海外メーカー全盛の昨今において、ジャパンオリジナルブランドとして意欲的なバイクをリリースするエヴァディオ。まだ設立から日は浅いものの、魅力あるキャラクターのバイクを世に送り出すことで着実にブランド名を知らしめている。今年の目玉はチタンロードバイク 「PEGASUS(ペガサス)」だ。

エヴァディオ PEGUSUSエヴァディオ PEGUSUS (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp

エヴァディオと言えば、ヴィーナスシリーズを中心としたピュアレーシングバイクを生産し、多くの競技志向のライダーから高い評価を受け続けてきた。しかし2012年モデルからはチタンロードバイクをラインナップに加え、今までの競技志向とはベクトルの違った「長い距離を楽しく走るバイク」の展開を始めた。

遷移金属であるチタニウムは強度、柔軟性、軽量性、耐食性などの特長を合わせ持つ金属として知られている。自転車用の素材として見るとアルミには無いしなやかさ、クロモリよりも軽い重量、そしてカーボンに対してはアクシデントの際の強度面でアドバンテージを有している。

その反面加工が難しく、チタン製品の製造は高い技術力とコストを伴ってしまうために開発を行うメーカーが少ない。そのためにチタンバイクは市場では希少な存在と言える。そんなチタンバイク界にエヴァディオがいよいよ進出した。

チタンバイクスタンダードの上下同形ヘッドを採用チタンバイクスタンダードの上下同形ヘッドを採用 短めの設計がされるヘッドチューブ短めの設計がされるヘッドチューブ リブ構造を持つRPSウルトラライトフォークを装備するリブ構造を持つRPSウルトラライトフォークを装備する


今回エヴァディオが新たにリリースするペガサスのパイプには、3AL2.5Vチタン材にダブルバテッド加工を施し、パイプ断面のオーバル化をすることで軽量化、高剛性化を達成したものを採用している。

6AL4V Ti合金を使用して極限まで軽さを追求すれば1,000g程度のフレームができるが、常に耐久性や体重制限の問題が付きまとってしまう。エヴァディオでは3Al2.5V Ti合金を採用することで、乗るライダーをメーカー側が選ばないフレームづくりを行ったという。

フロントフォークはエヴァディオ純正のフルカーボン製"RPSウルトラライトフォーク"をアッセンブルする。
RPSとは"リブ・パワー・システム"の略称で、空洞内部にリブ構造を配置するシステムの名称で、単体重量は280gほどと軽量。かつ高い剛性を備えたフォークに仕上がっている。

ロゴやシートクランプなどは同色にカラーコーディネイトされるロゴやシートクランプなどは同色にカラーコーディネイトされる 素材を活かしたスッキリとした外観は大人の雰囲気が漂う素材を活かしたスッキリとした外観は大人の雰囲気が漂う


金属素材ならではのスッキリとしたBB周り金属素材ならではのスッキリとしたBB周り 複雑な形状を持つチェーンステーの造作複雑な形状を持つチェーンステーの造作


ペガサスはRPSウルトラライトフォークを装着することを前提としてフレーム設計がなされた。そのためコーナリングや下りでのライン取り、とっさのブレーキングなどで安定したライディングを可能としているという。そうして仕上げられたペガサスの重量は、500mmサイズのフレーム単体で1,200g。金属フレームとしては軽量な部類と言えるだろう。

美しく仕上げられた各チューブの接合部は高い技術力の証明だ。フレームはチタン地肌そのままの銀灰色が美しい仕上がりとなっている。ヘッドチューブとトップチューブ、フロントフォークにあしらわれるロゴはブラック、レッド、ゴールドの3色から選ぶことができ、他のチタンバイクには無い"カラーリングを選ぶ楽しさ"も提供されている。またロゴカラーと合わせてヘッドセット、シートクランプ、コラムスペーサーも一緒にカラーコーディネイトがされる。

不必要な軽量化工作をしていない所に好感が持てる不必要な軽量化工作をしていない所に好感が持てる BB周辺の細かい造作も手が込んだ作りようだBB周辺の細かい造作も手が込んだ作りようだ


気になるプライスは、フレームセットにチタン製キャリパーブレーキ固定ナット、エヴァディオオリジナルトップキャップなどの小物が付属して281,400円(税込)と、チタンフレームとしては比較的リーズナブルな設定となっている。

