長野県南牧村の滝沢牧場で、シクロクロスの祭典「Raphaスーパークロス野辺山」が今年も開幕した。まずは熱き戦いが繰り広げられた一般カテゴリーのレポートから紹介します。



C4スタート 晴れ渡る野辺山高原・滝沢牧場へと走り出していく選手たちC4スタート 晴れ渡る野辺山高原・滝沢牧場へと走り出していく選手たち photo:Makoto.AYANO
C2:全日本ジュニアの予行演習、日野泰静が村上功太郎を制す

UCIレースを除いた最高峰カテゴリーとなるC2には84名がエントリー。号砲と共に高山祐次郎(TEAM AGRI withAST)がダッシュを決めるも、得意のバニーホップでミスが出て後退。すぐにロードとTT、シクロクロスで全日本ジュニアタイトルを持つ日野泰静(松山城南高校)が先頭に立ち、C1顔負けのスピードで逃げ始めた。

第3レースのC2のスタート第3レースのC2のスタート photo:Makoto.AYANOC2でトップを独走する日野泰静(松山城南高校)C2でトップを独走する日野泰静(松山城南高校) photo:Makoto.AYANO

C2表彰式 優勝はロード&TT&シクロクロスジュニアチャンプの日野泰静(松山城南高校)C2表彰式 優勝はロード&TT&シクロクロスジュニアチャンプの日野泰静(松山城南高校) photo:Makoto.AYANO
しかし全日本選手権で日野の後塵を拝した村上功太郎(松山工業高校)が「周回ごとにだんだんと泥に慣れてきて、後半は良いラインを見つけることができました」と強烈に追走。積田連(Team CHAINRING)は2番手から徐々に失速し、小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が3位に浮上した。

村上は日野を射程圏内に捉えたが、日野もペースアップを試み先頭を守りきって2年連続の野辺山C2勝利。全日本タイトルの防衛とアジア選手権ロードレースを目標に据える日野は「限界ギリギリのペースを持続させる力がまだ少し足りていないので、そこは伸ばしていきたい」と冷静にコメントする。村上は「追いつかずに残念。明日はリベンジしたいですね」と明日への雪辱を誓った。

なおこのレースで、1〜4位と6位がジュニア選手のため昇格対象外となり、5位の日野竜嘉(ボンシャンス)と7位の高田彗(Champion System Japan Test Team)がC1昇格への切符を掴んでいる。

NOBEYAMA・泥マグカップは好評のノベルティグッズだNOBEYAMA・泥マグカップは好評のノベルティグッズだ photo:Makoto.AYANO会場では美味しいALL PRESSのコーヒーが楽しめる会場では美味しいALL PRESSのコーヒーが楽しめる photo:Makoto.AYANO

フライオーバーの背景は雪化粧した八ヶ岳連峰フライオーバーの背景は雪化粧した八ヶ岳連峰 photo:Makoto.AYANO
マスターズ:全日本王者、筧五郎(56cycle)が圧勝

年々レベルを上げているマスターズレースには、全日本王者の筧五郎(56cycle)が2年ぶりに参加。時間を経るごとに泥区間の水分が飛び、バイクにまとわりつく悪コンディションをものともせず、筧がただ一人圧倒的なペースを刻むこととなる。

コールに応える筧五郎(56cycle)コールに応える筧五郎(56cycle) photo:Kei.Tsuji/nobeyamacyclocross.ccホールショットを決めた小田島貴弘(マイヨシーナック)は2位ホールショットを決めた小田島貴弘(マイヨシーナック)は2位 photo:Kei.Tsuji/nobeyamacyclocross.cc

バニーホップでシケインを越える伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)バニーホップでシケインを越える伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan) photo:Kei.Tsuji/nobeyamacyclocross.cc独走勝利した筧五郎(56cycle)独走勝利した筧五郎(56cycle) photo:Kei.Tsuji/nobeyamacyclocross.cc


