3月4日(日)に行われた東北シクロクロス最終戦菅生ラウンド。C1は佐藤利英(TEAM CHAINRING)が三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)との接戦を制し優勝、シリーズチャンピオンも獲得した。またCL1は須藤むつみ(Ready Go JAPAN)が、CM1は伊藤敦弘(チバポンズ)がそれぞれ優勝を決めている。



スリッピーなキャンバーが参加者を苦しめた東北シクロクロス最終戦菅生ラウンドスリッピーなキャンバーが参加者を苦しめた東北シクロクロス最終戦菅生ラウンド photo:Masakazu.Abe
2週間前の凍り付く荒れた天気の第5戦と打って変わった好天の元、3月4日(日)東北シクロクロス最終戦となった第6戦が宮城県のサーキット、かつて東北初の全日本シクロクロス選手権を開催した「スポーツランドSUGO」で行われた。コースはモトクロス場で行われた全日本の翌年から使っているショートコース(西コース)のフィールドが使用された。

日中は5月並み20℃近くまで気温は上がったが それでも朝は氷点下から始まり、草地には霜が降り朝の試走ではコース外縁部の枯れた草地ののり面に切られた二つのキャンバーセクションは草の下の濡れた泥と相まって乗車が困難なほどスリッピー。特に片斜面を50m近くトラバースする東側のキャンバーは気を抜くと降車していても滑落するほど。

スポーツランドSUGOのサーキットを利用したコースが組まれるスポーツランドSUGOのサーキットを利用したコースが組まれる photo:Masakazu.Abe地元村田町の観光PRキャラクター「くらりん」も登場地元村田町の観光PRキャラクター「くらりん」も登場 photo:Masakazu.Abe

どことなく宇都宮シクロクロス、ロマンチック村ドッグランの南面キャンバーの趣を感じる。参加しているベテランC1ライダー伊井選手(臼杵レーシング)に聞くと「右下がりの片斜面が急なので、タイヤの対地角(対地キャンバー角)をできるだけ面直にするよう意識しないとブロックの無いタイヤサイドが滑り落ちペダルが地面に引っかかる心配がある」そうだった。

また ライン取りについては「下部のコース境界のネット際も状態が良く行けそうだが少しずれただけでネットに絡まり餌食になるリスクがあるので、中段でラインを見ながら集中して行くか最上部の狭い棚になった部分を行くのが良さそう」とのことだった。

メニューの豊富なカレーワゴン販売メニューの豊富なカレーワゴン販売 photo:Masakazu.Abe揚げたてのカレーパンも用意揚げたてのカレーパンも用意 photo:Masakazu.Abe
去年から毎回MCを務める地元仙台のフリーパーソナリティの林舞さん去年から毎回MCを務める地元仙台のフリーパーソナリティの林舞さん photo:Masakazu.Abeキッズに続き未就学児カテゴリーもレースが行われたキッズに続き未就学児カテゴリーもレースが行われた photo:Masakazu.Abe

また「この天気なので霜も溶けC1レースのある昼には乾いていくだろうが、そのころにはそれ以前の試走やレースでキャンバーの草も剥げ、荒れて泥が顔を出すのでおそらく難易度は変わらないだろう」とも。カテゴリー問わず各選手はできるだけ乗車可能なラインを探してキャンバーの試乗を繰り返していた。

その他の基本的なレイアウトも昨年と同様で、上記のキャンバーエリア以外は平たんな西コースのトラックや走行抵抗の大きい芝のセーフティエリアを部分的に使いながら、スタート&フィニッシュの長い直線の折り返しと曲線を組み合わせた2.5km(Kidsは1.5km)のコースが参加者に用意された。 



C1

C1 ホールショットを獲る高校生三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)C1 ホールショットを獲る高校生三澤優樹(郡山サイクルフレンズ) photo:Masakazu.Abe
最終レースのC1は9名の選手がスタート。前戦にて優勝し東北シリーズポイントで佐藤利英(TEAM CHAINRING)に同点で並ぶ山田大介(PAX PROJECT)は予告通り不参加。結果佐藤の東北シリーズチャンピオン取得はほぼ確定でスタートを迎えた。

ホールショットは三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)が取り その後ろに伊井賢一(臼杵レーシング)、後藤啓(Lipatti Jewelry)、秋元昌夫(HONDA栃木)等が続くが、JBCFジュニア、インターハイ等でも活躍する三澤のラップに他の選手は後退、1周目を終えた時点で5分台中程のラップを出す三澤を中心に本多拓貴(F(t)麒麟山Racing)、石黒大樹(PAX PROJECT)そして例によって最後尾からわずか一周でもりもり上がってきた佐藤利英(TEAM CHAINRING)の4名が上位を形成し他の後続を離していく。
 
