5月17日(日)から始まる今年のツアー・オブ・ジャパン。ついにスタートリストが発表された。合計16チーム各6名で計95名が参加する。アミーカチップスへ移籍した宮澤崇史が晴れてスタートラインに立つ。そしてカザフスタンからは昨年クレディ・アグリコルにいたドミトリー・フォフォノフも参戦する。選手から見どころを紹介しよう(15日19時、16日17時一部改訂)。

昨年ポイント賞の西谷泰治(愛三工業)昨年ポイント賞の西谷泰治(愛三工業) photo:Hideaki.TAKAGI国内9チーム、海外7チームが参戦
愛三工業
今シーズンUCIアジアツアーで早くも2勝を上げている西谷泰治で区間優勝を、そして山岳に強い別府匠で総合を狙う。展開次第でワールドカップ・スクラッチ優勝の盛一大や綾部勇成もゴールを狙う。特に綾部は山岳にも強く、鈴木謙一もオールラウンドに強力なアシストが期待される。さらにスピードのある松村光浩が選ばれた。


宇都宮ブリッツェン
3週間前の実業団Jサイクルツアー初戦で長沼隆行が優勝、一躍その名を全国にとどろかせた。総合ではその長沼がシマノ狩野とともに日本を代表するヒルクライマーであり、上位が期待される。清水良行のゴールスプリント、司令塔廣瀬佳正、斉藤翔太、小坂光そして社会人の中里聡史も応援したい。


EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン
清水都貴はEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインのエースだ。昨年のツール・ド・北海道より清水都貴はEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインのエースだ。昨年のツール・ド・北海道より photo:Hideaki.TAKAGI
すでにメンバー発表されており、清水都貴、岡崎和也、増田成幸、グレゴール・ガズヴォダ、ギヨーム・ポン、ミカエル・ダミアンだ。今や日本を代表するオールラウンダーの清水を中心に、ステージと総合の両方を狙える位置にある。07年美濃ステージでの岡崎の「安全ピン伝説」も記憶に新しい。怪我を乗り越えた、このレースが梅丹ジャージを着る初の国内公式戦となる増田の走りにも注目したい。
マトリックス辻善光とブリッツェン長沼隆行はともに注目だマトリックス辻善光とブリッツェン長沼隆行はともに注目だ photo:Hideaki.TAKAGI
マトリックスパワータグ
ご存知大阪の「平地番長」チーム。今年は登坂力の高い中村誠を迎えてステージレースに対応する。辻善光はスプリントだけでなく山岳もこなす選手で好成績を期待したい。兄の辻貴光、そして向川尚樹と組む列車も見事だ。堺、美濃、東京のステージで緑の弾丸が炸裂する。そして学業と両立させながら走る澤田賢匠も選ばれた。いつもの積極的な走りに期待したい。

シマノレーシング
すでにメンバー発表されており、狩野智也、野寺秀徳、鈴木真理、鈴木譲、飯野嘉則、畑中勇介だ。堺ステージで真理、富士山ステージで狩野の優勝が期待される。そしてどの場面にも対応できる現日本チャンピオン野寺はすべてに期待度大だ。真理は早くも今年のツール・ド・台湾でステージ優勝を上げている。堺ステージはチームにとってお膝元。大きな期待とともにプレッシャーが真理とチームにかかる。国内を代表するチームの走りと今西監督の采配に注目だ。
シマノレーシングは堺ステージ必勝体制だ。御堂筋エシカルにてシマノレーシングは堺ステージ必勝体制だ。御堂筋エシカルにて photo:Hideaki.TAKAGI
ブリヂストン・アンカー
北京オリンピック代表かつ1ヶ月前のジュラジャ・マレーシア第1ステージ優勝の飯島誠を中心に、山本雅道、福田真平のスプリントが注目だ。この3人ならばステージ優勝を複数回できる実力がある。特に若い福田に期待度大だ。また、藤野監督が今年一番期待していると言う普久原奨、さらにフランスで経験を積んだ相川将、全日本U23個人TTチャンピオンの嶌田義明と豪華なメンバーだ。

NIPPO・コルナゴ
オールラウンダー廣瀬敏とベテラン真鍋和幸、タフなレースや上りに強い佐野淳哉らはステージと総合の両方を狙う。さらにマリウス・ヴィジアックや若い山下貴宏と藤岡徹也など、注目選手が多い。奈良、飯田、伊豆ステージで積極的な走りが見られるだろう。
若いがスプリント力は一流の福田真平(ブリヂストン・アンカー)若いがスプリント力は一流の福田真平(ブリヂストン・アンカー) photo:Hideaki.TAKAGI
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
日本最強の社会人ステージレーサー、鎌田圭介の総合を中心に磐石の体制で臨む。Jサイクルツアー初戦3位の小段亮、実績の多い米山一輝、栂尾大知、そして19歳の檜山一博の走りも注目。5人での出走だ。

