過去にツール・ド・フランス2連覇を達成しているタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が、2024年のジロ・デ・イタリアに出場する。主催者が本人出演の動画を通して発表した。



ジロ出場が明らかとなったタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポートは12月17日(月)、30秒に満たない短い動画をSNSに投稿した。舞台はイタリアのミラノにあるミラノ・リナーテ空港で、スタッフに迎え入れられたポガチャルがジロのオフィシャルカーに乗り込み、カメラ目線で「アンディアーモ(さあ行こう)」とイタリア語で発するという内容だ。

現在スペインでトレーニング合宿を行うUAEチームエミレーツは、本日12月18日にプレスイベントを開催する予定。そこで主要選手の来季レーススケジュールが明らかとなる前に、ポガチャルのジロデビューが発表された形だ。

さいたまクリテの来日時に行ったインタビューでは”ジロ出場は秘密”と答えていたポガチャル photo:So Isobe

来年は新人賞ジャージの対象外となる25歳のポガチャル。プロデビュー1年目でグランツールデビューとなった2019年ブエルタ・ア・エスパーニャでは、区間2勝を挙げ総合3位と強烈なインパクトを残した。そして2020、21年のツール・ド・フランスでは2連覇を達成。今年はツール総合優勝を逃したものの、ロンド・ファン・フラーンデレンやアムステルゴールドレース、イル・ロンバルディアで優勝。UCIランキングでは個人3連覇を達成し、成功の年となった。

イタリア北西部ヴェナリア・レアーレで5月4日に開幕する2024年のジロは、そこから反時計回りにイタリアを巡りながら最終山岳決戦の場であるドロミテ山塊へ。例年に比べ全体的に山岳が少なく、総距離68.2km(37.2km+31km)の個人タイムトライアルが登場するためTTの得意なポガチャルに有利なコースだと言える。また第6ステージには未舗装路区間が登場するが、2022年のストラーデビアンケを制しているポガチャルにとって問題はないだろう。

いまだ確定してはいないものの、ポガチャルのライバルと目されているのは2023年総合2位のゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や2022年覇者ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)。またジェイコ・アルウラーはサイモン・イェーツ(イギリス)とエディ・ダンバー(アイルランド)、フィリッポ・ザナ(イタリア)というトリプルエース体制が予想されている。

text:Sotaro.Arakawa