2級山岳の山頂ゴールでビクトル・ニノがステージ優勝を挙げ、一騎打ちに敗れた畑中勇介が2位でフィニッシュ。しかし、日本ナショナルチームは、チームでのステージ成績1位という健闘をみせ、チーム総合順位首位をキープする。

緊張が走った最終日前日の山頂ゴール

宮澤崇史とチームサクソバンク宮澤崇史とチームサクソバンク 台湾南部の街、台南で開催された128.74kmの第6ステージ。寒い日が続いていた今年のツール・ド・台湾だったが、南に移動したこともあり、ようやく日差しが差し始めて気温も25℃まで上がり、台湾らしい気候が戻ってきた。

レースが開催された台南はかつてオランダ人が多く住んだという歴史があり、名所や旧跡が多く残されている街。街を歩いていると昔ながらの台湾を感じることができる台湾第4の都市だ。この日も市街の中心、市庁舎からスタートを迎えた。

スタートを待つ西谷泰治(日本ナショナル)スタートを待つ西谷泰治(日本ナショナル) 途中2ヶ所にホットスポット、そして2級山岳の頂上ゴールとなるコース設定。総合順位が各選手僅差につけているため、スタート前の選手たちには緊張が走る。「見てくださいよ、どの選手も周りの顔色伺っていますよ……」と話すのは8秒差の総合4位につける西谷泰治(日本ナショナル)。

ロジャース・リーが逃げてポイント賞首位に

この日のファーストアタックはアリレザ・ハグヒ(イラン、アザド大学クロスチーム)。そこにリー・ロジャース(イギリス、RTSレーシング)とアヌアル・マナン(マロジャース・リー(イギリス、RTSレーシング)を先頭にして走る3人の逃げグループロジャース・リー(イギリス、RTSレーシング)を先頭にして走る3人の逃げグループ レーシア、チャンピオンシステム)が合流する形で、3人の先頭グループが作られた。

そして2つのホットスポットをリーが先頭通過し、この日だけでスプリントポイントを10ポイントほど荒稼ぎし、ポイント賞首位のフェン・チュンカイ(台湾、アクション)と23ポイントで並ぶ。ポ
イント賞の最終決戦は明日の最終ステージに持ち越される。

しかし明日のステージに山岳ポイントはないため、今日で山岳賞は確定し、「いつかイエロージャージを着たい」と話す、台湾の若手フェン・チュンカイがリーダージャージに袖を通した。

台南市で開催された第6ステージ台南市で開催された第6ステージ

ニノと畑中がラスト1kmでアタック

ステージ優勝を挙げたビクトル・ニノ(コロンビア、アザド大学クロスチーム)ステージ優勝を挙げたビクトル・ニノ(コロンビア、アザド大学クロスチーム) 3人は最大タイム差4分、120km近く逃げ続けたが、ゴールへと続く登坂区間、ラスト3kmで集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。そして当初の予想どおり総合上位勢がお互いをマークする形で加速しながら、ゴールへと向かう。

残り1mのレッドフラッグを通り抜けると、ビクトル・ニノ(コロンビア、アザド大学クロスチーム)が単独でアタック。ほどなくして、畑中勇介(日本ナショナル)が「キレがある走りだったので、決まると思って追い掛けた」と、残り900mで集団から飛び出し単独で追走する。

「惜しかった!」と話す畑中勇介(日本ナショナル)「惜しかった!」と話す畑中勇介(日本ナショナル) しかし、畑中はあと数mほど届かず、「失うものは何もなかった」と話すニノが両手を挙げながらフィニッシュラインを横切り、その後ろで畑中が頭を下げてゴールした。

チーム成績首位、健闘する日本ナショナルチーム

畑中は「勝てなかったことをすごく悔しく思う。1クラスのレースで勝ちたかった。総合上位の選手がマークしあうなかで、自分は一番いいラインを取りながら登っていた。ラスト1kmを切り、彼らが牽制状態になったところで、ニノが飛び出し、自分も追った。ニノは何度も後ろこの日も元気にスタートを迎えた日本ナショナルチームこの日も元気にスタートを迎えた日本ナショナルチーム を振り返って、自分との距離を確かめながら登っていた。おそらく彼も精一杯だったと思う。

