2010年4月18日、ツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)の最終第8ステージでアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)が再び勝利。ステージ5勝目で締めくくった。連日勝負に絡む走りを見せた土井雪広(日本、スキル・シマノ)は総合6位でレースを終えた。

集団前方で走るスキル・シマノの選手たち 左端が土井雪広(日本、スキル・シマノ)集団前方で走るスキル・シマノの選手たち 左端が土井雪広(日本、スキル・シマノ) photo:www.tourofturkey.org8日間の日程で開催されていたツアー・オブ・ターキーもいよいよ最終日。第8ステージはトルコ南部のアンタルヤからアランヤまでの166kmで行なわれた。カテゴリー山岳ゼロのフラットコースだ。

この日はエルマーノ・カペッリ(イタリア、フットオン・セルヴェット)やオレグ・ベルドス(モルドバ、デローザ・スタックプラスチック)ら5名が逃げ、60km地点で2分のタイム差に。

逃げグループ吸収のためにペースを上げるチームHTC・コロンビア逃げグループ吸収のためにペースを上げるチームHTC・コロンビア photo:www.tourofturkey.orgしかしフラットコースだけにスプリンターチームが黙っていない。リーダージャージをエスコートするISD・ネーリに代わってチームHTC・コロンビアやコルナゴ・CSFイノックスが集団牽引を始めると、タイム差は縮小。先頭カペッリらはゴール10km手前で吸収された。

ラスト5kmでアンドレア・トンティ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)が単独アタックを仕掛けたが、スピードの上がり切った集団を振り切ることは出来ない。チームHTC・コロンビアが主導権を握ったままラスト1kmを切り、これにリクイガスが対抗した状態でゴールへ。

圧倒的なスプリント力でステージ5勝目を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)圧倒的なスプリント力でステージ5勝目を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:www.tourofturkey.orgラスト200mでグライペルがスプリント体勢に入ると、誰もその加速に付いていけない。一気に先頭に立ったグライペルがアンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)の追撃を振り切り、片手を挙げてゴールに飛び込んだ。

グライペルはステージ5勝目。最終日にしてヴィスコンティからポイント賞リーダーの座を奪うことに成功し、総合でもクライマーに混ざって8位に入る安定した走りを見せた。今シーズン11勝目は断トツで世界トップだ。

ツアー・オブ・ターキー総合優勝に輝いたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)ツアー・オブ・ターキー総合優勝に輝いたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) photo:www.tourofturkey.orgそして、総合優勝は集団内の23位でゴールしたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)の手に。山岳ステージで連勝を飾るなど、積極的な走りを見せたヴィスコンティが大会制覇を達成した。

2008年のジロ・デ・イタリアでマリアローザを着用したことのあるヴィスコンティだが、ステージレースで総合を争った経験は少ない。ヴィスコンティはガゼッタ紙のインタビューの中で「この大会は新たな発見の連続だった。総合リーダーとしてステージレースを走る経験があまり無かったので、監督の指示を仰ぎながら、チームメイトの力を借りて走ったんだ」と語っている。

山岳ステージで4位に入り、その後も強豪選手と対等に渡りあう走りを見せた土井雪広は、総合6位でフィニッシュ。プロツアーチームやプロコンチネンタルチームがひしめく中で、土井の登坂力が光った。土井は自身のTwitterに「シーズン前半の目標にしていたレースで、目標を達成できて本当に嬉しい!皆さんいっぱいのパワーを本当にありがとう!」と書き込んでいる。山岳ステージで活発に動いた土井は山岳賞でも5位に入った。

レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。


ツアー・オブ・ターキー2010第8ステージ
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)          2h52'24"
2位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)
3位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
4位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
5位 フランシスコ・パイバ(アルゼンチン、スコット・マルコンデス)
6位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス)
7位 ミケーレ・メルロ(イタリア、フットオン・セルヴェット)
8位 アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、チームHTC・コロンビア)
9位 ジョルジョ・ブランビーラ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
10位 クラウディオ・クチノッタ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
29位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)

個人総合成績
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)         32h42'28"
2位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)        +29"
3位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)                +33"
4位 ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、フットオン・セルヴェット)          +54"
5位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)   +1'48"
6位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                      +2'52"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ)                 +3'48"
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)           +4'16"
9位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)                  +5'05"
10位 クリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)               +5'13"

ポイント賞
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)           68pts
16位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                     21pts

山岳賞
1位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)                  21pts
5位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                      10pts

チーム総合成績
ISD・ネーリ

text:Kei Tsuji
photo:www.tourofturkey.org

最新ニュース(全ジャンル)