設けられており、優れた使い勝手のバックパックへと仕立てられている。メインの荷室には3種類のポケットが、バッグの外側にはフリース素材で収納品を傷つけないポケットや、キーホルダーが設けられたポケット、ウェストベルトなどが装備された。
もちろんメインの荷室も扱いやすく、サイクリングに必要な工具類はもちろんのこと、ポケットに入れるとかさばりやすいウィンドジャケットや、タオル、着替えのシャツ、輪行袋などを収納するのにピッタリだ。バッグの外側にはヘルメットホルダーが設けられているため、輪行時にかさばりやすいヘルメットも運びやすい。
R-8をツーリングで使用してのインプレッション
スポーツジャーナリストのハシケンさんがR-8をインプレッション
今回R-8についてスポーツジャーナリストのハシケンさんにインプレッションを伺った。千葉・房総半島でツーリングライドに使用してのコメントだ。
「背中全面を覆わないサイズ感なので、背中が蒸れず快適性が高いと思いましたね。サイクリストのバックパックといえばヘルメットを収納できるのがマストなので、その機能が標準装備されているのは良い点ですよね。あとはアイウェアを掛けられるのが便利です。
容量は小さく、伸縮性のある素材では無いながらも、サイズの大きい一眼レフカメラを入れることができたので、ワンデイのライドには十分な大きさと思います。シンプル・イズ・ベスト、奇をてらった設計はしていませんが、ベーシックな作りで安定したフィット感という、バックパックとしての必要要素を満たしているモデルでした。」
シマノ R-16(OLIVE GREEN) (c)シマノ
シマノ R-12(ROOIBOS ORANGE) (c)シマノ
シマノ R-16(LEGION BLUE) (c)シマノ
シマノ バックパックRシリーズ
容量:8、12、16L
重量:495g(R−8)、605g(R−12)、725g(R−16)
カラー:OLIVE GREEN、LEGION BLUE、BLACK、ROOIBOS ORANGE(容量によって展開カラーが異なる)
価格:8,000円(税抜、R−8)、9,000円(税抜、R−12)、10,000円(税抜、R−16)
シマノ バックパック Uシリーズ
![シマノ Uシリーズ(左2リットル、右14リットル)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-001.jpg)
MTBエンデューロレースに適したモデルから、アーバンユースにマッチしたモデルが揃うシマノのバックパックラインアップ。その中でもパフォーマンスシリーズとして、上下左右に激しく動くMTBライドや深い前傾姿勢を維持しながらのロードサイクリングにピッタリなモデルが「Uシリーズ」である。
アグレッシブなサイクリングにマッチする要因は、ライダーフィット・クロスハーネスというシマノ独自のショルダーストラップシステムにある。左右の肩紐を胸の前でまとめることで、自動車の4点式シートベルトのように身体とバッグをピタリとフィットさせることが可能となり、上下左右に動くようなシーンでもバッグが暴れにくくなっている。
クロスハーネスシステムは、ショルダーストラップが脇周りの動きを妨げることが無い。プッシュとプル、ハンドルを切る動作が大きいオフロードライドでも快適に過ごすことができるのも特徴のひとつだ。
![グローブを装着した状態でもジッパー操作を行いやすくするため、リング形状となっている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-003.jpg)
![止水ジッパーのポケット内側はフリース素材が使用されており、傷つきやすいものを収納するのにピッタリだ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-013.jpg)
![ヘルメットのあご紐をかけるホルダーが用意されているため、ヘルメットの持ち運びも容易に行える](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-007.jpg)
![バック下部のポケットにはバンジーコードが備えられており、様々なものをかけることが可能だ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-004.jpg)
また、このシステムはハーネスの高さを柔軟に調整することができ、身長150cmの方から200cm近くまで対応する。加えて、腰回りもベルクロによって長さを柔軟に調整可能となっており、従来のバックパックでは肩周りのストラップが浮いてしまうという方や、脇周りが苦しいという方にもフィットする。
ハーネスを胸元でまとめるフックもこのシステムの肝だ。一般的なバックルではなくフックを採用することで、片手で素早く締め付け具合を調整することが可能となっている。ヒルクライム中は緩く、ダウンヒル時は締め付ける作業を乗車しながらでも作業を行えるのは嬉しい仕様だ。
