休息日前のタフな個人タイムトライアルを終えたジロ。「飛び跳ねて喜びたい気分」と語るプリモス・ログリッチをはじめ、明暗分かれた各選手のコメントを紹介します。



ステージ優勝を挙げたプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)

ステージ優勝を飾ったプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)ステージ優勝を飾ったプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji
ステージ優勝を果たしたプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)ステージ優勝を果たしたプリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji納得の走りだった。今まで走った個人タイムトライアルの中で一番長かったのは10km。現実とは思えないような勝利であり、飛び跳ねて喜びたい気分だ。第1ステージでは0.01秒差でドゥムランに敗れたけど今回は僕が勝った。


今日は天候の崩れが味方してくれた。スキージャンプからロードレースに転向後、ビッグネームの仲間入りを果たしたいと思い続けていたけど、まさかこんなにも早く大きな勝利を手にするとは夢にも思わなかった。これからは全力でステフェン・クルイスウィクをサポートしたい。

ステージ2位のマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)

2位に入ったマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)2位に入ったマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング) photo:CorVos自分のため、そしてチームのためにとても嬉しい結果になった。プロローグは9位と思ったよりもタイムが出ず、今日はそのリベンジのような気分でレースに臨んだんだ。下見の後に完璧なウォーミングアップをすることができて、レース開始直後に良いリズムに乗ることができた。

ログリッチとの10秒差の原因は幾つかある。彼は自分よりも体重が数キロ軽く、それが最後の登りで差を生んだように思う。でも完全なドライコンディションで走れたことも味方したし、今日のレースに後悔はしていない。

1秒差でマリアローザを守ったジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)

マリアローザを堅守したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)マリアローザを堅守したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji難易度が高く、テクニカルなコースに雨が加わったことで本当に難しいレースだった。今は嬉しいという気持ちしかない。スタート前にはとてもリラックスできていたし、集中できていた。安全かつ全力で走ろうと心に決めていた。マリアビアンカを着て走ったボブ・ユンヘルスとともに力強い走りを見せてやろうと思っていたんだ。

少なくともあと1日はマリアローザを着て走ることができる。とても嬉しく思うよ。ロードレースでは自分のようなアシスト選手がマリアローザを着ることもある。でも同時に、意気込んでいたユンヘルスがマリアローザを着用できるチャンスを潰してしまったことも申し訳ない気持ちもある。普通コースコンディションであれば彼がマリアローザだった。しかし最も重要なことは、チーム内にマリアローザが存在することさ。

早くマリアローザを着て集団で走りたい。きっと素晴らしい気分なんだと思う。今日は一人づつ走ったので、チームメイトとマリアローザを共有できなかったから。

総合2位にジャンプアップしたマリアビアンカのボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)

マリアビアンカを守ったボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)マリアビアンカを守ったボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsujiステージ15位・1分58秒遅れ トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)ステージ15位・1分58秒遅れ トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsujiティレーノ〜アドリアティコの後の監督のブラマーティやトレーナーと今日のステージの下見に来ていた。もちろん今日はコンディションが違ったけれど、その時得たヒントが今日走る上で大きなヒントになってくれた。今日の結果にとても満足しているよ。他のマリアビアンカ候補からリードを奪うことができたし、再び総合順位もトップ3以内に返り咲いた。ジャンルーカとともに総合ワンツーだなんて素晴らしい気分だ。チームの士気も高く、このままの調子で翌週に繋げていきたい。

ステージ15位のトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

ダウンヒルで少しのリスクをも冒したくなかったし、逆に言えばリスクを冒さなければ良い結果は望めない。調子自体は昨日よりも回復しているけれど、この天候ではステージ優勝のチャンスは無く、攻めるべきではないと判断した。ジロ序盤は幸運が大きく味方したが、今日はそれが無かった。

2分56秒差のステージ31位、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)

今日は自分のベストを尽くしたと思う。登りは非常に良いペースで走ることができたものの、スリッピーなコンディションで下りを攻めるのは得策ではない。総合順位でもそこまでタイムを失うことはなかったことに加えて、今もトップ10に位置している。だから上手くいった1日だった。ジロはまだまだ長く、体調も上がっていって欲しいと思っている。明日は軽く脚を回すつもりなので、完全な休息日ではない。良いコンディションで来週を迎えたい。

2度の落車でチャンスを逃したイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)

言うことはあまり無い。とても落ち込んでいる。こんなことになるなんて予想もしてなかった。調子は非常に良かったので良いレースができると思っていた。2回の落車にバイク交換だなんて問題が多すぎた。左のお尻と膝にいくつか傷を作ってしまった。ここ数日で復調してくれることを切に願っているよ。ジロを戦うモチベーションは消えていないし、チームも良くサポートしてくれている。

ステージ4位、レースを離脱するファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) photo:Bettini
現状では良いタイムトライアルができたと思っている。レース前の調子も良く思えたが、脚にパワーが宿らなかった。原因は体調かもしれないし、腸炎のせいかもしれない。思い当たることがたくさんあって良く分からない。その中でベストを尽くしたし、これがその結果。レースとはこういうものだし、負ける時も勝つ時もある。

コースは非常にタフで、自分のスタイルに合ったものではなかった。終盤は前の選手が見えたのでそれを目標にペースを一段階上げた。できる限り全開で踏み続け、下りでは少し体力をセーブできたように思う。これが最後のステージと決めていたので全身全霊でステージを走った。

僕はジロを離れる。体調を悪くした大会序盤はとにかくキツく毎日が大変だった。これからのレーススケジュールを考えれば今がリタイアのベストタイミングだ。

132位で完走した山本元喜(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)

40.5kmのアップダウンコースに繰り出す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)40.5kmのアップダウンコースに繰り出す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
スタート直後から調子が悪くて大変だった。自分がゴールしてしばらくしてから雨がパラつき出していたが、ホテルに帰って来てテレビでジロの中継を見ると本降りになっていた。いろんな意味でこの雨で走らなくて良かったと思う。体調面でも心配だし、路面が濡れていれば下りが更に遅くなるのでタイムアウトを食らう可能性もあった。

状況的には去年の全日本選手権タイムトライアルに近いので後半に出発した総合上位陣は不憫である。調子が崩れかけはしたが、幸いなことに明日は休息日。しっかり休んで体を回復させて調子を上げてイタリアでの2週目に挑みたい。というより、調子を上げた状態でないと生き残れない。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe


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