宇都宮ブリッツェンが来季所属選手との契約を締結。ブリヂストンアンカーから鈴木龍が加入し、5年目を迎えた清水裕輔監督体制の下、合計9名で来季ロードレースシーズンに挑む。



栃木県庁で記者会見を行った宇都宮ブリッツェン。新たに鈴木龍が加わった栃木県庁で記者会見を行った宇都宮ブリッツェン。新たに鈴木龍が加わった (c)宇都宮ブリッツェン
来季の所属選手は、増田成幸 、鈴木譲、阿部嵩之、飯野智行、鈴木龍、馬渡伸弥、雨澤毅明、小野寺玲、岡篤志という9名。ここにシクロクロス専業選手として全日本タイトルを獲得した小坂光が加わり、清水裕輔監督の指揮の下、創設10年目となる2018シーズンを走る。

ブリヂストンアンカーから加入する鈴木龍は、スプリント力に秀でる25歳。那須ブラーゼンから移籍した今年はツール・ド・北海道開幕ステージやJプロツアー第6戦那須ロードレースでも優勝。「宇都宮を熱く盛り上げるためにも全日本選手権で勝ちたい」とコメントする。

チーム創設10周年の記念ロゴを掲げる柿沼章氏チーム創設10周年の記念ロゴを掲げる柿沼章氏 (c)宇都宮ブリッツェンJプロツアー第6戦那須ロードレースで勝利した鈴木龍Jプロツアー第6戦那須ロードレースで勝利した鈴木龍 photo:Hideaki TAKAGI


チームは今年のJプロツアーランキングで2位。バセドウ病の治療中だが、徐々にコンディションを上げる増田成幸がキャプテンとなり、鈴木譲が副キャプテンに。2018年のスローガン「ATTACK TO THE FUTURE」を掲げ、全日本タイムトライアルを狙う阿部嵩之や、エリートカテゴリー初年度となる雨澤毅明、小野寺玲、岡篤志らも引き続き赤いジャージに袖を通すこととなる。

2018シーズン契約選手
増田成幸 (キャプテン)
鈴木譲 (副キャプテン)
阿部嵩之
飯野智行
鈴木龍 ※移籍入団
馬渡伸弥
雨澤毅明
小野寺玲
岡篤志
監督:清水裕輔



各選手コメント

増田成幸
出身地:宮城県仙台市
生年月日:1983年10月23日(34歳) 176cm/61kg

「今シーズンは、レースはほぼ走っていませんが、間違いなく一番苦しんだシーズンでした。肉体的に一番辛いシーズンだったのに伴って、精神的にも辛い、一番思い通りにならないシーズンになったな、と。治療を続けていく中で“もう、ダメかも”と思う瞬間も当然ながらありましたが、やっぱり自転車選手という仕事が好きだし、ちゃんと燃え尽きてから辞めたいという想いはずっと持っていたので、ちゃんと燃え尽きることができるようにもう一度しっかりコンディションを戻したいと思っていました。今までの人生の中で、今年は確実に一番大変な年だったし、いろいろな経験もさせてもらいましたね。その経験をしっかりと糧にして来年以降の走りにつなげていきたいと思います。現時点で、明確にこのレースで優勝するという目標を掲げることもイメージできていませんが、それをイメージできるようにするためにやらなければいけないことは、ひとつしかなくて。1日1日、その目標に向けて努力するというシンプルなことを継続してクリアして、レースで勝てるような身体にしていきたいと思っています。来シーズンは真理さんがいなくなって、また新しい鈴木選手が入って来てより楽しみなチームになりましたし、10年目という節目に自分自身もルーキーのようなフレッシュな気持ちで走りたいと思います」

鈴木譲
出身地:神奈川県川崎市
生年月日:1985年11月6日(32歳) 170cm/57kg

「今シーズンは、良いことも悪いこともあった1年だったな、と。出だしが余り良くなかったので、それが1年間勢いに乗り切れなかったことにつながったのかなと感じます。でも、チームで4勝できて、ジャパンカップでも表彰台に乗ったというのは、チームの浮き沈みを象徴しているとも感じますね。個人的にもコンディションが上がり切らない部分があったので、そこは来シーズンの課題にしたいです。今シーズンは敵チームの隙を突いて優勝というのが多かったですが、来シーズンはメンバーもすごくいいので、王道のレースをして勝てるレースを作っていきたいと思います。個人的にも全日本選手権に向けてしっかりとコンディションを上げていきたいと思います」

阿部嵩之
出身地:北海道古字郡
生年月日:1986年6月12日(31歳) 177cm/66kg

「今シーズンは、個人的な成績に関しては悪くなかったのではないかと思えるシーズンでした。ただ、怪我もありましたので安定したシーズンだったとは言えないと思います。来シーズンは安定感を出すのはもちろんですが、一番の目標にしている全日本選手権個人タイムトライアルで優勝して、チャンピオンジャージを獲りたいです。それが獲れたら他の成績は何も要らないというぐらいの気持ちで頑張りたいと思います」

