今まで一番積極的に動いてきたチームだったラファコンドル・シャープ。山岳の厳しい伊豆ステージで1周目から抜け出したメンバーから終盤に単独アタックを決めたのはイギリスロードチャンピオンのクリスチャン・ハウス。そのままおよそ15kmを独走してチーム待望の1勝を挙げた。総合はデローザのサレルノが守った。

日本CSC正門前を通る今年のコース日本CSC正門前を通る今年のコース photo:Hideaki.TAKAGI

3周目、デローザ・スタックプラスチックがコントロールするメイン集団3周目、デローザ・スタックプラスチックがコントロールするメイン集団 photo:Hideaki.TAKAGI5月22日(土)、静岡県伊豆市の日本CSCでツアー・オブ・ジャパン2010第6ステージ伊豆が行われた。コースは5kmサーキットと外周道路を組み合わせた1周12.2kmの上りと下りだけの厳しいコース。ここを8周する97.6km、タイム差をつけられる事実上最後のステージだ。

85人が朝9時にスタート。1周目からアタックがかかる。10人ほどが抜け出し、リーダー擁するデローザ・スタックプラスチックがコントロールするメイン集団は抑え気味のペースで進む。

2周目には先頭が分裂。ダレン・ラプソーン(ラファコンドル・シャープ)が単独で先頭を逃げ出す。


1周目から単独逃げるダレン・ラプソーン(ラファコンドル・シャープ)1周目から単独逃げるダレン・ラプソーン(ラファコンドル・シャープ) photo:Hideaki.TAKAGI逃げるラプソーンに続くのはクリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)、平塚吉光(シマノレーシング)、清水都貴(ブリヂストン・アンカー)、井上和郎(チームNIPPO)ら6人のグループ、さらに松村光浩(愛三工業レーシングチーム)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)らが続いてメイン集団へ。先頭からメインまでは序盤で早くも4分差に広がる。

3周目に追走の6人はハウス、平塚、清水の3人になり、その後先頭のラプソーンを吸収して先頭グループは4人に。ラファが2人そろえて有利な展開だ。メイン集団からもアタックがかかるが抜け出せない。


7周目、先頭は3人に7周目、先頭は3人に photo:Hideaki.TAKAGI終盤の7周目、3人の先頭からハウスが抜け出し、平塚が懸命に追うものの徐々に差を広げる。最終周回、平塚とラプソーンはメイン集団に吸収されるが、ハウスは単独でメイン集団に50秒差で逃げ続ける。

ゴールまで残りわずか、福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)がメイン集団から抜け出すがハウスも衰えを見せない。ハウスはゴール150m前に設置されたラファジャパンのブース前あたりでチャックを上げ、余裕のゴール。ついにチーム待望の勝利を挙げた。

後続は福島が差をつけて逃げ切り2位。メイン集団はマイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)先頭で15人がクリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)が優勝クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIゴールした。

ラファは1周目からの逃げに2人を送り込んだのが勝因だ。優勝のハウスは現役のイギリス・ロードチャンピオン。そしてラプソーンは2007年のオーストラリアチャンピオンだ。地元出身の平塚も大声援を受けながら逃げ続けて会場を沸かせた。

リーダージャージのクリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)やミズロフ、シュセモインらは21秒差のメイン集団内でゴールしたため総合は変わらず。2位とは1分45秒差で最終の東京ステージへ向かう。ボーナスタイムだけでの逆転はもはや不可能なため、サレルノは総合優勝をほぼ手中にしたと言えるだろう。
最終周回にアタックした福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)は2位に最終周回にアタックした福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)は2位に photo:Hideaki.TAKAGI


第6ステージ伊豆 97.6km 結果 
1位 クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)2時間50分44秒
2位 福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)+19秒
3位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)+21秒
4位 野寺秀徳(シマノレーシング)
5位 鈴木真理(シマノレーシング)+24秒
6位 ヴィンツェンツォ・ガロッファロ(チームNIPPO)
7位 ヨン・インホン(ホンコンチャイナチーム)
8位 アンドレイ・ミズロフ(カザフスタンナショナルチーム)
ステージ表彰ステージ表彰 photo:Hideaki.TAKAGI9位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)
10位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)

個人総合時間賞
1位 クリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)13時間50分59秒
2位 アンドレイ・ミズロフ(カザフスタンナショナルチーム)+1分45秒
3位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)+2分15秒
4位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)+2分45秒
個人総合は変わらず個人総合は変わらず photo:Hideaki.TAKAGI5位 福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)+2分59秒
6位 ヴィンツェンツォ・ガロッファロ(チームNIPPO)+3分22秒
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分10秒
8位 狩野智也(ブリヂストン・アンカー)+5分20秒
9位 ダレン・ラプソーン(ラファコンドル・シャープ)+5分50秒
10位 ヨン・インホン(ホンコンチャイナチーム)+5分56秒

個人総合ポイント賞
1位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)68ポイント
2位 鈴木真理(シマノレーシング)62ポイント
3位 クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)47ポイント

個人総合山岳賞
1位 クリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)37ポイント
2位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)18ポイント
3位 クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)14ポイント

団体総合時間賞
1位 カザフスタンナショナルチーム 41時間45分27秒
2位 シマノレーシング +04分27秒
3位 チームNIPPO +06分01秒


photo:高木秀彰、福島治男 text:高木秀彰