ジャイアントがファクトリーオフロードチームと数年の年月をかけて開発を進めてきたMTBダウンヒルマシンの第5世代"GLORY"がローンチされた。レースシーンにフィットしたリアトライアングルの軌道、ライダーの好みやコース状況に合わせてセッティングを変更できる調整幅を有した軽量DHマシンを紹介しよう。



ジャイアント GLORY ADVANCED (c)ジャイアント

ジャイアント・ファクトリーオフロードチームの選手が駆るレーシング・ダウンヒルマシンのGLORY(グローリー)。2007年に登場して以来、ジャイアントのエンジニアとプロ選手、メカニックと共に開発が続けられており、時代ごとに競争力のあるバイクを実現してきたモデルだ。

過去2シーズンに渡りレミ・シリオンが実戦で投入し、ワールドカップでトップ10入りを果たしてきたプロトタイプが遂にベールを脱ぐ。ルーク・マイヤースミスが最終プロトタイプを駆りオーストラリアの2023年ナショナル選手権を制覇し、すでにポテンシャルを証明した最新型のGLORYを紹介しよう。

RACE READY SUSPENSION

ライダーのパフォーマンスを引き出すリアサスペンションに進化を遂げた (c)ジャイアント

ゼロから開発された第5世代のGLORYには3つのポイントがある。一つはRACE READY SUSPENSION(レース・レディ・サスペンション)という、主にリアホイールの軌道を最適化させた設計だ。4つのピボットと2つのリンケージでフローティングピボットを作り出す新型のマエストロ・リアサスペンションシステムは、入力初期には非常にスムーズに動き、200mmのトラベル量のストローク後半ではサスペンションが底付きしないように動くように改善されている。

新しいレバー比と軽量かつ高い剛性のアッパーロッカーがライダーをサポートしてくれるため、テクニカルなコースでも攻められるハンドリングを実現している。フロントも203mmトラベルのため、大きなドロップオフのハードランディングでもコントローラブルなキャパシティを発揮する。

ULTRA ADJUSTABLE

ロッカーアームでBBの高さを調節する (c)ジャイアント

2つ目の特徴は非常に幅広いセッティングを実現するシステムだ。新型GLORYではアッパーロッカーアーム、リアドロップアウト、ヘッドチューブに調整機構を搭載し、これまで以上に細かく、ライダーの好みやコースに合わせた調整を実現することができる。

アッパーロッカーアームではボトムブラケットドロップをLOW:13mm、MID:8mm、HIGH:3mmに調整可能。それに伴いヘッドとシートチューブ角も変化し、LOW:ヘッド61.6°(シート78.4°)、MID:ヘッド62°(シート78.8°)、HIGH:ヘッド62.3°(79.1°)となる。

つまりフリップチップをHIGHポジションとすると地面とのクリアランスは広くなり、ヘッド等の角度も立ち気味となってシャープなハンドリング性能を引き出せる。リア27.5インチのマレット仕様で、シングルトラックを走行する際に適したポジションだ。対してLOWポジションは急峻で激しいコースを走る時に安定感をもたらすセッティングで、前後29インチホイールを装備する際に適している。中間のMIDはジャイアント・オフロードチームのメンバーが好むポジションに調整されている。

ドロップアウトではリアセンターを10mm調整可能だ (c)ジャイアント

リアドロップアウトは前後位置をショートとロングで使い分けられる。ショートはリアセンターとホイールセンターが短くなりタイトなターンやバイクを細かく切り返す時に必要な俊敏性をもたらしてくれる。ロングポジションは10mmリアセンターが伸びるため、直線的なコースでの高速走行で安定感を発揮する。

ホイール、ロッカーアームのフリップチップ、ドロップアウトを自由に合わせられるのと同時に、ヘッドの調整機構によってリーチもコントロールすることが可能だ。ニュートラルポジションから前後に5mmずつ変化させられるため、好みの乗車姿勢を実現することができ、車輪径を変えた時のリーチ変化の影響を受けにくくなっている。

リーチをアジャストするためにヘッドにもフィリップチップが備えられた (c)ジャイアント

前後異径ホイールのマレットと29erに対応

すでに触れているように新型GLORYでは、前後29インチホイールとマレット(前29、後ろ27.5インチ)仕様どちらにも対応する。これはファクトリーチームにレミ・シリオンが加入し、マレットをリクエストしたことから実現したスペックだ。世界最高峰のレースにおいて鎬を削る選手たちに少しでもアドバンテージをもたらしてくれるはずだ。

マレット仕様と29er仕様どちらにも対応する (c)ジャイアント

前後29erのセッティングの場合は高速コースで走破性を求めるときに最適。対して後ろ27.5インチのマレットはバイクを左右に切り返すシチュエーションに最適だ。GLORY ADVANCED完成車ではファクトリーチーム仕様のマレットで販売される。

新型GLORY 国内販売ラインアップ

ジャイアント GLORY ADVANCED (c)ジャイアント

ジャイアント GLORY ADVANCED FRAME FORK SET (c)ジャイアント

S/Mサイズで3200gという軽量性を実現したフルカーボンフレームのGLORY。完成車のGLORY ADVENCEDは国内でわずか1台のみ(S/M)で用意される。サスペンションはフロントFOX 40 FACTORY、リアFOX DHX2 FACTORYだ。ブレーキはシマノ SAINT。タイヤはフロントがマキシスASSEGAI(29)で、リアがMINION DHR II(27.5)だ。価格は1,155,000円(税込)。

そしてフレームとフォークのキットも販売される。フレームは共通しており、フロントサスペンションフォークがFOX 40 FACTORY 、リアがFOX DHX2 FACTORYが装備される。カラーはジャイアントとともに活躍した歴代レジェンドを讃えるビンテージデザインとなっている。サイズはS/MとM/Lの2種類。価格は935,000円(税込)。

ジャイアント・ファクトリーオフロードチームと作り上げた新型ダウンヒルマシンのGLORY (c)ジャイアント



ジャイアント GLORY ADVANCED
フレーム:Advanced-Grade Composite Advanced-Grade Rear Swingarm 200mm Maestro Suspension OLD157mm
F.フォーク:FOX 40 FACTORY 29 Over size Column 203mm Travel 20mm Axle
R.ショック:FOX DHX2 FACTORY TRUNNION MOUNT L : 225 T : 75 Custom tuned for GIANT
ギアクランク:TRUVATIV DESCENDANT DH
変速パーツ:SRAM GX EAGLE DH
ブレーキセット:SHIMANO SAINT F:220mm R:203mm Rotors
フロントタイヤ:MAXXIS ASSEGAI 29x2.5 Tubeless Ready
リアタイヤ:MAXXIS MINION DHRⅡ 27.5x2.4
カラー:ショアライン
サイズ:430 (S/M)
価格:1,155,000円(税込)

ジャイアント GLORY ADVANCED FRAME FORK SET
フレーム:Advanced-Grade Composite Advanced-Grade Rear Swingarm 200mm Maestro Suspension OLD157mm
F.フォーク:FOX 40 FACTORY 29 Over size Column 203mm Travel 20mm Axle
R.ショック:FOX DHX2 FACTORY,TRUNNION MOUNT L : 225 T : 75 Custom tuned for GIANT
付属:MRP SXG ISCG-05 CHAIN GUIDE
カラー:レジェンド
サイズ:430 (S/M)、 450 (M/L) mm
価格:935,000円(税込)

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