3月13日に開催予定だったティレーノ〜アドリアティコ第5ステージのキャンセルが発表された。理由は極度の低温と降雪によってレースの安全が保証できないため。UCIの悪天候時実施要綱(エクストリーム・ウェザー・プロトコル)がパリ〜ニース第3ステージに続いて適用された。



3月12日のモンテサンヴィチーノの様子3月12日のモンテサンヴィチーノの様子 photo:RCS Sport


3月12日のモンテサンヴィチーノの様子3月12日のモンテサンヴィチーノの様子 photo:RCS Sport天気予報によると3月13日の天候は雨で、極度の低温によって標高800m以上では降雪が予想される。フォリーニョからモンテサンヴィチーノまでの176kmコースには標高1000mクラスの峠が4つ設定されており、フィニッシュ地点の1級山岳モンテサンヴィチーノは標高1208mだ。

ティレーノ〜アドリアティコ2016第5ステージティレーノ〜アドリアティコ2016第5ステージ image:RCSSportレース主催者RCSスポルトによると、大会ディレクターのマウロ・ヴェーニ氏やチーフコミッセールのジェローム・ラパルティアン氏、AIGCP(プロ自転車選手協会)代表のヤン・ボヴェン氏、CPA(プロ選手連盟)代表のクリスティアーノ・サルヴァート氏、コース管理を行う警察の代表がミーティングを行った結果、レースの安全と選手の健康が保証されないとして、UCIが2016年1月1日に導入した悪天候時実施要綱を適用するに至った。

アスタナのアレクサンドル・ヴィノクロフGMアスタナのアレクサンドル・ヴィノクロフGM photo:Kei Tsuji同要綱によると、悪天候に見舞われた場合、スタート地点や時刻の変更、フィニッシュ地点の変更、代替コースの使用、レースの部分的ニュートラライズ、レースのキャンセルなどの措置が取られることになっている。今回はコース全体に降雪の予報が出ているため、コースの変更などは行わずにレース全体がキャンセルとなる。

UCIの悪天候時実施要綱の適用は今シーズン3例目。3日前のパリ〜ニース第3ステージでも積雪によってレースがキャンセルされている。

クイーンステージのキャンセルは総合争いに大きな影響を及ぼす。翌日の第6ステージは緩い勾配のフィニッシュが設定されたスプリンター向きのコースレイアウトで、最終日の第7ステージは10kmの個人タイムトライアル。現在総合リーダーのゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)に俄然有利な展開となる一方で、アスタナのアレクサンドル・ヴィノクロフGMは異論を唱える。

ヴィノクロフGMは「”選手の安全と健康を守る”という大会主催者の姿勢は評価するが、第5ステージに代替コースが用意されないことから、月曜日の第6ステージに山頂フィニッシュを設定することを求める。これは参加するすべての選手に総合優勝の然るべきチャンスを与えるためのリクエストであり、マウロ・ヴェーニ氏に直接嘆願する。このレースのために準備をしてきたチャンピオンたちの努力を尊重する合理的なリクエストだ」との声明をチームウェブサイトに掲載している。第4ステージを終えた時点でヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)は24秒遅れの総合11位だ。

text:Kei Tsuji

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