ショルダーストラップは肉抜き加工が施されたクッション素材とメッシュ生地が組み合わされている。バックパネルも同様にクッションとメッシュ素材で作られていることに加え、空気が流れるようにパッドが配されているため、ハイテンポなライドでも熱がこもる心配が少ない。
![クロスハーネスというネーミングの通りショルダーストラップが胸の中心でクロスしている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-008.jpg)
![フックを採用することで、素早く胸の締め付け具合を変えることが可能となっている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-009.jpg)
![ショルダーストラップの脇部分は、締め付けの調整を可能とするためベルクロ仕様となっている。肩と脇どちらのフィット感を高めることに成功している](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-010.jpg)
バックパックのメインである荷室に関しては、メインに加え外側にフリース素材のポケットと、フックやメッシュの仕切り付きのポケットが設けられている。ファスナーにはグローブを装着したままでも扱いやすいOリングも装備された。
他にもヘルメットホルダーや、アイウェアを掛けるループ、多目的に使用できるバンジーコードなども備えられており、使い勝手に優れるバックパックに仕上げられている。
このシステムを採用したU−シリーズは容量別に5種類が揃う。最も小サイズなのが2リットル、大きなサイズは14リットル。中間にMTBエンデューロレース向けの4Lと6L、10Lという3種類が用意されている。
![14リットルモデルのメインの荷室は広々としており、日帰りの輪行ツーリングなどに必要な物を持ち運べる](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-014.jpg)
![バックパックの背面側に用意されたポケットには、肩紐の長さを調節するアジャスターとハイドレーションパック用のポケットが備えられている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-011.jpg)
![バック最下部にはレインカバーが隠されている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-012.jpg)
![Uシリーズはアグレッシブなライドに最適化させるため、通気性に優れるバックパネルデザインとなっている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-005.jpg)
それぞれに美点があり、2リットルのモデルはバックポケットやツールケースの代わりとして必要最低限の物と、ポケットなどには入りきれないアパレルなどを収納するのにピッタリだろう。対して14リットルのモデルは、着替えなども収納できるほどの大きさであり、輪行ツーリングなどで活躍してくれる。自身の行動範囲によって選び分けることができるラインアップとなっている。
さて、Uシリーズの使用インプレッションをお届けしよう。今回はCW編集部員がオフロード走行ありのライドでU-14とU-2を試してみた。このモデルで特筆すべきポイントはバックパックとライダーの一体感。バッグを身体にフィットさせることで、オフロードでバランスを取るためやダンシングで身体を左右に振ったとしても、背中のバックパックが暴れるということが無くなるのだ。
次の美点はクロスハーネスシステムを採用することで適切なフィット感を得やすくなっている点だろう。このシステムは、ショルダーストラップの長さを身長別に調節することが出来るうえ、脇周りの締付け具合も身体に合わせやすい。
![背中に密着しているため、容量にかかわらず高い安定性を感じることが出来る](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-028.jpg)
加えて脇のベルト調整はベルクロで、ストラップを胸元でまとめるのはフックであるため、ライド中にサッと調整作業を行うことができる。バックパックのフィットに関する気持ちはその時々で変わるものであろうし、今までのようにバックルで細かい調整を行わなければならなかった煩わしさから開放してくれるのは非常に嬉しい。
ストラップ自体の幅が広くされているため、身体にピタリとフィットするまで締め付けても不快感が生まれにくいのも美点であると感じる。従来のように高いフィット感を生み出すためチェストベルトをきつく締め付けた結果、胸が苦しくなったり、ベルトが身体に食い込んだりと、フィット感とトレードオフ関係にあったデメリットが少なくなっているのだ。
また、クロスハーネスは腕の動きを阻害しないこともメリットの1つ。従来型のバックパックでTTポジションの様に左右の肘の距離を近づけようとすると、ショルダーストラップが邪魔になることがあったはずだ。クロスハーネスではそれがほぼ無い。加えてオフロード走行時に必須な腕のプッシュ/プル動作を妨げることも無くストレスを感じにくいため、ライドに集中し続けることができる。
