AG2RシトロエンをサポートするHJCから新作ヘルメット"BELLUS(ベルス)"がリリースされた。エアロダイナミクスと通気性といった性能面とトレンドのデザインを組み合わせ、レースからサイクリングまでカバーするマルチユースモデルを紹介しよう。



HJC BELLUS

MotoGPライダー用のオートバイヘルメットや建設用、レスキュー用など数多くの分野でヘルメットを手がけるHJC。自転車用ヘルメットは2018年より展開しはじめ、様々なジャンルで得た知見を活かした開発を行うブランドだ。

特にエアロダイナミクスへの知見は豊富に有しており、フラッグシップモデルFURION 2.0やIBEX 2.0ではそれぞれに適した空力性能と通気性を高いレベルで実現。その系譜を継ぎ、風洞実験を経て開発された新作BELLUSがローンチされた。

エアロダイナミクスとミニマルなデザインを両立させた

BELLUSは通気孔を数多く設けたセミエアロにカテゴライズできるモデルであり、優れた通気性を備えながら、丸みを帯びた形状や頭頂部分に通気孔を設けないことで優れたエアロダイナミクスを実現していることが特徴だ。

そして数多く空けられた通気孔からヘルメット内部に侵入した風は、設けられている溝を通り抜けて熱を奪って外側へ排出される。またCOOLPATHというインナーレイヤーによって、頭部とヘルメットの間に空間を生み出すことで、外側から取り込まれたフレッシュな風の流れが遮られにくくなり、通気性が向上している。

頭部とシェルの間に空間を生み出すCOOLPATHが採用されている

今作ではSLIDという安全テクノロジーが採用されていることも特徴だ。Sliding Layer Impact Distributionという言葉の頭文字を取ったこのテクノロジーは、ヘルメット内部に特殊なゲル素材のパッドを配置することで、アクシデント時のインパクト低減を狙っている。またSLIDはスライド機能も備えており、回転衝撃にも対応する。

アジャスターはFURION 2.0、IBEX 2.0と同様のSELFITという自動調整フィッティングシステムを採用。これはバネのような後頭部のサポーターが頭を支えてくれるため、ダイヤルなどで調整する必要がない。このアジャスターはサポーターの前後位置を5段階で調整することができ、これまで以上に多くのライダーにフィットするシステムへと進化を遂げている。

HJC BELLUS(MT GL BLACK) (c)HJC
HJC BELLUS(MT GL WHITE) (c)HJC


HJC BELLUS(RED BLACK) (c)HJC
HJC BELLUS(MT BROWN NAVY) (c)HJC


HJC BELLUS(MT OLIVE NAVY) (c)HJC
HJC BELLUS(MT GL PINK) (c)HJC



サイズはS、M、Lという3種類。カラーはMT GL WHITE、MT GL BLACK、MT BROWN NAVY、MT OLIVE NAVY、MT GL PINK、RED BLACKという6種類。レーシーすぎないヘルメットの形状と落ち着いたカラーのモデルはロードレースだけではなく、グラベルライドにも似合いそう。価格は25,300円(税込)。

-編集部インプレッション

HJC BELLUS

HJCの新たなヘルメット"BELLUS"が国内でも展開が始まったという報を受けて、フラッグシップモデルのIBEX 2.0、FURION 2.0を試着したCW編集部の藤原(筆者)が早速BELLUSのテストを実施。アジアンフィットとは明言されていないブランドであるため、念の為MサイズとLサイズのどちらも試着してサイズとフィット感をチェックすることからテストは始まった。

結果的には頭囲58cmの私にはサイズチャート通りMサイズが適切だった。Lサイズも58cmをカバーしており、問題なく着用可能かつずれ落ちない大きさであるものの、アジャスターの締め付け感が物足りなく感じたため、しっかりと頭をホールドしてくれるMサイズが適しているという印象だ。キャップを常に着用するのであればLサイズでも問題なさそうと感じる程度にフィットしているので、好みによる差かもしれない。

