ワールドツアー第7戦であるトロフェオ・アルフレッド・ビンダが行われ、無数のアタックの末に集団スプリントで決着。エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)がコペッキーを退け、自身2度目の優勝と共にチーム4連覇を果たした。



ストラーデビアンケとノケレ〜クールセと2連勝中のロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

劇的なスプリントにより決着したミラノ〜サンレモから一夜明け、同じイタリア北部でトロフェオ・アルフレッド・ビンダ(UCIワールドツアー)が行われた。マッジョーレ湖とヴァレーゼ湖の間にある丘陵地帯を巡るワンデーレースは140.5km。マッカーニョ・コン・ピノ・エ・ヴェッダスカを出発した後、イタリアの名選手アルフレッド・ビンダ生誕の地であるチッティーリオに設定された周回コースを、昨年より1周増えた5周する。

細かなアップダウンが選手たちの脚を削る女子ワールドツアー第7戦には、昨年24kmの独走勝利を決めたシリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)が出場した。またストラーデビアンケを制し、続くノケレ〜クールセも優勝と波に乗るロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)も参戦したレースは、クララ・エモンド(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール)が単独逃げを試みた。

単独で逃げを打ったクララ・エモンド(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール) photo:CorVos

その後最大1分半のリードを得たエモンドは周回コースに入った残り61km地点でメイン集団に捉えられ、いくつかのアタックの後ジャド・ヴィエル(フランス、FDJスエズ)がエスケープ。しかしこれも長くは持たず、ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム)やマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)など有力勢による仕掛けも決め手に欠いた。

周回コースのカサーレとオリーノの短い登り、そして無数のアタックがプロトンの人数を絞っていく。そして最終周回に入った残り5km地点で、29歳にして今年プロ初勝利を飾ったマライレ・メイエリング(オランダ、モビスター)が飛び出す。しかしコペッキーや元世界王者のスプリンターであるエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)を含む集団がフラムルージュ(残り1km)を前にメイエリングをキャッチ。勝負は25名の集団によるスプリントに持ち込まれた。

周回コースに含まれるカサーレとオリーノの登りがプロトンの人数を絞っていく photo:CorVos

サラ・ジガンテ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)からロイサーに集団牽引は引き継がれ、残り200mからキンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル)がスプリントを開始する。しかしそのスピードは伸び悩み、バルサモとコペッキーが先頭へ。そして単純なスピードで上回るバルサモが現世界王者コペッキーを下し、自身2度目となる勝利を手に入れた。

コペッキーを退け、自身2度目の勝利を飾ったエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos

「私のとても好きなレースだったのでモチベーションは高く、タフなレースとなることは分かっていた。思った通りのサバイバルな展開となり、その事実がこの勝利の価値を更に高めてくれる。最後はコペッキーをマークし、フィニッシュラインを目がけて全力で踏み続けるだけだった」と、バルサモは地元イタリアで飾った今季3勝目を喜んだ。

またリドル・トレックとしては2021年のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)、22年のバルサモ、昨年のファンアンローイに続くチーム4連覇となった。
ロンド・ファン・ドレンテ2024結果
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) 3:40:09
2位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)
3位 プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)
4位 ソラヤ・パラディン(イタリア、キャニオン・スラム)
5位 ファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
6位 カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)
7位 オリヴィア・バリル(カナダ、モビスター)
8位 シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)
9位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)
10位 ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos