ロケットに例えられる弾丸スプリントでカレイブ・ユアン(オリカ・スコット)が無敵の4勝目。ダウンアンダーはユアンとリッチー・ポート(BMCレーシング)の活躍で幕を閉じた。



アデレードのメインストレートを駆け抜けるアデレードのメインストレートを駆け抜ける photo:Kei Tsuji
人気を博したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)のお面人気を博したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)のお面 photo:Kei Tsuji山岳賞を狙って逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)ら山岳賞を狙って逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)ら photo:Kei Tsuji


リーダージャージを着て凱旋するリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)リーダージャージを着て凱旋するリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji興行クリテリウムを含めると8日間の日程で開催されたサントス・ツアー・ダウンアンダーを締めくくるのは、大会の拠点であるアデレードの市街地を舞台にした周回レース。街のメインストレートであるキングウィリアムズ通りを大々的に規制して作られた4.5kmコースを20周する。

集団の位置取りが始まるまで集団後方に控える新城幸也(バーレーン・メリダ)集団の位置取りが始まるまで集団後方に控える新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji1周につき30mほどの標高差があるが、スピードが弱まるポイントがないハイスピードコース。前日のウィランガヒルで総合争いは実質的に決着したものの、総合表彰台や総合トップ10争い、山岳賞争いはまだまだ接戦のため、様々な思惑が混じり合うアタック合戦が序盤から展開された。

楽しげに最終ステージを走るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)楽しげに最終ステージを走るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji山岳賞ジャージを着ている(実際はポートに次いで山岳賞2位)トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)がスタート直後から仕掛けたが、スプリントポイントでのボーナスタイム獲得を目論むチームがチェックに入るためなかなか逃げが容認されない。

ボーラ・ハンスグローエによる集団牽引で逃げは封じ込まられ、集団は一つのまま8周目のスプリントポイントに突入する。するとペテル・サガン(スロバキア)のリードアウトを受けた総合4位のジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が、ユアンを破ってスプリントポイントを先頭通過した。

ボーナスタイム3秒を獲得したマッカーシーは、総合3位ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)と同タイムで並ぶことに成功。ステージ着順の合計によりマッカーシーが総合3位に浮上した。

デヘントは10周目の小高い丘に設定されたKOMを先頭通過し、山岳賞トップの座をポートから奪うことに成功する。すると、続く12周目のスプリントポイントに向かって白いヤングライダージャージを着る総合11位ホナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)がアタック。スプリンターとして知られるレストレポは見事スプリントポイントでボーナスタイム3秒を加算し、狙い通り総合トップ10入りを果たした。



メインストレートを駆け抜け、ヴィクトリアスクエアでUターンメインストレートを駆け抜け、ヴィクトリアスクエアでUターン photo:Kei Tsuji
再び逃げに乗るジャック・バウアー(ニュージーランド、クイックステップフロアーズ)再び逃げに乗るジャック・バウアー(ニュージーランド、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji最終ステージを走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)最終ステージを走るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji

オリカ・スコットやBMCレーシングを先頭に進むメイン集団オリカ・スコットやBMCレーシングを先頭に進むメイン集団 photo:Kei Tsuji


集団を牽引するダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・スコット)集団を牽引するダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsujiこの日もメイン集団に勝負を挑んだのはジャック・バウアー(ニュージーランド、クイックステップフロアーズ)だった。6名で先頭グループを形成したバウアーが3日連続のエスケープ。結果的に最終周回を前に吸収されることになるが、逃げメンバー脱落後も独走で逃げ続けたバウアーには3日連続で敢闘賞が贈られている。

逃げ続けるジャック・バウアー(ニュージーランド、クイックステップフロアーズ)逃げ続けるジャック・バウアー(ニュージーランド、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsujiオリカ・スコットやチームスカイが主導権を争いながら最終周回を駆け抜け、最終ストレートに入るとリュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が最後のリードアウト。その後ろからレッドジャージを着たユアンと、世界チャンピオンジャージのサガンが同時にスプリントを開始した。