コムレイド・ジャイアント
元ミヤタの内山監督率いるチーム。山根理史、平林昌樹は昨年中堅の成績を残している。そしてJサイクルツアー初戦で逃げに乗った19歳の武田耕大、佐藤知紀、原川浩介ら積極的なアタックでアピールする姿が見られるだろう。注目はMTB・XCナショナルランキング7位の門田基志だ。元々ロードレースへ積極的に参戦しており、その走りに期待だ。逃げに乗り戦えば、ステージでも総合でも上位に入る実力を持っている。チームは本大会の協賛団体でもある。


オールラウンダーの廣瀬敏は今年からNIPPOコルナゴオールラウンダーの廣瀬敏は今年からNIPPOコルナゴ photo:Hideaki.TAKAGI
アミーカチップス・クナウフ
サンマリノ籍のプロコンチネンタルチームで、NIPPO・エンデカのチーム運営を手がけたシモーネ・モーリGMが新たなスポンサーのもと作ったチームだ。注目の宮澤崇史が出場、07大会大阪ステージの覇者が、今季実質の初戦でどう戦うか期待がかかる。さらに08年総合3位、山岳賞、富士山1位のヴィンツェンツォ・ガロッファロが注目選手だ。平地に山岳にチームの格に相応しい活躍を見せる。

カルミオーロ・Aスタイル
TOJ初代総合チャンピオンのドゥラカ監督率いるイタリア籍チーム。堺ステージではAスタイルショップもオープンされ、何かと日本に馴染みのチームだ。アレクサンドル・オーラは08年伊豆ステージ優勝、総合8位だ。

チームAIS
オーストラリアのチームで、全員が十代の若い選手だ。毎年オーストラリアチームはそのスピードで大活躍しており、今年もその愛らしいジャージで大暴れするだろう。今年はトラビス・メイヤーが参戦。ツアー・ダウンアンダー第4ステージで逃げるなど活躍している。いまジロをガーミンで走る一歳上のキャメロン・メイヤーが昨年総合優勝したが、辻啓からの現地情報では、直接本人から弟がTOJを走ると聞いたそうだ。
アミーカチップス・クナウフの宮澤崇史は晴れて出場。昨年のツール・ド・北海道よりアミーカチップス・クナウフの宮澤崇史は晴れて出場。昨年のツール・ド・北海道より photo:Hideaki.TAKAGI
ソウルサイクリング
ゴン・ヒョソクに注目だ。昨年の富士山ステージは6秒差の2位となり、晴れてリーダージャージに袖を通したが、次の伊豆ステージでたった1回のチェーン落ちで全てを失った悲運に見舞われた。今年はその雪辱を期するだろう。また、今年のツール・ド・台湾でステージ2勝のパク・センホらのスプリントも注目だ。

カザフスタンナショナルチーム
07年ステージ2勝、総合2位、ポイント賞のバレンティン・イグリンスキーが再び参戦。兄マキシムはアスタナだ。春先から同チームにてレースに復帰している、08年ドーフィネ・リベレ第7ステージ優勝、ツール・ド・フランス総合19位で終えたドミトリー・フォフォノフが参戦。その走りは必見だ。また、ロマン・ジエンターエフは09年ツール・ド・台湾第2ステージ優勝、3日間リーダージャージをキープ、総合は6秒差の3位で終えている。超が付くほどの強力なメンバーだ。

左からタン・ワンイップ、西谷泰治、ワン・カンポー。08年ツアー・オブ・サウスチャイナシー第1ステージにて左からタン・ワンイップ、西谷泰治、ワン・カンポー。08年ツアー・オブ・サウスチャイナシー第1ステージにて photo:Hideaki.TAKAGIホンコンチャイナチーム
香港からは2年ぶりの出場となる。07年スクラッチ世界チャンピオンのワン・カンポーを中心に07年ツアー・オブ・サウスチャイナシー総合優勝のタン・ワンイップやコー・シューワイ、チェン・キンワイなどアジアツアーでおなじみの選手を揃える。堺、東京ステージでのワンの走りと山岳でのタンに注目だ。

マレーシアナショナルチーム
ナショナルチームのため各チームから集められる。アジアツアーでもそのスプリントは定評がある。平坦ステージを中心にゴールスプリントで優勝を狙う。

以上が16日午後に発表されたスタートリストだ。ただしレース直前まで選手の変更がありうる。

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