飯野智行
出身地:群馬県富岡市
生年月日:1989年10月5日(28歳) 164cm/61kg

「今シーズンは、昨年よりもフィジカル的に一段階上がったことは実感できましたが、表彰台に上がることはできませんでした。来シーズンは表彰台に上がることはもちろん、優勝も目指したいです。あとは、チームの目標であるJプロツアー総合優勝をしっかり達成して、歓喜の瞬間を皆で味わいたいと思います」

鈴木龍
出身地:宮城県仙台市
生年月日:1992年9月29日(25歳) 168cm/58kg

「今年の早い段階で清水監督と廣瀬GMからはオファーはいただいていたのですが、自分としては所属チームを離れるつもりはありませんでした。そんな中、来シーズン以降の所属チームが自分の思い描いている状態ではなくなることが分かって、移籍する可能性も模索し始めた時、最初に声をかけてくださり、自分を欲してくださっている宇都宮ブリッツェンに移籍することになりました。来シーズンは、アツい1年にしたいですね。宇都宮の皆さんを熱く盛り上げるためにも全日本選手権で勝つというのが大きな目標ですし、Jプロツアーの盛り上がりもまだまだ足りないと思うので、自分が入ったことで宇都宮ブリッツェンを中心にJプロツアーも盛り上げていけるようにしたいです」

馬渡伸弥
出身地:東京都東村山市
生年月日:1994年6月25日(23歳) 165cm/55kg

「プロ1年目の今シーズンはチャレンジの1年でした。思うように走れたレースもありましたし、それ以上に思うように走れないレースもたくさんありました。学生の時と比べるとレース数も格段に増えて、連戦が続くと調子の波が大きくなってしまうことがあったので、その波をできるだけ小さく、一定にしていけるようにしたいです。今シーズンは最高が3位という結果でしたし、これまで競技を続けてきてまだ優勝したことがないので、プロ2年目となる来シーズンは、優勝が狙えるレースをして優勝したいと思います」

雨澤毅明
出身地:栃木県下野市
生年月日:1995年2月4日(22歳) 173cm/61kg

「今シーズンは国内レースで初めて優勝することもできましたが、海外レースで本気の挫折を味わった1年でもあって。ただ、それで強くなれた部分もあるので、ぜんたいを通せばすごく良い1年を過ごせたかなと思います。これまでも上を目指してやってきましたが、今年はより明確、そして具体的にその上が見えるようになってきたと思います。個人的な話になると、来シーズンはエリート1年目になって、海外遠征が減るので今年よりも確実にチャンスが減ることになります。その少ないチャンスを確実にものにする走り、国内レースであればただ優勝するだけでなく圧倒的な走りを見せて勝つ、UCIレースも全て優勝するぐらいの気持ちでやっていかないと上には届かないと思っているので、格が違うと思わせる走りを来シーズンはしたいと思います」

小野寺玲
出身地:栃木県鹿沼市
生年月日:1995年9月3日(22歳) 176cm/67kg

「今シーズンはアジア選手権で金メダルを獲って良いスタートを切ったと思ったら、春のU23日本代表の遠征での落車で調子を落としてしまい、うまく波に乗り切れないもったいない1年になってしまったなと思います。その中で全日本選手権の個人タイムトライアルで3位に入ることもできましたし、チームメートの力もあって優勝することもできて、苦戦はしたけど所どころではいい走りができたと思います。来シーズンはエリート1年目になってアンダーの枠に甘えられなくなるので、しっかりと成長して毎年強くなっていけるような選手になって勝利を量産していきたいです。個人的にはエリートでもアジア選手権のタイトルを獲りたいですし、タイムトライアルの速さに磨きをかけたいと思っています」

岡篤志
出身地:茨城県つくば市
生年月日:1995年9月3日(22歳) 163cm/57kg

「今シーズンはそこそこの結果を残せたとは思いますが優勝できなかったのが心残りですし、後半戦にコンディションを落としてしまったという部分に関してはもう少し安定感が欲しかったなと感じています。その中でU23日本代表に復帰し、2年ぶりぐらいに海外レースを走って成長した部分を感じることができた点は良かったです。ただ、来年はエリートになってそういう機会は減ってしまうので、またそういう舞台に戻れるようにエリートでもしっかりと結果を残していかなければと思っています。来シーズンは、UCIレースでしっかり優勝が狙えるように、そしてJプロツアーでも総合優勝をしっかり飾れるよう、たくさん勝てる1年にしたいと思います。個人的にも、全日本選手権は頑張りたいですし、ツアー・オブ・ジャパンでもステージ優勝を目指したいと思います」