帽体形状はカブトやカスクがフィットする丸型頭の持ち主の筆者にも合う形。額、頭頂部どこも適切にフィットしているため、ヘルメットによって守られている感覚は強め。サイズチャートの上限いっぱいのMサイズでもシェルのどこかが当たることはなく長時間着用し続けても問題はない。ただ頭囲58cmでMサイズを着用すると、サイド部分に余裕はなくなるため、頭の形次第ではフィットしない可能性もありそう。フィット性は安全にも関わるため、一度試着して吟味してもらいたい。

ダイヤルを備えず、バネ方式でフィットさせるSELFITが採用された

アジャスターは上下位置も調整可能だ
アジャスターの前後位置も5段階から調整することが可能だ



そしてフィッティング面で素晴らしいと感じたのは、HJCが独自開発したアジャスターのSELFITが進化している点だ。BELLUSではSTEP SNAP FITが採用され、アジャスターの前後位置を5段階から調整することができ、SELFIT独特の強めのバネ感による締め付け具合を前後位置によって変更できるものだ。アジャスター高さも8段階で変えられるため、フィット調整幅は非常に広い。サイズ感やフィット性をチェックする際は、この調整機構を忘れずにチェックしてもらいたい。現行のIBEX2.0、FURION2.0もSTEP SNAP FITが採用されている。

そして前後位置によってSELFITの締め付け具合を調整できるため、従来モデルのように長時間の着用時に圧迫感を覚え始めることもなく、着用に関するストレスは大きく低減されている。筆者はアジャスターが最前に位置するように配置するのが好みで、それで乗っているうちにタイトに感じ始めるようなことがあれば、1段階後方にずらすという使い方がフィットした。

SLIDは柔軟性に富むクッションで、回転衝撃から脳を守る

HJC独自の回転衝撃吸収システム"SLID"はいい意味で存在感が全くない。それほどまでフィット感や通気性を阻害せず、ヘルメット全体に馴染むシステムとなっているため縁の下の力持ちというイメージを受ける。回転衝撃への対応が当然となる今、このように採用してくれるのは安全を考慮するライダーにとってはありがたい。

今回のテストはしっかりと汗をかくような初夏に行っており、通気性についても堪能することができた。BELLUSの通気性面の特徴はCOOLPATHによる帽体内の空間を確保することであり、その機能は効果をしている。BELLUSの頭頂部には通気孔が設けられていないが、そこにフレッシュな空気が存在しており、熱の感覚は一切受けなかった。

近年のヘルメットは溝を深く作り、そこに風を流すことで快適性を確保しているものが多いが、BELLUSは少し異なるフィーリングを覚えている。COOLPATHによるフレッシュな空気は感じられているものの、それは流れているという感覚より、空気の層があるという感覚だ。

頭頂部は通気孔が開けられていない

肉厚のパッドが備えられている

前頭部の大きな開口部からも多くの風が流入しているのだろうし、後頭部から抜けていて実際は常に換気が行われているため風は流れているのだろうけど、それは感じていない不思議な印象がある。そして、頭頂部が快適だから額部分の熱は気になることは無いとは言えないので、通気性を最重要視するのであればIBEX 2.0を選択肢に入れてもいいだろう。

とはいえ通気性は全体的に優れており、エアロ、フィット性も両立しているオールラウンドヘルメットとしては素晴らしい性能を備えていると言っても過言ではない。ロードレースはもちろんのこと、グラベルライドなどにもフィットしてくれる懐の深さを感じるモデルだった。(インプレッション:藤原岳人)

エアロダイナミクスにも配慮されて開発が行われたBELLUS



HJC BELLUS
カラー:MT GL WHITE、MT GL BLACK、MT BROWN NAVY、MT OLIVE NAVY、MT GL PINK、RED BLACK
サイズ:S、M、L
価格:25,300円(税込)


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