積雪の影響でコース短縮となったパリ〜ニース第7ステージ。精鋭集団からアタックしたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)が今季初勝利を決め、追走集団から遅れたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が辛くも総合首位をキープした。



寒空の中、ニースを出発する選手たち photo:CorVos

103kmに短縮されたパリ〜ニース2024第7ステージのコースプロフィール image:A.S.O.
初開催が1933年と歴史深いパリ〜ニースは最終日前日の第7ステージを迎えた。本来のフィニッシュ地点であった山岳が積雪のため、レース主催者はコースの短縮を発表。そのためレース距離は173kmから103.7kmとなり、最後から2つ目であった1級山岳ラ・マドーヌ・デュテル(距離15.3km/平均5.7%)の頂上が新たなフィニッシュ地点となった。

この日のスタート地点であるニースを出発し、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)らスプリンターが未出走だった集団からバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)ら3名が逃げを打つ。時折雨粒が落ちる厚い雲の下、防寒のためウェアを着込んだ選手たち。逃げを追いかけるメイン集団はエガン・ベルナル(コロンビア)を擁するイネオス・グレナディアーズや、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)の総合優勝目指すスーダル・クイックステップがコントロールにあたった。

時折雨が降る中を逃げるヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)とバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス) photo:A.S.O.

気温が低く、雨と厳しいコンディションの中フィニッシュを目指すプロトン photo:A.S.O.
ベルナルのためペースを作るイネオス・グレナディアーズ photo:A.S.O.


逃げからハイス・レイムライゼ(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れ、先頭はトマとヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)の2名となる。レースも後半戦に入る頃に大粒の冷たい雨が選手たちに降りつけ、トマも遅れ1人になったヤコブスがプロトンと22秒差で1級山岳ラ・マドーヌ・デュテル(距離15.3km/平均5.7%)に突入。しかしスーダルが猛チャージをかけるプロトンに捉まり、区間優勝と総合優勝の争いが始まった。

ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のハイスピード牽引が集団を絞り、今大会はコンディションの上がっていないジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が遅れる。その後頂上まで9kmを切ったタイミングでローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)がベルナルのために牽引を開始。ボーナスタイムが最大-6秒与えられる山岳中腹の中間スプリントはベルナルが先頭通過し、それをエヴェネプールのために潰しに行こうとしたイラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がそのまま集団先頭でペースを作り始めた。

ファンウィルデルが残り4.3kmで仕事を終え、そのタイミングでエヴェネプールが仕掛ける。しかし総合2位のマッテオ・ヨルゲンソン(ヴィスマ・リースアバイク)と総合首位ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)のアメリカ人コンビがこれを許さず、再び一つになった精鋭集団からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がカウンターアタックを仕掛けた。

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のアタックは不発に終わる photo:CorVos

牽制に入った隙をつき、アタックしたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

総合争いの脅威ではないウラソフ(総合15位/2分42秒遅れ)の飛び出しをエヴェネプールやマクナルティたちは見送り、ウラソフは1kmで10秒のリードを作り出す。追走集団はヨルゲンソンのためにウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引し、ログリッチは集団後方で静観。順調に脚を回すウラソフは残り2km地点でリードを18秒まで拡げ、後方集団ではマイヨジョーヌを着るマクナルティが遅れ始めた。

そして3時間にも満たないショートステージでウラソフが勝利。8秒遅れでやってきた2位集団の先頭はエヴェネプールが獲り、ログリッチ、そして前日勝者のマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が続いた。

残り4km地点から飛び出し、勝利したアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

「ワールドツアーでステージ優勝することができて本当に嬉しい。ここは僕の練習場所なのでコースを熟知していた。作戦としてはプリモシュ(ログリッチ)で勝利を狙うか、アタックに反応するつもりだった。だがチャンスがあったので自分で仕掛けたんだ。雨と寒さで厳しいコンディションのなか、ラスト2kmは腕が凍えてしまいそうだったよ」とウラソフは、今シーズン初勝利を振り返った。

追走集団から遅れながらも、先頭から27秒遅れでフィニッシュしたマクナルティが総合首位キープに成功。しかし総合2位ヨルゲンソンとの差が4秒まで縮まっている。

大会最終日の翌日はニースの市街地を発着地点とし、北にある山岳地帯を巡る山岳ステージ。5つのカテゴリー山岳はいずれも6km前後と登坂距離は短いものの、最終1級山岳コル・デ・キャトル・シュマン(距離3.6km/平均8.8%)は険しい。フィニッシュ地点はそこから下り、平坦路を進んだ先にある。

今季初勝利を掴んだアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

パリ〜ニース2024第7ステージ結果
1位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) 2:44:03
2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +0:08
3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)
5位 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)
6位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:13
7位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) +0:27
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:31
9位 オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) +0:36
10位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) +0:40
個人総合成績
1位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) 25:00:28
2位 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:04
3位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) +0:35
4位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +0:36
5位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) +0:47
6位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) +1:21
7位 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) +1:42
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +1:43
9位 オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) +1:53
10位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) +2:05
その他の特別賞
ポイント賞 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
山岳賞 マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)
ヤングライダー賞 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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