なおカンパニョーロ・コーラス仕様の完成車が25台限定で発売される。ホイールはカンパニョーロ・カムシン、タイヤはミシュラン・リチオン2仕様で417,900円(税込み)だ。
他にもエヴァディオのオーダーシステム"システムワン"で自分仕様の完成車をオーダーすることができる。ちなみにシマノ・105仕様だと375,900円(税込み)のプライスだ。

美しい仕上がりを見せるチューブ接合部分美しい仕上がりを見せるチューブ接合部分 リアブレーキ取付部の造作 高い技術力が見て取れるリアブレーキ取付部の造作 高い技術力が見て取れる シートステーは振動吸収性を狙い、下方に向かって広がっていくシートステーは振動吸収性を狙い、下方に向かって広がっていく


ペガサスは非カーボンバイクを求める人に向けて、長い距離を楽しく走るためのバイクとして開発された。チタン特有のプレミアム感が漂うこのペガサスは所有する喜び、走る楽しみを一度に実現してくれる、ラグジュアリーロードバイクと言えるだろう。

さて、チタンバイクとして十分なスペック、そして魅力を凝縮したこのペガサスをインプレライダー両氏はどのように評価するのだろうか?さっそくインプレッションをお届けしよう。




―インプレッション

「所有感を満たしてくれる、スペシャリティのあるバイク」吉田秀夫(盆栽自転車店)


「所有感を満たしてくれる、スペシャリティのあるバイク」吉田秀夫「所有感を満たしてくれる、スペシャリティのあるバイク」吉田秀夫 まずテストしてみての第一印象は「This is theチタンロードバイク」といった感じです。私はそれほどチタンバイクに乗った機会はありませんが、全てのロードバイクを総合した中で標準的な性能を有した、うまくまとまったロードバイクという印象を受けました。

このペガサスはチタンバイクとしてカーボンバイクと比較しても、遜色のない程軽量にできていますね。乗り心地の面で言うと、金属フレームの中でもかなり硬い部類に属すると感じました。同じ金属フレームでもクロモリバイクのゆったりとしたマイルドな感じとは違い、非常にシャープな印象です。

振動吸収性の高さを謳った最近のカーボンフレームと比較すれば、どうしても硬さを感じてしまいますが、ゴツゴツと体に響いてしまうような悪い感じは受けません。芯が通っているというイメージですね。むしろ硬めの金属フレームを求めているような方にはピッタリ合っていると思います。

カーボン製のフロントフォークが採用されていますが、チタンフレームの硬さをいなしてマイルドな乗り味をプラスしてくれていますね。フレームとの相性が良いフォークだと思います。剛性の高さも兼ね備えたフォークですので、下りコーナーでのライントレースや急制動においてもビビりは発生しませんでした。不安要素を発生させない優秀なフォークだと感じ取れます。

上りの場面においては、シッティングでペダルを回していく走り方にマッチしていると思います。シッティングで綺麗なペダリングをしたときに良く走ってくれるのは、ロードバイクの基礎を考えた上でも良い点だと言えるでしょう。
レースに出場される方でバイクにキビキビとした反応を求めるような方ですと、ペガサスは少し方向性が異なる味付けになっていると思われます。ツーリングやロングライドなど、マイペースで走り続けるようなスタイルに合っている感じなので、そういったオーナーに所有してもらうと幸せな自転車ではないでしょうか。

フレーム細部の造詣においても、とても綺麗に仕上がっていますね。昨今のカーボンフレームには無い直線的なチュービングがされていて、自転車らしい美しいスケルトンが持ち味です。フレームはチタンの素材を活かす無塗装仕上げとなっているなど、いかにもチタンバイクらしい"色味"が旨く表現されているのではないでしょうか。

自転車らしい魅力がたくさん凝縮されているので、いろいろな方へオススメできると思います。特にチタンバイク愛好家やマニアックな人にはより良いのではないでしょうか。素敵なルックスとあいまって、現在スタンダードとなるカーボンフレームには無い魅力が、実際に乗っても感じられました。所有すること自体に、とても満足感を得ることのできるスペシャリティがあるバイクですね。



「上り坂をリズミカルに進む、気持ちの良いバイク」諏訪孝浩(BIKESHOP SNEL)


金属フレームとしてはあまり硬くない印象を受けました。高剛性でカッチリした味付けのカーボンフレームと違って、ペダルに力をこめた際にフレームに微妙にしなりが効いて上手く前に進んでくれるバイクであると思います。しなりと相まって非常にリズミカルな感じを受けましたね。

