ブエルタ・ア・サンフアン第2ステージは風で荒れた展開に。縮小したメイングループから3名が0秒差で逃げ切り、鋭く加速したロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルズ・スペシャライズド)が勝利。無名の27歳が大金星を掴み、リーダージャージも着用した。



リーダージャージを着用するフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)リーダージャージを着用するフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) (c)CorVosパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がスタート前にシューズを磨くパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がスタート前にシューズを磨く (c)CorVos

高さ101メートルのプンタネグラダムをスタートする高さ101メートルのプンタネグラダムをスタートする (c)CorVos
南米アルゼンチンで行われているブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)。第2ステージはサンフアンの西にあるプンタネグラダムをスタートし、64.1kmの大周回を1周、28kmの小周回を3周しプンタネグラダムにフィニッシュする149.9km。途中3級山岳ポイントが4ヶ所設定されているが、基本的に平坦基調のコースレイアウトとなるため高速レースが想定された。

レースはアタック合戦の後、4名の逃げを容認し、最大5分のタイムギャップを追う展開。途中設定された4つ山岳ポイントでポイントを加算し続けたイグナシオヘスス・プラド(メキシコ、カネルス・スペシャライズド)が山岳ジャージを確定させている。

乾燥した土地を走り抜けるプロトン乾燥した土地を走り抜けるプロトン (c)CorVos
このエスケープが残り25km付近でプロトンに吸収されると、ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)、イエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)を含む6名が新たな逃げグループを形成。10kmほど逃げるが、クイックステップフロアーズがコントロールするプロトンに吸収される。

残り10kmを切ると各チーム、最後のプンタネグラダムの登りに向けた位置取りを開始。横風に翻弄されながらカハルーラル・セグロスRGAやボーラ・ハンスグローエ、ユナイテッドヘルスケアがトレインを形成し50km/h以上のハイペースでプロトンを牽引。主導権を争いながら残り4km地点を通過した。

プンタネグラダムの登りで攻撃を仕掛けるラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)プンタネグラダムの登りで攻撃を仕掛けるラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
プンタネグラダムの登りに入るとゴンサロ・ナハル(アルゼンチン、シンジケートエンプレアード・パブリコスサンフアン)のアタックを皮切りに、ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ)が攻撃を仕掛けるが実らず。

残り2.7km地点でタイミングよく飛び出したロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド)、リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)、ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)が抜け出しに成功しそのまま下り区間へ突入した。

3人によるスプリントを制したロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド)3人によるスプリントを制したロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド) (c)CorVos
後続も懸命に追撃を図るが叶わず、3人は4秒という際どいタイム差を維持したまま残り1km地点を通過。最初にスプリントを開始したベノートを後ろから捲りあげるようにヴィラロボスが先頭に出るとそのままフィニッシュ。自身のキャリアとチームにとって最大の勝利となるステージ優勝を飾り、リーダージャージも獲得している。

「アタックした時、脚の調子が良いことが分かった。マイカのアタックを見た時、僕も1度はアタックしなければと思っていたので、エスケーラとベノートと一緒に良い逃げグループが出来て良かったよ。」とヴィラロボスはコメントしている。

翌第3ステージはサンフアンの市街地を走る14.4kmの個人タイムトライアルとなっており、総合争いに向けての動きがありそうだ。

リーダージャージを獲得したロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド)リーダージャージを獲得したロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド) (c)CorVos
ステージ結果
1位 ロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド) 3h25’06”
2位 リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ)
3位 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
4位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン・インデル)
6位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
7位 ゴンサロ・ナハル(アルゼンチン、シンジケートエンプレアード・パブリコスサンフアン)
8位 アレクサンダー・ケーターフォード(カナダ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)
10位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)
個人総合成績
1位 ロマン・ヴィラロボス(コスタリカ、カネルス・スペシャライズド) 3h25’06”
2位 リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) +04”
3位 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +06”
4位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) +08”
5位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) +10”
6位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
7位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コルデポルテス・クラーロ)
8位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)
9位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン・インデル)
10位 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)
山岳賞
1位 イグナシオヘスス・プラド(メキシコ、カネルス・スペシャライズド) 9pts
2位 ヘラルド・ティヴァニ(アルゼンチン、エキッポコンチネンタル・ムニシパリダド・デ・ポシート) 7pts
3位 カルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア) 4pts
ヤングライダー賞
1位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) 6h40’29”
2位 クリスティアン・ムニョス(コロンビア、コルデポルテス・クラーロ)
3位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ) +16”
チーム総合成績
1位 コルデポルテス・クラーロ 20h01’17”
2位 ロット・スーダル
3位 アンドローニジョカトリ・シデルメク
text:Kosuke.Kamata
photo:CorVos

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