與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)がオランダで開催中のUCIウィメンズワールドツアーレース「ブールス・レンタル・レディースツアー」で逃げを決め、敢闘賞を獲得。最高峰カテゴリーで初の表彰台を射止めた。



100kmにも渡る逃げを決めた與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)100kmにも渡る逃げを決めた與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) photo:CorVos
與那嶺が出場中のブールス・レンタル・レディースツアーは、今年から女子のワールドツアーに昇格した6日間のステージレース。女子トップチームをスポンサードする企業がメインスポンサーを務め、世界屈指のチームと選手たちが集っている。

アイベルゲンからライン川に沿った庭園都市アーネムに至る132.8kmで争われた第2ステージでは、全日本チャンピオンジャージを着用する與那嶺が序盤から積極的に動く。20km地点で集団から抜け出して独走態勢を築き、2分半以上のリードを稼ぎ出してバーチャルリーダーにもなった。丘陵区間に差し掛かった中盤過ぎに追走していた2名が合流したものの、後のKOM山岳で振り払って再び独走に。残り2kmを切ってからメイン集団に吸収されたものの、本人は世界選手権に向けて好感触を掴んだという。

途中には2名に追いつかれたものの、続くカテゴリー山岳で再び独走に途中には2名に追いつかれたものの、続くカテゴリー山岳で再び独走に
與那嶺は活躍が目立った7月末のラ・コルス・バイ・ル・ツール・ド・フランス後に休養を取り、心身のリラックスのために活動拠点をフランスの寮からオランダに移していた。そのためブールス・レンタル・レディースツアーは普段から練習で慣れ親しんだ場所での開催であり、第5、第6ステージは自宅のすぐ近くを通過するという。

翌日、敢闘賞スキンスーツを着用して走った距離16.9kmの個人タイムトライアルでは、優勝したアンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット) から2分59秒遅れのステージ64位でフィニッシュ。與那嶺は今回の敢闘賞獲得で周囲からの評価を上げていると言い、自身が目標に据えている、成績によるワールドツアーでの表彰台獲得にもまた一歩近づいた。以下は本人からのコメントを紹介する。

敢闘賞ジャージを受け取った與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)。ワールドツアーで初の表彰台に登った敢闘賞ジャージを受け取った與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)。ワールドツアーで初の表彰台に登った
僅差で総合総合首位をキープしているアンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット)僅差で総合総合首位をキープしているアンネミエク・ヴァンヴルーテン(オランダ、オリカ・スコット) 敢闘賞のスキンスーツを着用して翌日の個人タイムトライアルを走る與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)敢闘賞のスキンスーツを着用して翌日の個人タイムトライアルを走る與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)


「私が住んでいるオランダで行われるワールドツアー。そして、第5、第6ステージは自宅のすぐ近くでレースが行われます。

今日は武井コーチと決めて、積極的に攻める。チームオーダーもある程度自由にと言うこと。それを決めてレースに並びました。スタート直後からアタック合戦の後、スキを突いて20km地点付近からアタック。追走を誘発させたかったのですが、プロトンは様子見だったのでスルスルと独り旅。

昨年のドーハの世界選手権の時のように、単独の逃げは得意です。風も強く、うまくフォームを維持しながらタイムギャップを稼ぎました。次の展開に向け余力を残しながら。

追走の2名が80km過ぎに追いついてきたのですがうまくローテーションが回らなかったので、100km過ぎのKOM山岳ポイントでテンポで踏み、そこから独り旅。あとはタイム差を考えながらステージ優勝に向け、FDJチームを信じて進みました。

ラスト2kmを切った時点で吸収されましたが、レース後、多くのGood Job!を貰えて、「ああ、いい仕事ができたなぁ」と実感した次第です。結局千切れて80位くらいなのに、勝ったのか?っていうくらい讃えてくれるのは、これが自転車競技なんだと実感しました。

ワールドツアーで初めての表彰台。本当はステージ優勝が欲しかったのですが、敢闘賞もそれと同じぐらい、賞賛をいただけました。世界選手権に向け、身体にも刺激が入り、気持ちもいい形で乗り始めています。

残り4つのステージ。楽しく攻めて行きます。応援、よろしくお願いします!」

text:So.Isobe
photo:CorVos