「上り坂をリズミカルに進む、気持ちの良いバイク」諏訪孝浩「上り坂をリズミカルに進む、気持ちの良いバイク」諏訪孝浩

フレームの特性としては、過度な硬さも柔らかすぎる感じも無く、ちょうど良いポイントに収まっていると思います。硬すぎるフレームの場合は元気がある時はキビキビ走れますが、脚が売り切れてしまうと一気に進まなくなってしまいます。

しかしペガサスですと、そういった疲れを溜めてしまう反発も感じることが無かったので、ペダルを最後まで踏みきっても脚に来ない、優しい味付けのフレームだという印象を受けました。どんな所で踏んでも受け止めてくれるので、長距離ライドに向いたバイクではないでしょうか。

「優しい味付けのフレームだ」諏訪孝浩「優しい味付けのフレームだ」諏訪孝浩 上りでのダンシングは振りやすく軽いですね。ただ、しっかりとロードバイクに乗れる方でないと、その軽さをフラつきとして感じてしまうかもしれません。慣れている方でしたらダンシングして軽く伸びていく性格をメリットにすることができるでしょう。非常にリズムを取りやすいバイクですね。

しっとりとした脚に優しい性格のバイクですので、例えば長時間をダンシングで坂を上った時、軽いギアでも、重いギアでトルクを掛けて上った場合でも、脚にこないようなイメージを持ちました。その後シッティングに切り替えてもタレずに伸びてくれると思います。吉田さんも触れていましたが、綺麗に脚を廻す事が出来れば、良く進んでくれる性格ですので、正しいペダリングを学べる自転車とも言えるでしょう。

カーボンと比べると重量のある金属フレームですが、メーカー側としては練習用ではなく、チタンの乗り味が欲しい方に向けて開発をしたとのことです。金属特有の硬さの中にしなりが効いた味付けがされているので、そういった方の期待にバッチリ応えてくれるフレームではないでしょうか。

造形やパイプの溶接、ワイヤー受け、エンド部分の仕上げなど、細かい部分にまでこだわりが感じられ、カラーリングと合わせてマニア受けしそうな感じですよね。現在チタン製バイクは市場にあるようで意外と少ないので、あえてそういうモノ造りをしたエヴァディオの姿勢には好感が持てます。

エヴァディオ PEGUSUSエヴァディオ PEGUSUS (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
エヴァディオ PEGUSUS
<フレームセット>
サイズ:440、470、500、530、560mm
素 材:3Al2.5V Ti合金
カラー:チタン素地(ロゴカラーはブラック、レッド、ゴールド)
フォーク:エヴァディオ・RPSウルトラライトフォーク
重 量:1,200g(500mm)
価 格:281,400円(税込)
*AVEDIO純正カーボンシートピラー、ヘッドセット、シートクランプ、AVEDIO純正アンカーナット、アルミライトスペーサー 5、10、20mm各1ヶ、チタン製キャリパーブレーキ固定ナット、AVEDIOオリジナルトップキャップ、アルミ製ボトル取りつけボルト付属
 
<カンパニョーロ・コーラス仕様完成車> 限定25台
コンポーネント:カンパニョーロ・コーラス
クランク:170mm・50×34T
カセット:12-28T
ホイール:カンパニョーロ・カムシン
タイヤ:ミシュラン・リチオン2
価 格: 417,900円(税込)
*その他のパーツはAVEDIO パーツカタログから選択



インプレライダーのプロフィール

吉田秀夫吉田秀夫 吉田秀夫(盆栽自転車店)

東京・千駄ヶ谷にある「自転車屋カフェ盆栽自転車店」のプレジデント。かつては実業団トップカテゴリーを走り、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野など国際レースも多数出場。2011年の独立開業後に自身のクラブも立ち上げてロードレースからシクロクロスまで鋭意参戦中。ファッションサイクリストをレペゼン。自転車における速さだけではない分野においても同時に深く追求し続けている。
盆栽自転車店

諏訪孝浩諏訪孝浩 諏訪 孝浩(BIKESHOP SNEL)

バイクショップスネル代表。自転車歴26年、過去にオランダのアマチュアチームに3シーズン在籍しクリテリウムに多数参戦。オランダクラブ内クリテリウム選手権3位など。
2008年3月に東京都大田区にショップをオープン。オランダで色々なショップを見てきた経験を元に、独自のセンスでショップを経営中。主にシクロクロスをメインに参戦し、クラブ員の約半数がシクロクロスに出場している。
BIKESHOP SNEL


ウェア協力:スゴイ(SUGOi)

text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
edit:Kenji.Degawa
フォトギャラリー 
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