パリ〜ルーベの熱狂から3日を空け、今週末から始まるアルデンヌクラシックの前哨戦ブラバンツ・ペイルが開催。逃げ集団のスプリントを制したソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がアムステルに向けて勝ち名乗りを上げた。



歴史深いルーヴェンの街をスタートしていく歴史深いルーヴェンの街をスタートしていく photo:CorVos


パリ〜ルーベをスキップしたフランドル覇者のフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)パリ〜ルーベをスキップしたフランドル覇者のフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos逃げのペースを上げるソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)逃げのペースを上げるソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:CorVosメイン集団を率いるキャノンデール・ドラパックメイン集団を率いるキャノンデール・ドラパック photo:CorVosベアトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)のアタックにペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)が食らいつくベアトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)のアタックにペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)が食らいつく photo:CorVos逃げ集団のスプリントを制した ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)逃げ集団のスプリントを制した ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:CorVosブラバンツペイル2017表彰台ブラバンツペイル2017表彰台 photo:CorVos今年で開催57回目を迎えたブラバンツ・ペイルはベルギーのフランドル地方を駆けるセミクラシックレース。フランス語では「ラ・フレーシュ・ブラバンソンヌ(ブラバントの矢)」と呼ばれる。

同一主催者のフランドルクラシックシリーズ(オンループ、ドワーズドア、ヘント、ロンド、シュヘルデ、ブラバンツ)の最終戦にあたるが、起伏に富んだコースはアルデンヌ・クラシック寄り。そのため、週末から始まるアルデンヌ3連戦(アムステル、フレーシュ、リエージュ)の前哨戦として毎年軽量なクラシックレーサーが集まる。

レースの舞台となるのは、ベルギーの首都ブリュッセル南東に広がる丘陵地帯。地理的にはロンドに代表されるフランドルクラシックの開催場所よりも東だ。そのため丘陵は比較的緩やかとなり、激坂と呼ぶような急勾配の登りは登場しないのが特徴。

ルーヴェンからオーベレルエイセに至る197kmコースには、合計26カ所の短い登りが設定されている。フィニッシュ手前には5つの坂「ハーガールト(平均勾配10%)」「ヘルトストラート(平均勾配4%)」「ホルストハイデ(平均勾配5%)」「エイケルダーラーン(平均勾配7%)」「シャヴェイ(平均勾配6%)」が詰め込まれた23kmの周回コースが用意されており、選手たちはここを3周する。「シャヴェイ」の登坂で締めくくられる1日の獲得標高差は約2200mだ。

序盤に形成されたジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)やイギリス王者アダム・ブライス(アクアブルースポート)らの逃げは周回コース突入と共に吸収され、ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)の抜け出しをきっかけに激しいカウンターアタックが掛かり始めた。

すると14〜5名の選手が抜け出し、メンバーを送り損ねたディレクトエネルジーやキャノンデール・ドラパックが追走するメイン集団に対して30秒程度のリードを稼ぎ出す。残り30kmを切った「エイケルダーラーン」では逃げグループの絞り込みが行われ、10名にまで絞られた。

この時点で残ったメンバーは、クイックステップフロアーズが2名(デプルス、デヴェナインス)、バーレーン・メリダが2人(コロブレッリ、ボーレ)、シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、オリカ・スコット)ら。

集団有利と見られていたものの、アップダウンコースで思うようにペースが上がらず、逃げ切りに微妙な可能性を残しながらレースは進む。逃げグループのローテーションが回らずコロブレッリが苛立ちを露わにすると、チームメイトのボーレが献身的なアシストに回る場面も。

力を使い果たしたボーレが残り5kmで遅れ、後方からは牽引役を失った先頭グループを目がけて前回覇者ペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)が発進。最後の登坂「シャヴェイ」で合流に成功すると、エースの到着を待ったクイックステップフロアーズの牽引でゴールへとなだれ込んでいった。

ヴァコッチを連れたデヴェナインスはスプリント力のあるコロブレッリのラインを塞ぎながら進んだものの、勝負が始まるとコロブレッリの加速力が頭一つ抜けていた。追いすがるヴァコッチとブノートらを引き離して、イタリアンスプリンターの大きなガッツポーズが決まった。

自ら逃げグループを作り、登坂で率い、そしてスプリント勝利と完全にレースを作ったコロブレッリ。「集団に捕まりたくない一心でレース中はナーバスだったし、最後はヴァコッチが壁際に寄せてきたけれど、最後はスペースを見つけてスプリントした。去年は惜しいところで勝てなかったのでリベンジ達成。日曜日のアムステルゴールドレースでも勝ちを狙っていきたい」と語った。



ブラバンツペイル2017結果
1位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)     4’44’22”
2位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップフロアーズ)
3位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
4位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 ベアトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、オリカ・スコット)
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
8位 シルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)
9位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)     +06”
10位 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)

text:So.Isobe
photo:CorVos

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