フランスの老舗アイウェアブランド、ボレー。同社フラッグシップモデルの5th Element Proに、選手からのフィードバックを受けフレーム形状にアップデートを加えた最新モデルが「Aeromax」である。ロマン・バルデ(フランス)らアージェードゥーゼールの選手も使用するこのモデルをインプレッションした。



ボレー Aeromaxボレー Aeromax (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
今季はUCIワールドチームのアージェードゥーゼールやカチューシャ・アルペシンの選手らが使用しているボレーのアイウェア。来年で創業130年を迎える老舗ブランドとあって、プロレースのシーンにおいてもその信頼性は高い。今回インプレッションを行った、17年モデルの新作「Aeromax」も実際にプロ選手も使用する高い機能性を持った製品である。

ベースとなったのは昨年デビューした同社のハイエンドモデルである5th Element Pro。広い視野を確保した設計が大きな特長で、視界を広く覆う一枚レンズや視界の妨げとなるフレーム、ベンチレーションホールを最小限に留めたデザインを採用したモデルである。

ボレーのアイコン的なデザインのサイドシールドは引き続き採用ボレーのアイコン的なデザインのサイドシールドは引き続き採用 サイドシールドはレンズと繋がったデザインで空力性能にも考慮サイドシールドはレンズと繋がったデザインで空力性能にも考慮

Aeromaxは、これらのデザインを引き継ぎつつプロ選手からのフィードバックを受け、レンズ上部に新たにフレームを追加し、着用した際のホールド感をさらに高めたモデルとして登場している。ボレーのアイコンとも言えるサイドシールドは健在。サイドからの風の巻き込みは防止しつつ、レンズのエンド部にエアホールを設けることで前方からの空気の抜け道はしっかりと確保されている。

レンズには軽さ、耐久性、プロテクション性能に秀でる次世代素材の「トライベックス(Trivex)」を採用。顔の形に沿ったレンズ形状で、あらゆる角度から良好な視野を実現するb-MAX(全方位視野補正)テクノロジーが採用されている。また天候に合わせてフレキシブルにレンズを選択できるよう、レンズ交換もし易い設計だ。

こちらはブラック/レッドとホワイト/ミントのカラー。全5色展開だこちらはブラック/レッドとホワイト/ミントのカラー。全5色展開だ 前方からのエア抜けを考慮したホールがそれぞれサイドに配する前方からのエア抜けを考慮したホールがそれぞれサイドに配する
ノーズパッドは鼻の幅に合わせて調整が可能ノーズパッドは鼻の幅に合わせて調整が可能 アジャスタブルなテンプル部にはb-SHAPEと呼ばれるクッション機構が設けられるアジャスタブルなテンプル部にはb-SHAPEと呼ばれるクッション機構が設けられる

肌と触れるテンプル部とノーズパッド部には汗による滑りを無くす特殊ラバー素材を採用。グリップ性を高めライド時のズレ等を防いでくれる。加えて、手で曲げたり角度を変えたりが可能なアジャスタブルな仕様となっているため、顔の形や好みに合わせて最適なフィット感に調整することもできる。

また、テンプル部にはb-SHAPEと呼ばれるクッション機構が設けられ、装着時に圧迫感なく高いホールド感を生み出すシステムも投入されている。カラーは全5色ラインアップで、レンズの仕様(単色、ミラー加工、調光)によって25,000、26,000、27,500円(税抜)の3種類で展開される。それではインプレッションへ移ろう。



ー インプレッション

「多くのライダーにフィットする調整の幅広さが魅力」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)

「多くのライダーにフィットする調整の幅広さが魅力」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)「多くのライダーにフィットする調整の幅広さが魅力」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
フランスのブランドとあってヨーロッパスタイルの形状をしていて、最初手に取ったときには日本人に合うのかなと心配したのですが、ノーズパッドとテンプルの調整がかなり効くのでどんな人にもマッチするアイウェアとなるのではないでしょうか。ノーズパッドが低くてレンズが頬に当たってしまう問題も、調整次第でラクラク解決できますね。

レンズの性能としては、ブランドが謳う通り歪みの少なさは感じますね。どんなポジションを取ってみてもクリアな視界が確保できます。個人的にミラーがかかりすぎる見え方のレンズは好みでないのですが、これはそういったこともなくかつ暗所も見やすいと感じました。レンズは一眼タイプで視界は広く見えますし、フレーム等も視野に入るような煩わしさもありませんね。走行中レンズが曇るといったこともありませんでした。

「当時を思い出させるクラシカルなデザインも好印象」「当時を思い出させるクラシカルなデザインも好印象」 テンプルに設けられたクッション機構は肌への当たりを優しくしてくれるため、締めつけ感も少なくかといってずれ落ちることもなくかけ心地は快適です。レンズ上部のフレームも、内側がゴム素材になっていて滑り止めとして機能するでしょう。テンプルも長すぎない設計なので、かけた際にヘルメットと干渉することもありません。自転車のことを考えて作られているなと感じる部分です。

全体的なデザインはややクラシカルなもので、僕らの世代ですとボレーを使用していた往年の名選手ジャンニ・ブーニョを思い出しますね。最近は各社からクラシックなデザインを取り入れたアイウェアがリリースされることが多く、逆に新しさを感じるところでしょう。もちろん当時を知るサイクリストにとっては親近感のわくルックスになると思います。

レンズ性能やフィッティング等細部までこだわった機能が多く、総合的に非常に満足できる製品になりますね。特にノーズパッドとテンプルの調整は幅広く行えるので、フィット感を求めるライダーにはおすすめです。レンズがやや大ぶりなので、もし試着できる機会があればヘルメットと合わせてかけてみて、当たるところはないかなどを確認して欲しいと思います。

ボレー Aeromaxボレー Aeromax
ボレー Aeromax
カラー:ブラック、ブラック/レッド、ホワイト/オレンジ、ホワイト/ブルー、ホワイト/ミント
価 格:
単色レンズモデル 25,000円(税抜)
ミラー加工レンズモデル 26,000円(税抜)
調光レンズモデル 27,500円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ) 鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)

スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの店長兼代表取締役を務める。大手自転車ショップで修行を積んだ後、独立し現在の店舗を構える。週末はショップのお客さんとのライドやトライアスロンに力を入れている。「買ってもらった方に自転車を長く続けてもらう」ことをモットーに、ポジションやフィッティングを追求すると同時に、ツーリングなどのイベントを開催することで走る場を提供し、ユーザーに満足してもらうことを第一に考える。

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text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO

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