與那嶺恵理が出場したロンド・ファン・ドレンテで、終盤の逃げに乗った世界王者がスプリント勝利。男子レースでは序盤からエスケープしたコンチネンタルチームの選手が逃げ切り、そのままマッチスプリントを制す大番狂わせが起きた。



荒れた石畳区間を走るメイン集団荒れた石畳区間を走るメイン集団 photo:CorVos


與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ) photo:Andre.Miltenburgストラーデ・ビアンケに続くUCIウィメンズワールドツアー第2戦は、オランダは北東部のドレンテ州に位置する都市ホーヘフェーンを舞台にしたロンド・ファン・ドレンテ。7の石畳や急坂、無数のコーナーが含まれる150kmオーバーのワンデーレースだ。

レースは中盤になってから動いた。最長の第6石畳セクターからふるい落としが開始され、半分程度まで減ったメイン集団ではアタック合戦が勃発する。丘陵区間でも息継ぎすることなくハイペースが続き、ジョーリン・ドール(ベルギー、ウィグル・ハイファイブ)を含む6名が飛び出す形に。

しかしこの6名は逃げ切る意思が無く吸収され、細かいアタックと吸収の末、ストラーデ・ビアンケで勝利したエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)、世界王者のアマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)、イタリア王者のエレーナ・チェッキーニ(キャニオン・スラム)、ルシンダ・ブランド(オランダ、チームサンウェブ)という超強力な4名が先行した。

4名はマリアンヌ・フォス(オランダ、WM3エネルジー)らが率いる7名の後続グループから10秒弱のリードを得てゴールに向かって逃げを続行。視界に捉える距離で追う後続だったが追いきれず、4名が逃げ切り。世界選手権を制すスプリント力を見せつけた20歳のディデリクセンが勝利した。



4名のスプリントを制したアマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)4名のスプリントを制したアマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム) photo:CorVos表彰台 アマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)が中央に上がる表彰台 アマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)が中央に上がる photo:CorVos




全力で逃げるヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング)とトワン・カストランツ(オランダ、ロットNLユンボ)とヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング)全力で逃げるヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング)とトワン・カストランツ(オランダ、ロットNLユンボ)とヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング) photo:CorVosトワン・カストランツ(オランダ、ロットNLユンボ)を下したヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング)トワン・カストランツ(オランダ、ロットNLユンボ)を下したヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング) photo:CorVosメイン集団はジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・ソウダル)が先着メイン集団はジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・ソウダル)が先着 photo:CorVos與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)は途中のペースアップに耐えることができず途中リタイア。「初めて出場したオランダのワールドツアーレース。当初は出場予定ではなかったのですが、直前に出場することになりました。 150km。道幅が非常に狭く、ほぼ平坦なコースでした。そして、3回上るKOMポイントもしっかりあります。結果は、中盤の石畳過ぎに作られた約40名のメインプロトンに残れず、そこから前を追うも力尽きて、ゴール前の周回コースでDNFとなってしまいました。 ただ、実際に走ってみないとわからないので石畳では前方20名の集団に位置し突入できたことは自分にとっては大きな成長です。今日もオランダで140kmのレース。張り切って挑戦します!」とコメントしている。

また、200kmオーバーで争われた男子レース(UCI1.1)には2つのUCIワールドチーム(ロット・ソウダルとロットNLユンボ)を筆頭に21チームが参加。序盤のアタック合戦からトワン・カストランツ(オランダ、ロットNLユンボ)、ヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング)、ユリウス・ヴァンデンベルグ(オランダ、SEGレーシングアカデミー)が逃げた。

オランダの若手3人組は快調にペースを上げ、およそ7分のリードを獲得。メイン集団は追撃のタイミングが遅れ、後半になってようやくルームポット・ネダランセロテリやワンティ・グループグベルトら追撃を開始するも、ローテーションが上手く回らない。トップギアに入れ替えた3名は全力で逃げを続行し、逃げ切りの可能性を残したまま最終盤へと突入した。

先頭からはヴァンデンベルグが脱落したものの、残る2名はペースを緩めない。結局集団の追撃は11秒届かず、マッチスプリントを制したヴァンシップが優勝。序盤から逃げたコンチネンタルチーム所属選手の優勝という大番狂わせが起こった。

「まさか自分が勝つだなんて思いもしなかった。逃げたメンバーが友人同士だったことも協力して逃げ切れた要因の一つだ。将来はロンド・ファン・フラーンデレンで勝ちたい」と22歳のヴァンシップは語った。



ロンド・ファン・ドレンテ ウィメンズ2017結果
1位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)3h51’17”
2位 エレーナ・チェッキーニ(イタリア、キャニオン・スラム)
3位 ルシンダ・ブランド(オランダ、チームサンウェブ)
4位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)          +02”
5位 アンネミエク・ヴァンフルーテン(オランダ、オリカ・スコット)           +07”
6位 ジョーリン・ドール(ベルギー、ウィグル・ハイファイブ)              +09”
7位 マリアンヌ・フォス(オランダ、WM3エネルジー)
8位 アリス・バーンズ(イギリス、ドロップス)
9位 シャンタル・ブラーク(オランダ、ブールス・ドルマンス・サイクリングチーム)
10位 クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ)
DNF 與那嶺恵理(エフデジヌーヴェル・アキテーヌフチュロスコープ)

ロンド・ファン・ドレンテ(男子)2017結果
1位 ヤンウィレム・ヴァンシップ(オランダ、デルタサイクリング)     4h48’55”
2位 トワン・カストランツ(オランダ、ロットNLユンボ)
3位 ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・ソウダル)          +11”
4位 アダム・ブライス(イギリス、アクアブルースポート)
5位 エルマー・レインダース(オランダ、ルームポット・ネダランセロテリ)
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
7位 クリス・オピー(イギリス、バイクチャンネル・キャニオン)
8位 トワン・ブリュッセルマン(オランダ、デスティル・ヨピールス)
9位 マキシム・ファラジン(ベルギー、スポート・フラーンデレン)
10位 フランティセク・シズール(チェコ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)

text:So.Isobe
photo:CorVos

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