![オフロードライドのようにアグレッシブに身体を動かす場面にピッタリなUシリーズ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-027.jpg)
![必要最小限の物を収納する2リットルモデルは、アグレッシブなライド時にピッタリだ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-029.jpg)
これらの恩恵を受けたのがU-2とU-14だ。シリーズ最小容量のU-2はそもそも収納できる荷物が少ないため、バックパックが背中で暴れるということは全く無かった。このコンパクトサイズのメリットは、バックポケットを持たない服装(MTBウェアなど)で荷物を最小限のストレスで持ち運べること。補給食や工具類など沢山持ち運び、バックポケットの伸びが気になる方でも十分にその恩恵を受けることができるはずだ。
Uシリーズで最大容量のU-14でもバックパックとライダーの一体になる感覚をほぼ味わえる。もちろん荷物を多く入れた際はバックパックの存在感を感じるものの、邪魔になることは無かった。アグレッシブに体を動かすオフロードライドでも、バックパックによって集中力が削がれることは少ないだろう。
今回テストでは、シングルバーナーや1人用クッカー、タオル、一眼レフカメラ、工具、替えチューブを収納してもまだ物を入れられる余裕が残っていた。ここに加えてコンパクトな輪行袋や最低限の着替えなどは収納できそう。様々なシチュエーションで活躍してくれるのがこのサイズだ。
![シマノ U-2(OLIVE GREEN)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/01/26/u-bg-dpma-qw02utraik-daypackolivegreen2lfront1standard.jpg)
![シマノ U-6(AEGEAN BLUE)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/01/26/unzen6aegeanblue01.jpg)
![シマノ R-16(OLIVE GREEN)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/01/26/bg-dpmb-rw16uall-round-daypackolive-green16lfront1standard.jpg)
バックパックを使用することで、楽しめるライドの幅はグッと広がってくれるはず。このUシリーズは動きを妨げずストレスにならないホールド感が魅力。バックパックの締めつけ感が苦手な方でも、一度試着をしてもらいたいと思う製品だ。
シマノ Uシリーズ
容量:2、4、6、10、14L
カラー:AEGEAN BLUE、BLACK、OLIVE GREEN(容量によって展開カラーが異なる)
価格:9,000円(税抜、U−2)、13,000円(税抜、U−4E)、11,000円(税抜、U−6)、12,000円(税抜、U−10)、13,000円(税抜、U−14)
シマノ バックパックRシリーズ
![シマノ バックパックRシリーズ(左8リットル、右12リットル)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-015.jpg)
日帰りのロングツーリングや輪行サイクリングにピッタリなバッグパック「Rシリーズ」。パフォーマンスシリーズとして激しいMTBライドやアップテンポなサイクリングに適応した「U」に対し、「R」はどのようなシチュエーションにもマッチするオールラウンドバックパックとしてEXPLORERシリーズに位置付けられるモデルだ。
最も大きな特徴はUシリーズよりも軽量性に勝る点。Rシリーズの最小サイズであるR−8は495gとされており、近い容量のU−6は780gという値となっている。バックパックが軽量であれば、肩や腰にかかる負担も少なく、ロングライドでアドバンテージとなるだろう。
ショルダーストラップシステムは一般的なバックパックと同じ。肩紐とチェストストラップ、ウエストベルトという構成だ。ウエストベルトの付け根はポケットが設けられるほど幅広く、腰をサポートするような形状。左右に振られる動作でも暴れにくいフィット感を生み出している。
![Rシリーズの特徴は縦に割るようなポケットが備えられている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-016.jpg)
![縦に割るポケットはフリース素材が採用されている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-023.jpg)
![バック下部には素早く取り出したいものを収納するのにピッタリなポケットが用意されている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-017.jpg)
