台湾のリムメーカー、アレックスリムから堅実な作りが売りのカーボンディープリムクリンチャーホイール「ALX845C」をピックアップ。45mmハイトで空力性能を確保しつつ15万円台のプライスと、性能と価格のバランスの取れた仕上がりとなっている。



アレックスリム ALX845Cアレックスリム ALX845C (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
1991年に創業したアレックスリムは、有名サイクルブランドの完成車に付属するホイールのOEM生産などを手掛けるブランド。その名の通りリムメーカーとしての印象が強い同社だが、今までも完組みホイールはA-CLASSというブランド名で知られてきた。

それがこのたびアレックスリムというブランド名に統合。OEM生産で蓄えた豊富な経験と優れた技術力を糧に完組みホイールブランドとして高品質なプロダクツをラインアップしている。そんな同社より今回インプレッションを行ったのはカーボンクリンチャーホイール「ALX845C」。リムからハブまでオール自社設計され、空力性と軽量性を両立するホイールに仕上がっている。

アレックスリムのロゴがシンプルに佇むアレックスリムのロゴがシンプルに佇む リムサイド、ブレーキ面に凹凸のないフラットなリム形状リムサイド、ブレーキ面に凹凸のないフラットなリム形状
シールドベアリングを採用し、スポークはストレートプル仕様シールドベアリングを採用し、スポークはストレートプル仕様 リアハブはドライブ側のフランジを大きくしたハイローフランジリアハブはドライブ側のフランジを大きくしたハイローフランジ

リムは完全自社製造のカーボンクリンチャータイプ。今までアルミの加工技術に一日の長があった同社だが、新たにカーボンリムの製造にも手を広げている。外注によらないため、品質をコントロールできクオリティを追求出来るという。

リムハイトは空力性能と重量のバランスが良い45mm。リム幅はワイドタイヤに十分対応できるよう外幅25mmのワイドリムで、横風にも強いラウンド形状を採用。ブレーキ面を含めオールブラックなルックスで、非常にボリューミーなシルエットとなっている。

スポークにはPillar社製の極薄0.95mmエアロスポークを使用し、ニップルもリム内に格納されるインターナル仕様。これをフロントはラジアル組みで、リアは2:1スポークデザインを採用し、バランスの良い剛性感を目指した。

ニップルはリム内に内蔵されるインターナル仕様だニップルはリム内に内蔵されるインターナル仕様だ クイックリリースレバー、カーボンリム用ブレーキシュー、延長バルブが付属クイックリリースレバー、カーボンリム用ブレーキシュー、延長バルブが付属

ハブは同社得意の7075アルミ合金を使用した超軽量アルミボディ。高精度シールドベアリングをフロントに2個、リアに4個搭載し滑らかな回転を実現している。リアハブはドライブ側のフランジを高くするハイローフランジとし、左右の剛性バランスの最適化を図っている。

フリーボディはシマノ/スラムの8/9/10/11速対応で、重量は前後セット1560g。クイックリリースレバー、カーボンリム用ブレーキシュー、延長バルブ、リムテープが付属する。早速、インプレッションに移ろう。



ーインプレッション

「30km/h以上の速度域で気持ち良く進めるようなエアロ効果を感じることができる」吉田幸司(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所)

「30km/h以上の速度域で気持ち良く進めるようなエアロ効果を感じることができる」吉田幸司(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所)「30km/h以上の速度域で気持ち良く進めるようなエアロ効果を感じることができる」吉田幸司(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所)
45mmハイトのカーボンディープリムホイールということで、30km/h以上の速度域では気持ち良く進めるようなエアロ効果を感じることができます。リムハイトが高すぎず低すぎずの扱いやすいホイールで、横風にもそこまで煽られることなく高速巡航が出来ますね。

対して超軽量のホイールと比べれば少し重量がありますので、登りや初速の軽快感は薄めに感じます。ですので、平坦路を一定のペースを保ちながら巡航で走るような使い方が一番合っているのではないでしょうか。サーキットエンデューロやロングライドなど、淡々と走るようなシュチュエ―ションには良いですね。

今回テストを行った24cタイヤともマッチするワイド幅なリム形状今回テストを行った24cタイヤともマッチするワイド幅なリム形状 またブレーキのかかりは非常に良いと感じました。少なくともドライの状態ではアルミホイールと比べても、全くと言っていいほど違和感の無いブレーキフィーリングで安心感は非常に高いですし、これなら雨天時の制動性にも期待が持てます。

リムは最近のトレンドを考慮したワイドリムということですが、これ以上太くなってしまえばフレームを選んでしまいますし、ワイド化のメリットを活かしつつ、汎用性を高める丁度良いボリュームだと思います。

価格は15万円台ということで妥当なところ。もっと値段の安いカーボンホイールもあるかもしれませんが、アレックスリムという信頼におけるメーカーが作っているという部分で、品質にも信頼が置ける点は強みだと思いますね。

「アルミホイールと比べても全くと言っていいほど違和感の無いブレーキフィーリングで安心感は非常に高い」「アルミホイールと比べても全くと言っていいほど違和感の無いブレーキフィーリングで安心感は非常に高い」
アレックスリム ALX845C
リム:カーボンクリンチャー、45mmハイト、25mm幅
スポーク:ステンレスエアロスポーク
ハブ:7075アルミ合金
対応カセット:シマノ/スラム 8/9/10/11S
カタログ重量:前後1560g
付属品:クイックリリースレバー、カーボンリム用ブレーキシュー、延長バルブ、リムテープ
価格:155,520円(税込)



インプレッションライダーのプロフィール

吉田幸司(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所)吉田幸司(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所) 吉田幸司(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所)

名古屋に店舗を構えるワタキ商工株式会社 ニコー製作所の4代目店長を務める。一般企業に勤めてから入社した経験を活かし常に"外側からの視点"に注意を払い、初心者さんが気軽に入店しやすい雰囲気づくりを心がけている。週末にはロードやシクロクロス、トライアスロンなど多岐にわたってイベントを開催し、お客さん同士が仲良くなれるような場を提供している。ショップでは「当たり前のことを当たり前にやる」ことをモットーに作業を行い、お客さんが乗りやすいバイクを提供している。

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