来季オーストラリアで始動するグリーンエッジ・サイクリングチームに移籍する選手第1弾が正式に発表された。移籍するのはガーミン・サーヴェロ所属のジャック・ボブリッジ、キャメロン・マイヤー、トラヴィス・マイヤーの3名。いずれもオーストラリアの将来を担う若手選手だ。

ツアー・ダウンアンダーで総合優勝を飾ったキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)ツアー・ダウンアンダーで総合優勝を飾ったキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) photo:Kei TsujiUCIプロチーム入りを目指すグリーンエッジへの移籍が決まった3選手は、いずれもガーミン・サーヴェロ所属。キャメロン・マイヤーは2008年のツアー・オブ・ジャパン総合優勝者であり、トラック世界選手権ではポイントレース、マディソン、団体追い抜きで合計5回世界チャンピオンに。今年ツアー・ダウンアンダーで総合優勝を飾り、そのオールラウンダーぶりを見せつけた。弟のトラヴィスもトラックとロードを両立する選手。オーストラリア選手権ロードレースで優勝している。

ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) photo:Kei Tsuji現オーストラリアチャンピオンのボブリッジは2009年のツアー・オブ・ジャパンでステージ2勝。同年オーストラリアのU23タイムトライアルチャンピオンに輝いている。トラック競技では、団体追い抜きで2回、個人追い抜きで1回世界チャンピオンに。今年2月のトラック・オーストラリア選手権では個人追い抜きで4分11秒114というワールドレコードを叩き出した。

ジェネラルマネージャーを務める元サイクリングオーストラリアのシェイン・バナン氏ジェネラルマネージャーを務める元サイクリングオーストラリアのシェイン・バナン氏 photo:Kei Tsuji兄キャメロンとボブリッジは、ロンドン五輪のトラック競技でメダル獲得を目指しており、オーストラリアナショナルチームに近いグリーンエッジへの移籍は自然な流れか。「ロードレースでトップレーサーとして活躍し、同時にロンドン五輪のトラックレースに出場するという自分の夢を支えてくれるという理由でグリーンエッジを選んだ(キャメロン)」「全力でロンドン五輪に挑むチャンスをグリーンエッジは与えてくれる(ボブリッジ)」

この3名に共通するのは、AIS(オーストラリア国立スポーツ研究所)出身であり、トラックとロードを両立し、オーストラリアの将来を担うと嘱望される若手であること。グリーンエッジのシェイン・バナンGM(ジェネラルマネージャー)は長年オーストラリアの自転車競技連盟で役職を務めていた人物。当然AISとも結びつきが強く、オーストラリアの若手に精通している。

バナン氏はプレスリリースの中で「オーストラリアを代表する3名の若手を迎え入れることが出来て嬉しく思う。長期的な活動を目指すオーストラリアチームにとって、彼らのような若い才能は大切な存在だ」と語っている。

今年1月ツアー・ダウンアンダー期間中に行なわれたグリーンエッジの発足記者会見でバナン氏は「チーム作りにおける目標はオーストラリア人選手の比率が75%を超えること」と明らかにしており、今後もオーストラリア人選手の獲得に注目。マシュー・ゴス(HTC・ハイロード)やサイモン・ジェランス(チームスカイ)を始め、多くのオーストラリア人選手の移籍が有力視されている。オーストラリアの地元紙オーストラリアン紙はすでにスチュアート・オグレディ(レオパード・トレック)の契約を報じたが、まだチーム側からの正式なアナウンスは無い。

text&photo:Kei Tsuji
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