今日はチームとして3人が前方でゴールし、チームの総合順位を守ることができたし、ここで得た経験は大きい。チャンスを失ってしまった悔しさもあるが、逆に得たチャンスもあると思う。これからのレースに生かしていきたい」とコメント。

日本ナショナルチームはステージのチーム成績1位、チーム総合2位のアンドローニ・ジョカトーリを36秒ほど引き離す結果で第5ステージを終えた。個人総合4位につける西谷は、総合リーダーと同タイムでフィニッシュし、順位をキープ。また畑中がボーナスポイントを獲得したため、総合9位に浮上している。大健闘のレースだったと言えるだろう。明日の最終ステージで集団スプリントとなれば、チーム成績を守ることは難しくない。

今回日本ナショナルチームは、西谷、畑中、山本元喜がステージ優勝を狙いながらタイムを稼ぎ、早川朋宏と中尾圭祐がアシストに徹するという役割分担ができているが、西谷と畑中は、若手3人の走りを高く評価している。「チームはとてもいい状態で、かつ強い。若手選手のプロ意識や責任感の高さが結果に現れていると思う」と西谷。しかし、あくまでもチームの目標はステージ優勝。明日の最終ステージでは、これまで以上に、チーム一丸となって狙いに行く。

「まだレースは終わっていない」僅差の総合争い

ゴールして倒れ込むリース・ポロック(オーストラリア、ドラパック)ゴールして倒れ込むリース・ポロック(オーストラリア、ドラパック) 総合リーダーは、ゴール後に倒れ込むほど、渾身の走りを見せたリース・ポロック(オーストラリア、ドラパック)がキープ。しかし2秒差の総合2位につけるワン・カンポー(香港、香港ナショナル)は「まだレースは終わっていない」とコメント。連日のレースコントロールでドラパックからは疲労の色が隠しきれないが、4位の西谷泰治まで、わずか8秒の差となっている。最終ステージには2つのホットスポットとゴール、3ヶ所でボーナスタイムを獲得できるチャンスが残されている。つまり、まだ何が起こるかわからない状態だ。

最終ステージは台湾の南端、高雄にて126.16kmで開催される。


ツール・ド・台湾2012第6ステージ結果
1位 ビクトル・ニノ(コロンビア、アザド大学クロスチーム)3h10'33"
2位 畑中勇介(日本ナショナル)
3位 アディク・オスマン(マレーシア、チャンピオンシステム)+00'05"
4位 サウフィ・マットセナン(マレーシア、トレンガヌ) +00'08"
5位 デック・ミューラー(ドイツ、ニュートリクション) +00'10"
6位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
12位 福島晋一(トレンガヌ)
13位 西谷泰治(日本ナショナル)
18位 山本元喜(日本ナショナル)+00'21"
40位 早川朋宏(日本ナショナル)+01'10"
49位 宮澤崇史(サクソバンク)+01'50"
68位 中尾圭祐(日本ナショナル)+03'57"

個人総合成績
1位 リース・ポロック(オーストラリア、ドラパック)16h22'26"
2位 ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)+0'02"
3位 デック・ミューラー(ドイツ、ニュートリクション)+0'06"
4位 西谷泰治(日本ナショナル) +0'08"
5位 アンソニー・ジャコーポ(オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズ)+0'17"
6位 フェン・チュンカイ(台湾、アクション)+0'30"
9位 畑中勇介(日本ナショナル)+0'38"
17位 山本元喜(日本ナショナル)+1'04"
28位 宮澤崇史(サクソバンク) +2'00"
43位 早川朋宏(日本ナショナル)+5'14"
59位 中尾圭祐(日本ナショナル)+11'19"
66位 福島晋一(トレンガヌ)+12'35"

ポイント賞
ロジャース・リー(イギリス、RTSレーシング)

山岳賞
フェン・チュンカイ(台湾、アクション)

アジアンリーダー
ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)

チーム総合成績
日本ナショナル


photo&text:Sonoko.Tanaka
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