アメリカのBMCレーシングが7月7日に開幕するツール・ド・フランスの出場予定メンバーを発表した。エースを担うのはツール・ド・スイスで総合優勝を飾ったリッチー・ポート(オーストラリア)。平均年齢が高めの経験豊かなライダーがタスマニア人を支える。


イエロージャージのリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)はステージ14位イエロージャージのリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)はステージ14位 photo:CorVos

初出場した6月のツール・ド・スイスで総合優勝を飾った33歳のポートが3年連続でBMCレーシングのエースを担う。山岳ステージで重要なアシスト役を担うのは、2012年と2014年にツール総合5位に入っているティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)と2017年ツール・ド・スイス総合2位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア)だ。

ルーベにフィニッシュする石畳ステージをはじめ、平坦コースではシュテファン・キュング(スイス)やミヒャエル・シェアー(スイス)、パトリック・ベヴィン(ニュージーランド)といった大柄な選手がポートのボディーガードを務める。丘陵ステージ〜中級山岳ステージではグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)やサイモン・ゲランス(オーストラリア)がアシスト役を担うとともに、チャンスがあればステージ優勝を狙ってくるだろう。

最速タイムを叩き出したBMCレーシング最速タイムを叩き出したBMCレーシング photo:CorVos
「ツール・ド・フランスへの準備が整った。まだ完調とは言えない状態だったものの、ツール・ド・スイスでの総合優勝が自分にもチームにも自信を与えてくれた。高地トレーニングを経て、できることは全部やったと言える状態でツールの開幕を迎えたい」。ポートは自身7回目のツールに向けて準備ができている様子だ。

ポートはグランツール初出場となった2010年のジロ・デ・イタリアでマリアローザを着用するとともに、総合7位に入ってヤングライダー賞に輝いた。以降、11回グランツールに出場しており、総合最高位は2016年ツールで残した総合5位。2017年ツールではマイヨジョーヌ候補に挙げられながら第9ステージで落車し、右鎖骨と骨盤の骨折を負ってリタイアした。

BMCレーシングのスポンサー撤退に伴い、ポートのチーム移籍が有力視されている中で迎えるツール。「パリの表彰台に上りたい。もちろん何が起こるか分からないけど、毎日毎日、毎週毎週、着実にレースをこなしていきたい。強力なチームもいるし、コースも全体的に自分向き。開幕を迎えることを楽しみにしている」と、活躍を誓った。

今回のメンバー選出にあたり、ファビオ・バルダート監督は「ツール・ド・スイスでは、リッチーと他の5名のメンバーが毎日素晴らしい走りでジャージを守り抜いた。クリテリウム・デュ・ドーフィネで強力な走りを見せたダミアーノ・カルーゾと、チームTTで重要な役割を果たすパトリック・ベヴィンがそこに加わる。今回選んだ8名は3週間にわたってオールラウンドな走りを見せるだろう」と語っている。

イエロージャージを着て最後のロードステージを走るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)イエロージャージを着て最後のロードステージを走るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:CorVos
BMCレーシング出場メンバー
名前 年齢 出場回数 総合最高位
リッチー・ポート(オーストラリア) 33歳 7回 5位
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ) 29歳 6回 5位
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア) 30歳 3回 11位
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー) 33歳 5回 38位
ミヒャエル・シェアー(スイス) 31歳 7回 43位
サイモン・ゲランス(オーストラリア) 38歳 11回 76位
シュテファン・キュング(スイス) 24歳 1回 79位
パトリック・ベヴィン(ニュージーランド) 27歳 1回 114位
text:Kei Tsuji