トム・メーウセン(ベルギー)が選手キャリア引退を発表した。長年トップ選手の1人に数えられ、バニーホップの名手として知られた34歳がシーズン終了を待たずにジャージを脱ぐこととなった。



現役引退を発表したトム・メーウセン(ベルギー)現役引退を発表したトム・メーウセン(ベルギー) photo:CorVos
即時引退を発表したトム・メーウセン(ベルギー)は、ベルギー北部フランドル地方ブラッススガート出身のシクロクロス選手。2006年にフィデアでプロ入りし、名だたるシクロクロスシリーズのU23総合ランキング獲得や、ベルギー国内選手権優勝を飾るなど、チームの黄金期を支えたメンバーとして活躍。176cmと比較的小柄な体格ながら、卓越した技術と身体能力で雪のワールドカップでスヴェン・ネイスを破るなど、全盛期は数々の勝利を重ねてきた。

メーウセンはバニーホップの名手としても知られ、シケイン降車が主流の時代から多用して見せ場を作り、シーズンエンド恒例のバニーホップの高さを競う競技でも優勝多数。レース中のパンプトラックやフライオーバーでは誰よりも高く美しいハイジャンプを決め観客を魅了してきた。

誰よりも高いエアーを決めるトム・メーウセン(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ)誰よりも高いエアーを決めるトム・メーウセン(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) photo:CorVos
マチュー・ファンデルプール(オランダ)とチームメイトだったコレンドン時代を経て、2020年からはグループ・ヘンス・マースコンテナーズに在籍。若手勢力の台頭によってビッグレースでのリザルトが芳しくなくなるなか、今年10月末にはレース中に立木に衝突して筋肉を損傷。その際引退を考えたもののチーム首脳陣の説得により少なくともクリスマスシーズンまでは継続することを決めたという。

しかしアイルランド開催のワールドカップの裏で開催されたレースでも思うような結果が出せず、やはり引退を決意。「エッセン(のレース)で流れを変えようとしたけれど、自分自身に正直である必要がある。好きな人たちに囲まれ、冷静に立ち止まる判断を下すことができた。美しいレースキャリアに感謝したい」とInstagramに短い引退メッセージを綴った。

text:So Isobe

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