![バック下部には素早く取り出したいものを収納するのにピッタリなポケットが用意されている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-025.jpg)
ショルダーストラップが体と接する肩周りの部分は、肉抜き加工が施されたクッション素材とメッシュ生地で作られているため、熱がこもりにくい。バックパネルも体への負担を和らげるクッションパッドで空気の通り道を確保している。
バックパネルやショルダーストラップはメッシュ素材となっており、バッグと身体の間にこもりやすい熱を積極的に排出してくれるだろう。加えて、各ストラップはワイドな形状となっており、身体とのフィット感を高めている。
![一般的なバックパックのようにショルダーストラップはバックルのベルトでまとめられる](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-019.jpg)
![チェストベルトは高さ調節を行うことができる](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-020.jpg)
![ウエストベルトにはポケットが備えられており、補給食などを収納するのにピッタリだ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/shimanobackpack2018-021.jpg)
Rシリーズのラインアップには8リットル、12リットル、16リットルという中程度の容量が揃う。多彩なポケットが設けられており、優れた使い勝手のバックパックへと仕立てられている。メインの荷室には3種類のポケットが、バッグの外側にはフリース素材で収納品を傷つけないポケットや、キーホルダーが設けられたポケット、ウェストベルトなどが装備された。
もちろんメインの荷室も扱いやすく、サイクリングに必要な工具類はもちろんのこと、ポケットに入れるとかさばりやすいウィンドジャケットや、タオル、着替えのシャツ、輪行袋などを収納するのにピッタリだ。バッグの外側にはヘルメットホルダーが設けられているため、輪行時にかさばりやすいヘルメットも運びやすい。
R-8をツーリングで使用してのインプレッション
![スポーツジャーナリストのハシケンさんがR-8をインプレッション](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/02/18/honeyview8bbbase-0089.jpg)
今回R-8についてスポーツジャーナリストのハシケンさんにインプレッションを伺った。千葉・房総半島でツーリングライドに使用してのコメントだ。
「背中全面を覆わないサイズ感なので、背中が蒸れず快適性が高いと思いましたね。サイクリストのバックパックといえばヘルメットを収納できるのがマストなので、その機能が標準装備されているのは良い点ですよね。あとはアイウェアを掛けられるのが便利です。
容量は小さく、伸縮性のある素材では無いながらも、サイズの大きい一眼レフカメラを入れることができたので、ワンデイのライドには十分な大きさと思います。シンプル・イズ・ベスト、奇をてらった設計はしていませんが、ベーシックな作りで安定したフィット感という、バックパックとしての必要要素を満たしているモデルでした。」
![シマノ R-16(OLIVE GREEN)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/01/26/bg-dpmb-rw16uall-round-daypackolive-green16lfront1standard.jpg)
![シマノ R-12(ROOIBOS ORANGE)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/01/26/bg-dpmb-rw12uall-round-daypackrooibosorange12lfront1standard.jpg)
![シマノ R-16(LEGION BLUE)](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/01/26/bg-dpmb-rw16uall-round-daypackestateblue16lfront1standard.jpg)
シマノ バックパックRシリーズ
容量:8、12、16L
重量:495g(R−8)、605g(R−12)、725g(R−16)
カラー:OLIVE GREEN、LEGION BLUE、BLACK、ROOIBOS ORANGE(容量によって展開カラーが異なる)
価格:8,000円(税抜、R−8)、9,000円(税抜、R−12)、10,000円(税抜、R−16)
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シマノ(SHIMANO)