3月6日(日)より5日間の日程で開催されるツール・ド・台湾が開幕。首都台北を駆け巡る83.2kmで争われた第1ステージは、序盤に形成された先頭集団が逃げ切り、ウィリアム・クラーク(ドラパック)が優勝。5位に入った小石祐馬がアジアンライダー賞でトップに立っている。



2年連続のツール・ド・台湾参加となる宇都宮ブリッツェン2年連続のツール・ド・台湾参加となる宇都宮ブリッツェン photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWANチーム右京も昨年に続くツール・ド・台湾参加となるチーム右京も昨年に続くツール・ド・台湾参加となる photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN

台北101の麓が発着点の第1ステージ台北101の麓が発着点の第1ステージ photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN


台北市街地に設けられた特設コースには多くの観客が詰めかけた台北市街地に設けられた特設コースには多くの観客が詰めかけた photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN11名の強力な逃げ集団11名の強力な逃げ集団 photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN3回中2回のスプリントポイントを先頭で通過したカルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)が総合リーダージャージを獲得することに3回中2回のスプリントポイントを先頭で通過したカルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)が総合リーダージャージを獲得することに photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN複数のチームがメイン集団を牽引したものの、先頭との差は縮められず複数のチームがメイン集団を牽引したものの、先頭との差は縮められず photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN台湾全土を舞台に争われるステージレースがツール・ド・台湾(UCI2.1)。ここ数年は台北自転車ショーに合わせて開催されるのが通例だ。UCIレースとして12回目となる今年は、昨年よりも2週間ほど早い時期の開催となっている。ステージ数は5つと変わらないものの、登りの比率が増えた印象だ。

今大会には世界各国から20チーム・100名のライダーがエントリー。日本勢としてはNIPPOヴィーニファンティーニ(山本元喜、石橋、小石、マリーニ、ジリオーリ)、宇都宮ブリッツェン(大久保、鈴木譲、増田、阿部、堀)やチーム右京(平井、住吉、グアルディオラ、プジョル、プラデス)が出場する。

第1ステージは台北中心街を駆け巡るクリテリウム。台北101の麓を発着点とし、メインストリートを往復する1周10.4kmの折り返しコースは昨年と同様ながら、周回数が増え、8周/83.2kmで争われた。

スタート直後からハイペースとなったレースは、アタックの応酬のあと、2周目に設定されたスプリントポイントを前に6名が飛び出すも、すぐさまメイン集団に吸収される。すると今度はカルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)のアタックをきっかけに、11名がメイン集団を飛び出す。この中には、ベルギークラシックを終えたばかりの小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)の姿も。

3つのプロコンチネンタルチームを始めとした主要チームのメンバーを含むことに加え、全参加人数に対して11名と逃げ集団が大きなことから、先頭11名はメイン集団を大きく引き離すことに成功する。順調にローテーションを回す小石らは、短距離かつ平坦コースながらも、最大3分20秒ものタイム差を得てフィニッシュへの距離を減らしていく。

一方のメイン集団はチーム右京やJLTコンドール、パークホテル・ファルケンベルグなど複数のチームが集団を牽引し、先頭11名の吸収を試みるも、タイム差は思うように縮まらず。勝負はパンクで離脱したイヴァン・サンタロミータ(イタリア、スカイダイブ・ドバイ)を除く先頭10名に絞られた。

逃げ切りを確定させた先頭10名でスピードをみせたのは、ウィリアム・クラーク(ドラパック、オーストラリア)。ステージレースのプロローグを得意とするスピードマンが真価を発揮し、ツール・ド・台湾の開幕ステージを制した。

2位にはカルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)が入り、2回スプリントポイントを先頭で通過したボーナスタイムで総合リーダーに。5位でフィニッシュした小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)はアジアンライダー賞のリーダージャージを獲得している。

翌日の第2ステージは、細やかなアップダウンの連続や、2級山岳と3級山岳が1つずつ登場する116.3kmで争われる。



逃げ集団のスプリントを制したのはウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック)逃げ集団のスプリントを制したのはウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック) photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN
開幕ステージを制したウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック)開幕ステージを制したウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック) photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWANアジアンライダーの表彰を受ける小石祐馬(日本、NIPPOヴィー二ファンティーニ)アジアンライダーの表彰を受ける小石祐馬(日本、NIPPOヴィー二ファンティーニ) photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN




ツール・ド・台湾2016第1ステージ結果
1位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック)
2位 カルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)
3位 アレクサンダー・レイ(オーストラリア、チーム・イルミネイト)
4位 アレクサンダー・ウェッターホール(スゥエーデン、トレベルグ・ビアンキ)
5位 小石祐馬(日本、NIPPOヴィー二ファンティーニ)
6位 ケヴィン・デヨンヘ(ベルギー、シベル・セボン)
7位 コナー・ダン(アイルランド、JLTコンドール)
8位 ドミニク・リンコウ(オーストリア、リンコウ・アドヴァリックス・サイクラング)
9位 ベン・オコナー(オーストラリア、アヴァンティ)
10位 フラビオ・デルナ(メキシコ、チーム・イルミネイト)
1h40'34"


+03"








個人総合成績
1位 カルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)
2位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、ドラパック)
3位 アレクサンダー・レイ(オーストラリア、チーム・イルミネイト)
4位 アレクサンダー・ウェッターホール(スゥエーデン、トレベルグ・ビアンキ)
5位 ベン・オコナー(オーストラリア、アヴァンティ)
6位 小石祐馬(日本、NIPPOヴィー二ファンティーニ)
7位 ケヴィン・デヨンヘ(ベルギー、シベル・セボン)
8位 コナー・ダン(アイルランド、JLTコンドール)
9位 ドミニク・リンコウ(オーストリア、リンコウ・アドヴァリックス・サイクラング)
10位 フラビオ・デルナ(メキシコ、チーム・イルミネイト)
1h40'22"
+02"
+08"
+11"
+13"
+15"






ポイント賞
カルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)

アジアンライダー賞
小石祐馬(日本、NIPPOヴィー二ファンティーニ)

チーム総合成績
チーム・イルミネイト

text:Yuya.Yamamoto
photo:Aaron Lee/TOUR DE TAIWAN