低い体勢でもがき続けるカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)低い体勢でもがき続けるカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsujiユアンと同等の加速力を見せたサガンだったが、スプリントが進むうちに両者の差は広がっていく。ライバルたちよりも高ケイデンスで、誰よりも低い体勢でもがき続けたユアンが差をつけてフィニッシュした。

何度もガッツポーズするカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)何度もガッツポーズするカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsuji平均スピード46.767km/hの高速レースを制したユアンは「信じられない。とにかく信じられない。開幕前にガールフレンドと話していた『4勝したい』なんて冗談が現実になった。出場しているスプリンターの面子を考えると、決して簡単な勝負ではなかったし、世界に愛されているサガンという素晴らしい選手を相手に勝利したことを誇りに思う」と語る。

ステージ4勝目を飾ったカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)ステージ4勝目を飾ったカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsujiスプリント4戦4勝で、クリテリウムを含めると5戦5勝。ユアンとポートしかステージ優勝を飾っていないという、ハイシーズンのオーストラリア勢の好調さが如実に現れる大会となった。

ステージ優勝には届かなかったが、チームメイトのマッカーシーの総合ジャンプアップをおぜん立てしたサガンは「今日はジェイ(マッカーシー)の総合表彰台が最大の目標だった。1週間しっかりと走りこんだことで調子は上がっており、とても満足している」とコメント。昨年12月からの1ヶ月近いアデレード滞在にピリオドを打っている。

48秒という大会史上最も大きなタイム差で初総合優勝に輝いたポートは「過去2年間いつも惜しいところで総合優勝を逃していたので、この勝利は夢のようだ。1週間ずっと自分のために走ってくれたチームメイトたちにこの勝利を捧げたい」と、BMCレーシングのメンバーに感謝する。

「リオ五輪で落車して負傷したので例年よりも早めにシーズンを切り上げたんだ。その影響で良い休養をとることができたので、心も身体もフレッシュな状態でこの大会に備えることができたと思う」と、例年よりも高いモチベーションでダウンアンダーに挑んでいたことを明らかに。ポートは好調をキープしたまま翌週のカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレース(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。

ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア)のリードアウトを担った新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ16位でフィニッシュ。バーレーン・メリダでの初戦を終えた新城は「チームのオーガナイズも完璧だったし、良いスタッフばかりでしっかりサポートしてくれた 。これからのシーズンに対して楽しみしかない」と語っている。



リッチー・ポートを祝福するローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)リッチー・ポートを祝福するローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji総合優勝を飾ったリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)らがステージに上がる総合優勝を飾ったリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)らがステージに上がる photo:Kei Tsuji

初総合優勝に輝いたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)初総合優勝に輝いたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji



サントス・ツアー・ダウンアンダー2017第6ステージ結果
1位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)    1h55’28”
2位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 マルコ・クンプ(スロベニア、UAEアブダビ)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
5位 ショーン・ドゥビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
6位 ロレンゾ・マンザン(フランス、エフデジ)
7位 クーン・デコルト(オランダ、トレック・セガフレード)
8位 ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、モビスター)
9位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
10位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
16位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)

個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)     19h55’49”
2位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)      +48”
3位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) +51”
4位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
5位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ)          +59”
6位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)      +1’02”
7位 ラファエル・バルス(スペイン、ロット・ソウダル)
8位 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
9位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
10位 ホナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン) +1’06”

ポイント賞
1位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)     63pts
2位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)       51pts
3位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)   46pts

山岳賞
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)       35pts
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)      32pts
3位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)     22pts

ヤングライダー賞
1位 ホナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)19h56’53”
2位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)  +14”
3位 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、トレック・セガフレード)    +21”

チーム総合成績
1位 UniSAオーストラリア                    59h51”47”
2位 モビスター                          +1’19”
3位 トレック・セガフレード                    +1’20”

敢闘賞
ジャック・バウアー(ニュージーランド、クイックステップフロアーズ)

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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