小田島貴弘(マイヨシーナック)がホールショットを獲ったものの、今季初レースで60番手スタートの筧が2周目の後半にパス。独走に持ち込んだ筧の背中を捉える選手は最後まで現れなかった。「初戦とあってまだシクロクロスの身体になっていませんが、全日本選手権まであと4レースあるので慣らしていきたい。目標はまず全日本連覇、その後にマスターズの世界王者になることです」と笑う筧。昨年出場したマスターズ世界選手権で得たものは大きかった、とも。

「今年からマスターズがJCF管轄になったので、よりモチベーションが高いんです。欧州のマスターズはものすごく格式が高く、ナショナル王者であればどんなレースでも最前列に並ばせてもらえます。僕がこのカテゴリーで走ることにブーイングもあるけれど、もっと多くの選手をC1から呼び込み、日本のマスターズレベルを上げていきたいですね」。

C3のトップを行く金子隆亮(SAUCE CX)C3のトップを行く金子隆亮(SAUCE CX) photo:Makoto.AYANOC4表彰 優勝は菊地悠介(東京VENTOS)C4表彰 優勝は菊地悠介(東京VENTOS) photo:Makoto.AYANO

女子シクロクロッサーによるCL(CL2+CL3)のスタート女子シクロクロッサーによるCL(CL2+CL3)のスタート photo:Makoto.AYANO名物フライオーバーを越える。勢いをつけた先には段差が待ち構える名物フライオーバーを越える。勢いをつけた先には段差が待ち構える photo:Makoto.AYANO


C3では金子隆亮(SAUCE CX)が田渕君幸(SNEL)と松本祐輝(TeamShiokazeCX)を引き離して勝利。霜凍る朝一番に行われたC4では菊地悠介(Tokyo Ventos)が、華やかなCLでは白崎美由紀(BALBAclub fukui)がそれぞれ勝利。熱唱するフレディ・マーキュリーやカールおじさんも走ったシングルスピードでは、マスターズとのダブルヘッダーで臨んだ筧五郎(56cycle)が、分かる人には分かる松本スイマーズのコスプレ(=海パン一丁)で圧勝。2位には昨年覇者の牧野崇(COGS)、3位には腰山雅大(ALL-CITY CYCLES/662CCC)ら普段C1で走るメンバーが入り、非常に見応えあるレースが展開された。

シングルスピードクラスの常連、つっつんサンタがお菓子を配りながら走るシングルスピードクラスの常連、つっつんサンタがお菓子を配りながら走る photo:Makoto.AYANOマスターズに続きシングルスピードも制した筧五郎(56Cycle)。テーマは「松本スイマーズ」マスターズに続きシングルスピードも制した筧五郎(56Cycle)。テーマは「松本スイマーズ」 photo:Makoto.AYANO

シングルスピード名物、仮装したライダー達によるレース後の記念撮影シングルスピード名物、仮装したライダー達によるレース後の記念撮影 photo:Makoto.AYANO
C2
1位 日野泰静(松山城南高校) 42’27”
2位 村上功太郎(松山工業高校) +14”
3位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +1’26”
4位 積田連(Team CHAINRING) +3’36”
5位 日野竜嘉(ボンシャンス) +3’51”
6位 橋本嶺登(POWER SPORTS SICK) 3’56”
CM
1位 筧五郎(56cycle) 29’14”
2位 小田島貴弘(マイヨシーナック) +1’02”
3位 塩見学(BBQ) +1’45”
4位 中村秀典(COGS)
5位 瀬戶幸正(Bagelone) +2’03”
6位 牧野元(TEAM ARI)
C3
1位 金子隆亮(SAUCE CX) 29’48”
2位 田渕君幸(SNEL) +09”
3位 松本祐輝(TeamShiokazeCX)
C4
1位 菊地悠介(Tokyo Ventos) 30’10”
2位 蛯子裕樹(Sim Works CX Racing) +29”
3位 横田祐(Blue lug)
CL
1位 白崎美由紀(BALBAclub fukui) 27’57”
2位 簑原由加利 +06”
3位 谷江史帆(BALBAclub fukui) +50”
SS
1位 筧五郎(56cycle)
2位 牧野崇(COGS)
3位 腰山雅大(ALL-CITY CYCLES/662CCC)
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji

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