三澤と佐藤はともに平均速度26km/hを超える速いペース、5分40秒前後で周回を重ねるが三澤はトップを維持する。佐藤も時折上げて三澤とのギャップが開きすぎないようテンポを作る。5分40秒というのは去年ここで優勝したJCX上位ランカーの加藤健吾(臼杵レーシング)のラップと同レベルだ。その後方6分前後で周る本多と石黒は徐々に遅れる。石黒は更に離れ、本多はひとり旅で3番手のポジションを担保しながらチャンスが無いか前方をうかがう。

中盤の5周目、トップ三澤とのギャップが詰まらず佐藤は何度目かのチャージをかけ、この周は更に10秒を削って見せ三澤と再びパックとなる。それでも若い三澤は業のようにラップを維持しながら前を引き続け結果的に佐藤を休ませる。春からは日大自転車部に進むことが決まった三澤は、今季最後のレースを優勝で終えたいと語っていた。

C1 佐藤利英(TEAM CHAINRING)とトップパックになっても先頭で引き続ける三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)C1 佐藤利英(TEAM CHAINRING)とトップパックになっても先頭で引き続ける三澤優樹(郡山サイクルフレンズ) photo:Masakazu.AbeC1 バニーホップで会場を湧かせた齋藤拓真(TEAM CHAINRING)C1 バニーホップで会場を湧かせた齋藤拓真(TEAM CHAINRING) photo:Masakazu.Abe

C1 左レバーが折れたまま佐藤利英(TEAM CHAINRING)を追うピット脇の三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)C1 左レバーが折れたまま佐藤利英(TEAM CHAINRING)を追うピット脇の三澤優樹(郡山サイクルフレンズ) photo:Masakazu.Abe優勝とC1の東北シリーズチャンピオンを決めた佐藤利英(TEAM CHAINRING)優勝とC1の東北シリーズチャンピオンを決めた佐藤利英(TEAM CHAINRING) photo:Masakazu.Abe


そして8周目の後半、疲労が出たのか東のキャンバーで三澤はスリップダウンし、ボーダーネットの餌食となり20秒ほど失う。その間に佐藤は単独トップに立つとそのままのペースで残り周回を重ね今季最後のレースと東北シリーズチャンピオンを優勝で締めた。

ピットエリア付近に戻って来た三澤のバイクを見ると左のレバーが折れ上を向いている。すでにリアブレーキは使えないはずだがピットにも入らない。C1とはいえ高校生の三澤はスペアバイクを持ち込んでいない。次ぎの周に友人のキャノンデールに乗り換えてペースアップを図るが慣れないバイクでは追いきれない。それでも6分台後半のラップで残り周回を耐え、優勝を飾りたかった高校生活最後のレースを2位で終える。そして6分前後でコンスタントに走った本多が3位を維持した。

いつも通り40分ルールでC1レースに参加した唯一のCJ積田連(TEAM CHAINRING)は序盤C1、3番手相当のポジションで周回したが 体調が崩れ3周を終えた後DNFとなった。しかし5戦出場で東北シリーズチャンピオン獲得した。来期国内レギュラーレースはC1で戦う。

CL1

CL1 宮崎優花(Cyclesta)を従え第1コーナーを立ち上がるベテラン須藤むつみ(Ready Go JAPAN)CL1 宮崎優花(Cyclesta)を従え第1コーナーを立ち上がるベテラン須藤むつみ(Ready Go JAPAN) photo:Masakazu.Abe
参加者2名となり競技時間が同じC2、CM1との混走のCL1。各カテゴリー1分間隔でのスタート。最前列スタートの女子はすでに東北シリーズチャンピオンを決めている須藤むつみ(Ready Go JAPAN)が先行し、宮崎優花(Cyclesta)が追うが、地足に勝る須藤が次第にリードを拡げていく。

いつもの逃げ切りパターンかと思われたが1周目の東側キャンバー、アンギュレーションの悪いゾーンがあまり得意ではない須藤が手こずっている間に宮崎は乗車でキャンバー上段を通過し須藤を抜くと、そのままリードを守ってCL1先頭で2周目に入るという可能性を感じさせる場面も見られた。しかし須藤はそのあとのインフィールドで追い込んで抜き返すと、得意なセクターで更に差を拡げその後宮崎に逆転のチャンスを与えず、CL1東北シリーズチャンピオンは今季最終レースも優勝で終えた。

