イタリアで開催中のジロ・デル・トレンティーノ。初日チームTTで2位に甘んじたチームスカイのミケル・ランダ(スペイン)が頂上ゴールで独走しステージ優勝。同時に総合首位へと浮上している。



春色に包まれたトレンティーノ=アルト・アディジェ州春色に包まれたトレンティーノ=アルト・アディジェ州 photo:Bettini


ジロ・デル・トレンティーノ2016第2ステージ コースプロフィールジロ・デル・トレンティーノ2016第2ステージ コースプロフィール アントニオ・ニーバリ(イタリア)と走る山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)アントニオ・ニーバリ(イタリア)と走る山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Bettiniジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)の後ろにつけるミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)の後ろにつけるミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Daniele Mosna/girodeltrentinomelinda.comイタリア北部のトレンティーノ=アルト・アディジェ州を舞台に開催されているジロ・デル・トレンティーノ(2.HC)。前日のチームタイムトライアルでリーダージャージを獲得したヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)を先頭に、2級山岳アンラス峠頂上を目指す第2ステージが幕開けた。

ライバルを振り切って独走に入るミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)ライバルを振り切って独走に入るミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Bettini独走でフィニッシュに飛び込むミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)独走でフィニッシュに飛び込むミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Bettiniレース序盤の主役は、ジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)ら7名の逃げメンバーたち。220kmという大会最長コースの大半を逃げたものの、レース後半にチームスカイやアスタナがコントロールするメイン集団に飲み込まれた。

チームスカイ主導で2級山岳アンラス峠(登坂距離3.7km、平均勾配7%、最大勾配15%)に突入した100名以上の大集団。すぐさまジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)がハイペースで牽くと集団はバラバラとなり、次いで動いたミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)に対して、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)やヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)らライバル勢は動くことができなかった。

リードを広げていくランダに対し、後方からはセルゲイ・フィルサノフ(ガスプロム・ラスヴェロ)やダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)が追撃を掛けたが届かない。「登りが短く自分向きだった」と振り返るランダが4秒差を守ってフィニッシュし、ステージ優勝と総合リーダーを同時に手中に収めた。

「今日のステージでここまでの差が付くとは思っていなかった。今日の短い登りはまさに自分向きで、登りでは序盤からハイペースを刻んでライバルの脚試しをしようと思っていた。振り返ると多くの選手が苦しんでいたので、自分から仕掛けることにしたんだ」と終盤戦を振り返るランダ。昨年の同ステージではリッチー・ポート(オーストラリア、当時チームスカイ)が勝利し後の総合優勝に繋げている。

ライバル勢ではフグルサングが10秒差の総合2位、バルデが24秒差5位、ニーバリが28秒差10位に付けており、まだ1分差以内に17名が残っている状況だ。

ランダは「昨年ジロでの頂上ゴール制覇など、トレンティーノ地方で開催されるレースではいつも好成績を出せているから好きなんだ。このまま総合優勝できるかどうか確信は無いけれど、今日の勝利で現実味が出てきた。チームは僕のために素晴らしい仕事を果たしてくれたし、自分の調子も良かった。明日は最後の山岳がフィニッシュまで近いため、多くの選手が攻撃を仕掛けてくるはずだし、それは明後日の最終ステージにも言えること。ゴールに向けてミスしないように気をつけたい」と展望を語る。

翌第3ステージは204km中に2つのカテゴリー山岳が用意され、2つ目の1級山岳パガネッラ峠頂上から14kmのダウンヒルを経てゴールに飛び込むというプロフィールだ。平均勾配7.5%のこの峠で、再び登り勝負が繰り広げられることは間違いないだろう。



表彰台に上がったミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)表彰台に上がったミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Daniele Mosna/girodeltrentinomelinda.com


ジロ・デル・トレンティーノ2016第2ステージ結果
1位 ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)
2位 セルゲイ・フィルサノフ(ガスプロム・ラスヴェロ)
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 ジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF)
5位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
6位 シモーネ・アンドレッタ(イタリア、バルディアーニCSF)
7位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・アルゴン18)
10位 エマヌエル・ブックマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
5h18’12”
+04”
+13”
+14”








個人総合成績
1位 ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)
2位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
3位 セルゲイ・フィルサノフ(ガスプロム・ラスヴェロ)
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
5位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・アルゴン18)
8位 エマヌエル・ブックマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
9位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
10位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
5h31’46”
+10”
+15”
+22”
+24”

+26”

+28”



山岳賞
1位 ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)

ヤングライダー賞
1位 ジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF)

チーム総合成績
1位 AG2Rラモンディアール

text:So.Isobe
photo:Bettini