ツール・ド・フランスを走った全22チームのロードバイク&TTマシンを、3チームごとに7回にわけて紹介。第5弾ではFDJのラピエール、ジャイアント・アルペシンのジャイアント、ディレクトエネルジーのBHをピックアップします。



FDJ【ラピエール XELIUS SL、AEROSTORM DRS(TTバイク)】

ティボー・ピノ(フランス、FDJ)のラピエール XELIUS SLティボー・ピノ(フランス、FDJ)のラピエール XELIUS SL photo:Makoto.AYANO
FDJのバイクサプライヤーは、創業70周年を迎えるフレンチブランドであり、長年に渡ってサポートを受けるラピエール。メインバイクは、シートステーを直接トップチューブに接続する独自設計が特徴的なオールラウンドモデル「XELIUS SL」だ。ティボー・ピノ(フランス)や、フランスナショナルチャンピオンのアルテュール・ヴィショはスペシャルペイントのマシンを駆った。

アッセンブルされるパーツはラピエールがシマノ・ヨーロッパと協力関係にあるため、ほとんどがシマノとPROの製品となっている。コンポーネントはもちろんシマノDURA-ACE Di2で統一。パワーメーターはプロ御用達のSRMを主に使用しながらも、R9100系のプロトタイプとなるシマノ製パワーメーターを搭載したバイクも確認されている。

アルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ)のラピエール XELIUS SLアルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ)のラピエール XELIUS SL photo:Makoto.AYANOPROのVIBEシートポストに、チームカラーをまとったフィジークのサドルを組み合わせるPROのVIBEシートポストに、チームカラーをまとったフィジークのサドルを組み合わせる photo:Makoto.AYANO

ハンドルとステムはPROで揃えられるハンドルとステムはPROで揃えられる photo:Makoto.AYANOブレーキはフロントのみダイレクトマウントとしているブレーキはフロントのみダイレクトマウントとしている photo:Makoto.AYANO


ホイールも同じくDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズとされており、50mmをメインに、35mm、24mmと3種類のハイトをコースプロフィールに応じて使い分けた。組み合わせるタイヤは、コンチネンタルCOMPETITION PRO LTD。ハンドル、ステム、シートポスト、バーテープはPROで、VIBEシリーズの新旧モデルが混在。サドルは、フィジークからブルー/ホワイトのチームカラーモデルが供給されている。ボトル&ケージはエリートだ。

FDJのラピエール AEROSTORM DRSFDJのラピエール AEROSTORM DRS photo:Makoto.AYANO
ブレーキをカバーで覆うことで空力性能を高めているブレーキをカバーで覆うことで空力性能を高めている photo:Makoto.AYANOPROのTT用ハンドルMissile Evoを装着PROのTT用ハンドルMissile Evoを装着 photo:Makoto.AYANO


TTバイクは新型モデルの「AEROSTORM DRS」。ブレーキカバーの採用やチューブ設計の改良により空力性能を高めた1台だ。加えて、リア三角を30%高剛性化しながらも。完成車はクラス最軽量の8.1kgほどに仕上がっているという。



ジャイアント・アルペシン
【ジャイアント TCR Advanced SL、PROPEL Advanced SL、TRNITY Advanced SL(TTバイク)】


アルバート・ティマー(オランダ、ジャイアント・アルペシン)のジャイアント TCR Advanced SLアルバート・ティマー(オランダ、ジャイアント・アルペシン)のジャイアント TCR Advanced SL photo:Makoto.AYANO
ジャイアント・アルペシンのバイクサプライヤーは、もちろん台湾のジャイアント。メインバイクはオールラウンドモデル「TCR Advanced SL」と、エアロロード「PROPEL Advanced SL」の2車種だ。どちらかと言えばTCRだけを駆るライダーのほうが多いものの、スプリンターのジョン・デゲンコルブ(ドイツ)はコースプロフィールに応じて使い分けている。

パーツアッセンブルは、大多数がシマノとPROで固められている。コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ペダルもDURA-ACE。なお、PROPEL専用設計のエアロブレーキはジャイアント純正ではなく、フォーリアーズという台湾のパーツメーカーのものに換装されている。パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターだ。

ハンドル周りはPROで揃えられるハンドル周りはPROで揃えられる photo:Makoto.AYANOタイヤはヴィットリアの新型CORSAタイヤはヴィットリアの新型CORSA photo:Makoto.AYANO

ホイールはDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズホイールはDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズ photo:Makoto.AYANOデゲンコルブのバイクには謎のステムが取り付けられていたデゲンコルブのバイクには謎のステムが取り付けられていた photo:Makoto.AYANO


ホイールもシマノDURA-ACEのWH-9000シリーズで、35mmと50mmの2種類のハイトをメインに使い分けている。組み合わせるタイヤは、ヴィットリアの新型CORSA。ハンドルとステムはPROのVIBEシリーズ。ただ、デゲンコルブのバイクには、スクエア断面が特徴的なロゴ無しのステムが取り付けられていた。そしてサドルとバーテープもPRO製品とされている。