安定してキャンバーをトラバースする宮崎優花(Cyclesta)安定してキャンバーをトラバースする宮崎優花(Cyclesta) photo:Masakazu.AbeCL1 須藤むつみ(Ready Go JAPAN)フィニッシュCL1 須藤むつみ(Ready Go JAPAN)フィニッシュ photo:Masakazu.Abe


CM1

CM1 勝利した伊藤敦弘(チバポンズ)CM1 勝利した伊藤敦弘(チバポンズ) photo:Masakazu.Abe
CL1の1分あとにスタートホイッスルが鳴り6名がヘアピンの第1コーナーへ、ホールショットは岩崎恭二(佐多塾)が決め、鈴木孝(あぶくまサイクリングクラブ)、江川嘉宏(PEDAL NATION)らが続く。しかし第1コーナーの混乱を避けるためか再後方に位置取りしていた東北シリーズチャンピオン須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA)とその丸森で優勝した伊藤敦弘(チバポンズ)がコース中盤からリジュームをかけ本来の速度を回復し岩崎を捉えると、2周目にはそのまま伊藤、岩崎、須藤の3名が先頭パックで入っていった。

前回丸森では強風で煽られたネットで落車し伊藤との勝負が叶わなかった須藤。今回こそはと伊藤に付くが怪我からの復帰後右肩上がりで好調が続く伊藤は一人で抜け出していく。須藤はCM1と混走しているC2選手をマーカーにしたり得意なキャンバーやコーナーを使って伊藤との間合いを詰めて行こうとするが、パワーフルなコースセットは須藤には若干不利なのか伊藤とのギャップはそれでも詰まらない。岩崎も更に前の二人に遅れひとり三番手のポジションにとどまる。結局このポジションで6周のレースは終え伊藤が今季CM1昇格後二度目の優勝を果たした。

CM1 来季は全日本マスターズを目指す伊藤敦弘(チバポンズ)CM1 来季は全日本マスターズを目指す伊藤敦弘(チバポンズ) photo:Masakazu.AbeCM1 ホールショットの岩崎恭二(佐多塾)を東北名物あぶくまサイクリングクラブの2台のシングルスピードが追うCM1 ホールショットの岩崎恭二(佐多塾)を東北名物あぶくまサイクリングクラブの2台のシングルスピードが追う photo:Masakazu.Abe



選手コメント

C1 優勝+東北シリーズチャンピオン 佐藤利英(TEAM CHAINRING)
今日のレースは周りに若くて生きのいい子が多く、特に三澤君はどんどん前引いちゃってパックでも先頭交代しないんですよ。「おお頑張るな!」って感じで一緒に走っていて楽しかったですね。まぁ来季はあの子逹には勝てなくなっちゃうかもしれませんね。それはそれで楽しみですけど。今日はいつも通りの後ろから追い上げるパターンでミスなく安定して走った感じですね。そういう走り方が自分に合っているのかなぁ、でもなんなんでしょうね?(笑)また来季も東北中心に頑張って走りたいと思いますのでよろしくお願い致します。

CJ東北シリーズチャンピオン 積田連(TEAM CHAINRING)
今季は全日本で2位となり世界戦にも行かせてもらい良い経験をさせてもらえましたが、そこで結果が残せなかったことが悔しいですね。来季はC1/U23になりますが、まずは全日本での優勝を目指して再び世界選に行かせてもらえるよう頑張ります。そのためにロードやMTBをバランス良くやって身体も作り、また機会があればちょくちょくヨーロッパ遠征なども行いたいです。今年はJBCFも走る予定です。春からはうまくいけば県内の大学に入れる予定なので忙しいけど頑張って行きます。

C1 表彰式C1 表彰式 photo:Masakazu.AbeCL1 表彰式CL1 表彰式 photo:Masakazu.Abe


CL1 優勝+東北シリーズチャンピオン 須藤むつみ(Ready Go JAPAN)
昨シーズンから東北シリーズは全戦参加させてもらっていますが会場設定や子供逹の育成、今年は世界選に代表を送り込むなど年々ステップアップして良い大会になって来ていると感じています。自分のレースとしては今季最後のレースでしたがキャンバーが得意ではないので、その辺が上手な宮崎優花(Cyclesta)選手を地脚で押し込んで振り切った感じです。来シーズンも東北メインで行きますのでシリーズを走り切るためキャンバー等の不得意項目の克服を課題に練習して、シリーズを盛り上げられるよう頑張って行きます。

