ピナレロ DOGMA K10-S　電子制御サスペンション搭載の新型エンデュランスマシン

DOGMA F10をベースに、よりエンデュランスな性能を追加したピナレロのDOGMA K10。そのK10にリアサスペンションを設けた「K10-S」が登場。前作K8-Sより採用されたサスペンションユニットも今回アップデートされ、電子制御が可能な”eDSS2.0”へと進化を果たした。

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ピナレロ DOGMA K10-S（968/ホワイトオレンジ） (c)カワシマサイクルサプライ
ピナレロのエンデュランスロードカテゴリーにおいてハイエンドを担うDOGMA K10。今年のツール・ド・フランスを制したF10をベースに、より長い距離を快適に乗れるようジオメトリーを調整し、なおかつリアセクションのチューブ形状によって振動吸収性を高めた、レーシングエンデュランスバイクであるDOGMA K10に、より悪路の走破性を高めるべくリアサスペンションを追加したモデルが、今回登場した「DOGMA K10-S」だ。

ロードバイクの世界で初となる軽量サスペンションシステム「DSS 1.0（Dogma Suspension System）」を搭載した前作K8-Sだが、より高いトラクション性能と路面コンディションへの対応力を追求した結果、今作では「eDSS 2.0（Electronic Dogma Suspension System）」なるシステムへアップデートされることとなった。エレクトロニックの名の通り、電子制御が可能となった点が大きなポイントである。

電子制御が可能となった新作のサスペンションeDSS 2.0 (c)カワシマサイクルサプライDi2ジャンクションE-Linkとともにヒューマン・マシン・インタフェース（HMI）も配される (c)カワシマサイクルサプライ

路面の凹凸に応じてリアセクションが上下に動き、振動や衝撃を和らげるように働くDSS。石畳のような過酷な路面状況でも、快適な乗り心地や高いライドパフォーマンスを発揮できるよう開発されたシステムである。今回のeDSS 2.0では、サスペンションの状態をロック状態から完全作動状態へ瞬時に切り替えることができる電子制御油圧式システムが導入されている。

フレームに内装されるコントロールセンサーシステムがバイクの動的挙動を測定し、路面状況によって約0.4秒で自動的にロックおよびロック解除が行われる仕組みとなっている。悪路ではサスペンションが機能し、逆に平滑なアスファルト路面であればロックすることでパワー伝達効率を高めるという判断をオートマチックに行ってくれるのが、このeDSS 2.0の真骨頂。

ディスクブレーキが装備されつつも空力を高めるフォークフラップは健在 (c)カワシマサイクルサプライダウンチューブに内蔵されることでスマートなルックスを獲得 (c)カワシマサイクルサプライトップチューブよりサスユニット本体へケーブルがアクセス (c)カワシマサイクルサプライ

シートチューブ内部に組み込まれるシステムのセンターコントロールユニットは、ジャイロスコープと加速度計からデータを収集して路面状況を識別し、サスペンションの状態を変更する。また、ダウンチューブに内蔵されるシマノDi2ジャンクションの上部に配されたヒューマン・マシン・インタフェース（HMI）よりマニュアル制御とシステムチェックを行うことが可能だ。

このインターフェースにより、ライダーはシステムの電源を切ったり、LEDを介してシステムの状態を把握したり、手動モードと自動モードを切り替えたり、アクション閾値を変更したり、手動モードでロックとロック解除を切り替えたりと、各操作を行うことができるのだ。HMIはBluetoothおよびANT+通信機能も備えているため、スマートフォンのアプリやガーミンなどと連動させた操作も可能となっている。

ピナレロ DOGMA K10-S（699/ブラックレッド） (c)カワシマサイクルサプライ
サスペンションを搭載したことでシートステーの形状は変更が加えられているものの、基本的なフレームデザインはDOGMA K10そのままに引き継がれている。ヘッドチューブを伸ばすことでリラックスしたポジションを実現し、チェーンステーとフォーク長を伸ばし、ヘッドチューブアングルを倒すことで、ホイールベースを長くとって安定性を向上させている。

Kシリーズに特有の薄く扁平させたFlexStaysチェーンステーは、サスペンションとあわせて約10mmも垂直方向へのたわみを許容すると同時に、リアトライアングルの十分なねじれ剛性を確保するように設計されている。ボトルを装着した際のエアロ効果を高めるConcaveダウンチューブや、フォーク先端の整流効果を高めるフォークフラップなど、DOGMA F10に搭載されたエアロテクノロジーも継承している。

ピナレロ DOGMA K10-S（700/BOB） (c)カワシマサイクルサプライ
ディスクブレーキモデルで販売され、フラットマウントかつ前後スルーアクスルという仕様。最大28cまでに対応するタイヤクリアランスとなっている。カラーは968/ホワイトオレンジ、699/ブラックレッド、700/BOBの3色展開となり、DOGMA K10と同じくシートチューブにライン状のグラフィックが挿入される。カラーオーダーサービスのMY WAYカラーも利用可能だ。

販売はフレームセットで行われ、eDSSサスペンション仕様が920,000円（税抜）、DSSサスペンション仕様が750,000円（税抜）。フルカーボン専用シートポストと前後のスルーアクスルが付属する。取扱はカワシマサイクルサプライ。

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ピナレロ DOGMA K10-S
素材：東レ T1100 1K with Nanoalloy Technology
ヘッド：1”1/8-1”1/2
BB：イタリアン式スレッドタイプ
最大タイヤサイズ：700x28mm
サイズ：44、46.5、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5
カラー：968/ホワイトオレンジ、699/ブラックレッド、700/BOB
価格：920,000円（税抜、eDSSサスペンション仕様）
　　　750,000円（税抜、DSSサスペンション仕様）