ワレン・バーギル(フランス)のジャイアント TRNITY Advanced SLワレン・バーギル(フランス)のジャイアント TRNITY Advanced SL photo:Makoto.AYANO
ジャイアントが製造するTRNITY専用設計のハンドルジャイアントが製造するTRNITY専用設計のハンドル photo:Makoto.AYANOエアロ仕様のVブレーキはジャイアント純正ではなくフォーリアーズに換装されているエアロ仕様のVブレーキはジャイアント純正ではなくフォーリアーズに換装されている photo:Makoto.AYANO


TTバイクは、スローピングしたトップチューブやエアロ仕様のVブレーキ、専用設計のジャイアント製ハンドルバーなどが特徴的な「TRNITY Advanced SL」。ブレーキはPROPELと同じく、純正品からフォーリアーズ製に換装されている。ヴィットリアのタイヤは新型CORSAではなく、旧型のCORSA SCだ。



ディレクトエネルジー【BH Ultralight Evo、Aerolight(TTバイク)】

ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)のBH Ultralight Evoブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)のBH Ultralight Evo photo:Makoto.AYANO
コカールは、より高い剛性を求めてFSAのステム一体型ハンドルPLASMAを選択コカールは、より高い剛性を求めてFSAのステム一体型ハンドルPLASMAを選択 photo:Makoto.AYANOコカールのニックネームにちなんだ「不機嫌な鶏」のステッカーコカールのニックネームにちなんだ「不機嫌な鶏」のステッカー photo:Makoto.AYANO


ワイルドカードでの出場となったフランスのプロコンチネンタルチーム、ディレクトエネルジー。バイクサプライヤーはスパニッシュブランドのBHが務める。メインバイクは、フレーム重量700g以下の軽量オールラウンドモデル「Ultralight Evo」で、今ツールのためにイエローのスペシャルペイントバイクが投入された。また、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)だけは、愛車のシボレー・カマロをモチーフとしたオレンジのUltralight Evoを駆った。

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)のBH Ultralight Evoシルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)のBH Ultralight Evo photo:Makoto.AYANO
トラディショナルなつくりのハッチンソン PRO TOUR SUPER LIHGTトラディショナルなつくりのハッチンソン PRO TOUR SUPER LIHGT photo:Makoto.AYANOホイールはヴィジョンMetronシリーズホイールはヴィジョンMetronシリーズ photo:Makoto.AYANO

FSAの新型ワイヤレス電動メカ「WE」を使用するブライアン・コカール(ディレクトエネルジー)FSAの新型ワイヤレス電動メカ「WE」を使用するブライアン・コカール(ディレクトエネルジー) photo:Makoto.AYANO昨年のプロトタイプよりも完成度を高めてきた昨年のプロトタイプよりも完成度を高めてきた photo:Makoto.AYANO


コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2がメイン。FSAのサポートを受け、クランクには4アーム仕様のK-FORCE LIGHT、ブレーキキャリパーにはSL-Kを組み合わせている。そして、昨年のツールで姿を現したFSAのセミワイヤレスコンポーネント「WE」を再び投入。スプリンターのブライアン・コカール(フランス)がこれを使用した。FSA担当者によれば、前後のディレーラーはシートチューブから伸びるケーブルで接続されるが、シマノのDi2に似たボタンを装備するレバーとはANT+無線で繋がれているという。昨年はプロトタイプ感がむき出しだったが、完成度を高めてきている印象だ。

ホイールはFSAのエアロ系パーツ部門のヴィジョンで、「Metron」の40mmハイトと60mmハイトを使い分ける。組み合わせるタイヤはフレンチブランドのハッチンソンで、トラディショナルな仕様の「PRO TOUR SUPER LIHGT」としている。ハンドル、ステム、シートポストはFSAの最高峰グレード「K-Force」をメインに、コカールはより高い剛性を求めてステム一体型ハンドル「PLASMA」を選択。サドルはプロロゴから供給を受ける。

トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)のBH Aerolightトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)のBH Aerolight photo:Makoto.AYANO
ヴィジョンのリアディレーラーMetronを使用するヴィジョンのリアディレーラーMetronを使用する photo:Makoto.AYANOシフターやブレーキレバーもヴィジョンで揃えられているシフターやブレーキレバーもヴィジョンで揃えられている photo:Makoto.AYANO


TTバイクは、エアロ仕様のVブレーキやトップチューブとなめらかに接続するステムなどによって空力性能を高めた「AeroLight」。コンポーネントは、変速レバーと前後ディレーラーにFSAの機械式変速システム「Metron」を採用している。ディスクホイールは、ヴィジョンがラインアップする81mmハイトのエアロホイール「Metron 81」にカーボンパネルを貼り付けた「Metron Disc」だ。



photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto

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