チームHTCコロンビアのマシュー・ゴスは、チームスカイに初戦で勝利をさらわれたものの、勝利するチャンスはまだこれからたくさんあると言う。前年度優勝チームとしては悔しい結果だったのだろうか? ダウンアンダー本戦開幕を前にゴスに訊いた。

5度目のダウンアンダー出場となるマシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)5度目のダウンアンダー出場となるマシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) photo:Kei Tsujiツアー・ダウンアンダー2010の前哨戦となるキャンサー・カウンシル・ヘルプライン・クラシックにおいて、センセーショナルなデビューを飾ったチームスカイ。 ゴスとチームはエーススプリンターのグライペルのためにスプリントをリードしたが、チームスカイのグレゴリー・ヘンダーソンに1位を、クリストファー・サットンに2位を奪われ、期待のグライペルは3位に終わった。

「昨日のチームスカイの勝利は、彼らが狙っていたとおりの"サプライズ"だったと思う。でも、それが次の1週間、まして1年を通して続くとは思わない。それが運だけとも思わないけれど。シーズンはまだ先が長い。
他のチームとスプリントを争うのはいいものだ。なぜなら僕らの仕事をもっと楽しくしてくれるからね」。

グライペルは2008年のダウンアンダーで豪快なスプリントを発揮し、4ステージにおいて勝利し、総合優勝を収めた。2009年は落車でリタイアする前に第1ステージで勝利している。
ゴスは続く6つのステージでグライペルが勝利するチャンスはたくさんあると考えている。

「もし彼が僕の後輪につけたら、そのときこそチームが本領を発揮するときだと思う」。


北のクラシックでリーダーの座を狙う

2009年ヘント〜ウェベルヘム。追走グループの先頭でゴールして表彰台を射止めたマシュー・ゴス(オーストラリア)2009年ヘント〜ウェベルヘム。追走グループの先頭でゴールして表彰台を射止めたマシュー・ゴス(オーストラリア) photo:Cor Vosゴスはヨーロッパでのレース生活をビャルヌ・リースのチームCSC(現サクソバンク)のもとでスタートさせた。2007年パリ~ブリュッセルで勝利し、2009年はツール・ド・ワロニーでステージ2勝を挙げている。

ゴスはサクソバンクからチームHTCコロンビアに移籍したことで、今後パリ~ルーベやロンド・ファン・フラーンデレンなどのいくつかのメジャークラシックにおいてリーダーになれる可能性に期待している。

「チームにはサクソバンクにおけるカンチェラーラやオグレディのような、決められたリーダーがいないんだ」。

クラシックではヘイデン・ロールストンやベルンハルト・アイゼルとともに、キャプテンのひとりをつとめられると考えている。

ゴスの今後のレースプログラムは、クラシックの後少し休み、ジロ・デ・イタリアでレースに復帰することになっているという。

ちなみにゴスは2005年のツアー・オブ・ジャパン大阪ステージで優勝している。今回ヘンダーソンの発射台役を務め2位になったサットン(オーストラリア、チームスカイ)も、当時ゴスと同じオーストラリアナショナルチームで来日済みだ。

text:Gregor.Brown in Adelaide
translation:Makoto.AYANO