「今までは総合成績のために走ってきたけど、何も面白みの無いステディな走り方は本来の僕じゃない。今年はジロとツールでステージを狙いにきた」とは、大逃げを成功させたピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)。他、共に逃げたメンバーの言葉で第17ステージをプレイバック。



ステージ優勝を飾ったピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)

ステージ初優勝を飾ったピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)ステージ初優勝を飾ったピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)
この瞬間をずっと待っていた。この勝利に至るまで、数え切れないほど何度も何度もアタック。今日は序盤から逃げに乗り、(モホリッチとブラットを先に行かせて)後続を待つ判断は正しかった。たった3人だけが逃げたいわけじゃないだろう?と考え、最初、そして次の山岳をイージーペースでこなして後続を待ったんだ。

こんな日の最後は誰だって疲れきって死んだ状態さ。誰もが疲れ切っていて、そんな状態から攻撃を仕掛けるなんて普通だったらおかしな話だ。最後は勇気が勝敗を分けたと思う。正しいタイミングで勇気を持ってアタックしたんだ。今日は幾つか動きが生まれ、「今だ」と思った。10m、20m、30mと間隔が開いていき、「プッシュ!プッシュ!」と自分に言い聞かせながら攻めていった。10秒、15秒、20秒、25秒。確実にリードが生まれて「これはいけるかもしれない」と震えたよ。チームカーに乗るチャーリー(ウェゲリュース監督)とは無線を通して繋がれているような気分だった。逃げ続ける上で大きな助けになったんだ。

チームスタッフと抱き合うピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)チームスタッフと抱き合うピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) バイクを持ち上げるピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)バイクを持ち上げるピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)

勢いよくスプマンテを開けるピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)勢いよくスプマンテを開けるピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)
僕は冬の間にコロラドに行って、ヴォーターズGMと僕のコーチとのミーティングを持った。今まではずっとグランツールの総合成績を狙っていたけれど、何も面白みの無いステディに走るやり方は本当の僕じゃない。本来僕はアタッカーで、話し合いの中で、それならジロとツールのステージ優勝を狙っていこうと決めた。今こうして勝てたことは、自分にとってもの凄く大きな意味がある。

ステルヴィオが登場した昨日は興奮しすぎて朝5時に目覚めてしまった。偉大なロードレースの歴史が大好きで、そこに関わっていたいからこそ僕はロードレーサーなんだ。今年でジロは100回。残念なことに昨日はバッドデイだったけれど、今日は違った。

ステージ2位、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)

ステージ優勝を逃したのが2回目。好調だっただけに残念でならない。今日は逃げグループの中に僕、モホリッチ、ポランツェ、そしてコンティと4名が入るなどチームとしても積極的に動くことができた、最終的にアタック合戦に生き残ることはできなかったけれど、結果的には満足しているよ。

ステージ3位、ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター)

逃げグループを牽引するピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)逃げグループを牽引するピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 今日はステージ優勝ではなく、集団前方に構えて重要な動きに対処することが自分の仕事だった。自分にチャンスが回ってきたのでもちろん勝ちたかったけれど、3,4人、多いところで5人を乗せている他チームに対してモビスター2人ではあまりにも部が悪かった。それから逃げメンバーからモビスターが警戒されているような気もした。

ロリー(サザーランド)と僕は終盤のアタック合戦によく対処できていたものの、全ての動きに反応なんてできない。ずっとコスタをマークしていたものの、キンタナの総合順位を考えればポランツェなど総合上位につけているメンバーからも目が離せなかった。明日はジロの最終成績を左右し得るタフステージ。どんな状況であろうと自分のコンディションは良いので、キンタナを徹底的にサポートしていきたい。

序盤から逃げたマテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

スタートから逃げ、後から追いつくであろうポランツェの総合順位と、コスタのステージ優勝をサポートするべく待機していた。残念ながらロランにやられてしまったが、チームは強く、僕のやる気も十二分だ。またアタックを仕掛けていく。

マリアローザをキープしているトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

マリアローザを守ったトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)マリアローザを守ったトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
自分の体調不良がオランダでニュースになっているようだが、あまり気にしないように努めてきた。今日もお腹が痛くなるんじゃないかと若干不安は残っていたけれど、結果的に何も問題がなくて良かった。総合系の選手数名がポジションアップを成功させたことは、少し自分にとって驚きだ。ゴールまで距離が長いのに勇敢な攻めだったと思う。明日はスタート直後から積極的にアタックが掛かる可能性が高い。僕はマリアローザが茂みに屈み込んだ歴史を作りに来たんじゃない。トム・デュムランがミラノまでマリアローザを守ったという歴史を残したいんだ。

ステージ優勝に向けてアタックするヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)ステージ優勝に向けてアタックするヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) 総合順位を13位から10位に上げたヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

現時点で脚の調子が最高だ。総合上位陣の誰もが安全にステージを乗り切ろうとしていたので、そこにチャンスを見出して逃げに乗った。もちろんもの凄くタフだったが、逃げている最中はずっとチームメイトがサポートしてくれたので力になった。

総合順いを15位から12位に上げたマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)

モホリッチやロランを見送った後はイージーペースが続いていたけれど、バーレーン・メリダがデュムランを試すためにペースアップを行い、多くの選手が苦しめられた。2つめの山岳では逃げるチャンスを感じ、逃げにとってベストなコースだったこともあってトライしてみた。僕とポランツェが逃げているのにあんな大きなリードを与えてもらえるとは思わなかったよ。

結果的にはロランに逃げ切られてしまったが、総合成績を3つジャンプアップできたのでハッピーさ。総合争いが激しくなる3週目にこんな結果になるとは少し驚いている。目標としていた総合トップ15に入ることができたし、トップ10まではあと45秒と手の届きそうな場所に近づいた。

text:So.Isobe

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