鹿屋体育大学、シエルブルー鹿屋に所属する伊澤将也がアワーレコード(非公式)に挑戦し、49.736kmという記録を達成した。目標としていた50kmには届かなかった悔しさと達成感、そして今後の再挑戦をコメントしている。



伊豆ベロドロームでアワーレコードに挑戦する伊澤将也(鹿屋体育大学/シエルブルー鹿屋) photo:Itaru Mitsui

2月18日に、静岡県伊豆市の伊豆ベロドローム(1周250m)で開催された伊澤将也(鹿屋体育大学/シエルブルー鹿屋)のアワーレコード挑戦。今村駿介と中里仁に続く日本人として3人目となる1時間チャレンジの末、非公式ながら日本人2位となる49.736kmという記録を残した。

鹿屋体育大学在学中のテーマである空力研究の集大成。事前データから深いタイムトライアルポジションを維持できれば50km超えは実現可能だと踏んでいたものの、結果的には僅か264m届かなかった。ギア比は66x15Tで4.44倍。平均パワーは266ワットだったという。

「悔しさが一番ですが、直前までそもそも攻めたポジションを1時間耐え切れるのかという不安が大きかったので、安堵感も感じています」とシクロワイアードのインタビューに答えた伊澤。目標の50km超えは1973年にエディ・メルクスが記録した49.431kmを意識したものだったとも。

250mバンクを199周、49.736kmをマークした photo:Itaru Mitsui

チャレンジを支えた四宮寛人さん(左、京産大)と堀北大和さん(右、法政大)。2人とも普段からライバルであり友人だという photo:Itaru Mitsui

「アワーレコード挑戦は自転車競技に取り組む上で最も大切な事前準備が大きく結果を分けるものですし、今村選手やヴィクトル・カンペナールツ選手、ダン・ビガム選手のチャレンジに刺激されました。そこに自分もチャレンジしてみたいと思いましたし、タイムトライアルを得意とする大学生が活躍できる場を自ら作りたかった。ワット数がこれだけ低くても、空力次第でここまで速く走れるという前例になりたかったんです」と言う。

伊澤の夢は、日本はもちろん世界レベルの空力スペシャリストになり、コーチングを行いながら自らも選手として成長すること。「そのためにこの先もアワーレコード挑戦を続けていきたい。40分の学生タイムトライアルではもっと高いワットを出せているので、それを踏まえれば今年中に日本記録を塗り替えることも可能だと思っています」と、意欲的な姿勢を見せている。

text:So Isobe