CM1優勝 伊藤敦弘(チバポンズ)
先シーズンは2年前のロードでの大怪我の影響で身体がかみ合わずJPT含めて全部参戦できなくなって、やっとシクロクロスから今シーズン再開できました。参戦するにあたっては新設された全日本マスターズを狙っていきたかったので、C2とかではなくマスターズ登録を選びました。まぁ今年50歳にもなりますしね。東北メインで5戦出て序盤は今ひとつでしたが徐々に感覚も戻って来ました。また今年のJBCFではE1を走るんですがロードやMTBで身体を作りながら12月の全日本を目指し目線を変えて頑張りたいと思っています。

CM1 表彰式CM1 表彰式 photo:Masakazu.Abe東北シクロクロスシリーズ オーガナイザー管田純也東北シクロクロスシリーズ オーガナイザー管田純也 photo:Masakazu.Abe

CM1東北シリーズチャンピオン 須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA)
東北シクロシリーズは昨シーズンから10試合連続皆勤です。皆勤賞出ないんですけどね(笑)2週間前の東北第5戦で怪我しちゃってすぐ治ったんですけど、まぁマスターズですから健康で試合に出られるってこともありがたいことなんだなって再認識したので、来季も健康に留意して頑張って行きたいと思います。

CK3 優勝+東北シリーズチャンピオン 高椅壮(SAGAMI RACING)
今シーズンは郡山と今日の二回も4年生に負けちゃったのが悔しかったです。来シーズンは引き続き東北シリーズメインで参戦しますが、C4にカテゴリーが変わるので、その中でまずはシングルリザルトが出せるよう頑張ります。

東北シクロクロスを牽引する若者2名。積田連(TEAM CHAINRING)と三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)東北シクロクロスを牽引する若者2名。積田連(TEAM CHAINRING)と三澤優樹(郡山サイクルフレンズ) photo:Masakazu.AbeC1 今期3戦でC4からC1に昇格、C1でも2戦上位を走った 三澤優樹(郡山サイクルフレンズ)
春からは郡山商を卒業して日大に行って自転車部にも入ることになっています。なので東北シリーズには中々参加できなくなると思いますが機会を見つけて帰ってきたいと思います。大学ではロードやトラックなど自分の適性、脚質を見つけて伸ばして強くなって行きたいと思います。4年後は強くなって(笑)戻って来ますのでまたよろしくお願いします。 

管田オーガナイザー
今日は東北シリーズとしては初めてと思える非常に暑い中最終戦を終え、おかげさまで今季のシリーズ全6戦も地元自治体のご協力の元、参加者やスタッフの皆さん各スポンサーさんのおかげで無事に終えることができました。来季は10月28日のUCI-2山形県さがえに加え1月20日UCI-2宮城県蔵王と2つのUCIレースが決まりました。他の開催も日程が出次第PRして行きますので、来季も東北シクロクロスをよろしくお願いいたします。



C2 表彰式C2 表彰式 photo:Masakazu.AbeC3 表彰式C3 表彰式 photo:Masakazu.Abe
C4 表彰式C4 表彰式 photo:Masakazu.AbeCM2+3 表彰式CM2+3 表彰式 photo:Masakazu.Abe
CL2 表彰式CL2 表彰式 photo:Masakazu.Abe東北シリーズの各カテゴリーチャンピオンが並ぶ東北シリーズの各カテゴリーチャンピオンが並ぶ photo:Masakazu.Abe
C1 2.5km x 10周
1位 佐藤利英(TEAM CHAINRING) 57:30.487
2位 三澤優樹(郡山サイクルフレンズ) +01:48.991
3位 本多拓貴(F(t)麒麟山Racing) +02:48.191
4位 石黒大樹(PAX PROJECT) +04:49.478
5位 秋元昌夫(HONDA栃木) +06:03.477
6位 後藤啓(Lipatti Jewelry) +7:09.972
CL1 2.5km x 6周
1位 須藤むつみ(Ready Go JAPAN) 46:13.300
2位 宮崎優花(Cyclesta) 39:26.800(-1 Lap)
CM1 2.5km x 6周
1位 伊藤敦弘(チバポンズ) 38:08.675
2位 須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA) +00:55.104
3位 岩崎恭二(佐多塾) +01:26.128
text&photo:Masakazu.Abe