明日のアングリルを見据え総合上位陣の動きがなかったブエルタ第11ステージ。逃げ切り勝利を雄叫びで喜んだゴデュや、敗れるも総合タイムを稼いだソレル、堅牢なチーム力で走り終えたログリッチや、前日レースの規則変更に対して不満を口にしたウッズなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)

ハートマークを作るダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)ハートマークを作るダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
初のグランツールステージ表彰台に立つダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)	初のグランツールステージ表彰台に立つダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
安堵がもたらした叫びだった。ここ数日間は苦闘の連続だったからね。

それに今シーズンは難しく(レース再開後の)3ヶ月間は本当に苦しかった。それにツール・ド・フランスでの失敗もあった。僕らはこのブエルタに並々ならなぬ思いで臨んだんだ。たとえティボー(ピノ)の棄権があっても、僕らは一丸となり開幕から献身的に走ってきた。

今日のスタートでは調子が良くなかったんだ。でもこうやって最後に勝利することができた。信じられないよ。昨年ワールドツアー初勝利を上げ、今日はグランツール初勝利を手に入れた。しかも山頂フィニッシュでだ。こんなの初めてだ。この勝利は僕にとって大きな意味を持ち、これが始まりに過ぎないことを願っている。また、これはブエルタ開幕から走りつづけているチーム全体へのご褒美でもある。



ステージ2位&総合6位 マルク・ソレル(スペイン、モビスター)

メイン集団から飛び出し、単騎先頭を追うマルク・ソレル(スペイン、モビスター)メイン集団から飛び出し、単騎先頭を追うマルク・ソレル(スペイン、モビスター) photo:CorVos
最後の数mでアタックを急いでしまった自分に少し腹が立っている。監督からフィニッシュ付近で強い向かい風があると聞いていた。だが、大したことはないと高をくくっていたんだ。結果的にゴデュを相手に最後の200mで苦戦を強いられ、勝利を争うことすらできなかった。

でも今日の自分の脚には満足しているし、タイム差も取り戻すことができた。このレースでチームはその力を示すことができた。僕が逃げ集団に合流して以降のネルソン(オリヴェイラ)の働きは素晴らしかった。彼には本当に感謝している。明日はアングリルだ。チームにまたとないチャンスがやってくる。頑張って走りたい。



ステージ3位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)

集団から抜け出すマイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)とマーク・ドノヴァン(イギリス、サンウェブ)集団から抜け出すマイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)とマーク・ドノヴァン(イギリス、サンウェブ) photo:CorVos
逃げがそのままフィニッシュにたどり着けるのかわからなかったが、いけそうな気がしたから逃げに乗ってみたんだ。

マーク(ドノヴァン)と僕は最初のカテゴリー山岳の登りで、非常に強い選手たちと逃げることができた。最後の数kmではソレルとゴデュとの差を縮めることができなかった。しかしマークがそれほど遅れてはいなかったので、(ギヨーム)マルタンや後続の総合上位陣の集団に追いつかれないよう協力して走った。完璧なチームワークだった。マークも僕も、この結果にはとても満足している。



マイヨロホ&ポイント賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

危なげなくマイヨロホを守ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)危なげなくマイヨロホを守ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
我々はこのステージを非常にうまくコントロールすることができた。ソレルがアタックした瞬間も、冷静さを失わずパニックになることはなかった。そして自分たちのペースを保つことができた。最終山岳では数多のアタックを予想していたのだが、みな明日のアングリルを恐れているのだろう。きっと白熱した戦いが繰り広げられるだろう。アングリルは登ったことがないんだ。でも自信はあるし、楽しみだよ。



総合2位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)

(今日は)山を登り下りの繰り返しだった。明日はアングリルが待っている。

アシスト役に徹するクリストファー・フルーム(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)アシスト役に徹するクリストファー・フルーム(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
ガブリエル・ラッシュ監督(イネオス・グレナディアーズ)

スタートからペースは速く、全体的にとてもハードなステージになった。総合上位陣は明日の為に少し抑えていたように見えた。今日のステージでは中盤の2つの山岳が最も厳しく、最終山岳もハードではあったが差をつけるほどではなかった。

最終的に集団はかなりコントロールされていて、リッチー(カラパス)にできることはあまりなかった。彼は他の選手のアタックを待たなければならず、レースが活発になってから動き出す必要があった(ため動くことができなかった)。



新人賞&総合5位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)

マイヨブランコ着用中のエンリク・マス(スペイン、モビスター)マイヨブランコ着用中のエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:Unipublic
今日の作戦はマルク(ソレル)を逃げに入れてステージ優勝を狙うことだった。また同時に総合タイムを稼ぐ狙いもあった。結果的に総合上位勢に1分以上縮めることができた。もしユンボとイネオスがマルクを追走したとしても、マルクは4分遅れだったのでそれほど脅威ではないと判断し、全力では追わなかっただろう。だから僕が強力なペースで登ることはしなかった。ライバルたちを(ソレルの)リスクにするようなことはしたくなかったからね。

勝負は明日に託された。重要な戦いになるだろう。正直、今日とても調子が良かったんだ。明日、何ができるか見てみよう。僕たちは大丈夫だと思うが、それはレース状況や自分の脚次第だ。色んなことが起こりうる。距離は短いが、このブエルタの決定的なレースになる。



山岳賞 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)

山岳ポイントを貯金したギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)山岳ポイントを貯金したギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:Unipublic
山岳賞のポイントを加算することができ、とても良い一日になった。もっとポイントを稼ぐことができたのは明らかだ。しかし力を使い過ぎてしまい、ステージ優勝の争うことができなくなってしまった。でも忘れてはならないのは、僕がブエルタ開幕から一貫して常に先頭に居続けようとしていることだ。このような走りを続けていくために、僕はできる限りのことをやっていく。



第10ステージ後に発表された突然のレギュレーション変更に対しコメントするマイケル・ウッズ(カナダ、EFプロサイクリング)

UCI(国際自転車競技連合)は誤ちを犯してしまった。ルールブックには3秒ルールが適用されると書かれていた。しかし彼らはフィニッシュ後にその考えを変えた。(スタート前に通知されていれば)レースに影響を与えていただろう。ユンボ・ヴィスマを含むCPA(プロ選手協会)に加盟する全ての選手がこの抗議に賛同していた。

text:Sotaro.Arakawa