ブリヂストンサイクルが、新世代のカーボンロードフレームを発表した。このアンカー・RMZは、フィッティングマシンと新しいソフトを使って個人に合った図面をはじき出す、オーダーカーボンフレーム。しかも剛性の異なる7種類のパイプ構成が用意された、まさに世界最先端のロードバイクフレームだ。

アンカー・RMZのデュラエース仕様車。プレス発表はバイクフォーラム青山のオープンに合わせて行われたアンカー・RMZのデュラエース仕様車。プレス発表はバイクフォーラム青山のオープンに合わせて行われた photo:Hitoshi Omae

RMZのプレゼンテーション風景、司会は朝生つぐみさんRMZのプレゼンテーション風景、司会は朝生つぐみさん photo:Hitoshi OmaeRMZの発想は5〜6年前、ブリヂストン・アンカーの田代恭崇選手(当時=現ブリヂストンサイクル販売企画部)が、当時のハイエンド・カーボンモデルに乗らなかったことから始まっている。「自分の剛性感や寸法が合わなくて、実はアルミフレームに乗っていました」と田代さん。

クロモリフレームの時代には、ミリ単位で寸法を指定し、0コンマ何ミリという肉厚を選んでのオーダーメードは当たり前だったが、カーボンフレームにおいても「選手個々の要望に応える必要がある」(アンカー開発設計部長・磯田亮さん)と、パーソナルマッチングを開発目標に掲げたプロジェクトがスタートした。

上体の角度(前傾の程度)、上体と腕との挟角、ペダリング時のヒザの開き角などを測定し、ターゲットの範囲にあるかを確認。二次ポジションを算出していく上体の角度(前傾の程度)、上体と腕との挟角、ペダリング時のヒザの開き角などを測定し、ターゲットの範囲にあるかを確認。二次ポジションを算出していく photo:Hitoshi Omaeアンカー・RMZは、以下の3つの大きな特徴を備えている。

1.パーソナルマッチングフレーム
アンカー・RMZは、ライダーの体型・脚質に応じ、スケルトンとフレーム剛性がオーダーできるパーソナルマッチングフレームだ。経験とカンで成り立っていたクロモリフレームのオーダーから、データによる科学的根拠に基づいたカーボンフレームのオーダーへ。これは大きな進化といえるだろう。

フィッティングマシンのペダリング負荷は8段階に可変し、画面には脈拍とケイデンス、出力(ワット)などが表示されるフィッティングマシンのペダリング負荷は8段階に可変し、画面には脈拍とケイデンス、出力(ワット)などが表示される photo:Hitoshi Omae2.オーダーシステム
全国のアンカーフィッティングショップにおいてのみ、このオーダーは受け付けられる。フィッティングマシンとウェブを介したフィッティングソフトを用いて最適スケルトンが算出され、同じくフィッティングマシンの体力測定機能を使って、適正なフレーム剛性をも提案する。これらを参考にショップと注文主がオーダー内容を決定し、発注となる。

3.フレームカラー
塗装はイリュージョンや蛍光、蓄光、キャンディカラーなどを含む全46色から選ぶことができ、プロ選手のようにネームを入れることができる。これはいままでもハイエンドなアンカーフレームで実現していたことだが、このRMZのオーダーシステムを完結するにはなくてはならない工程である。


アンカー独自のドラゴンクローヘッドを、このRMZにも採用。ダンシング時の捩れを抑え、剛性を向上させているアンカー独自のドラゴンクローヘッドを、このRMZにも採用。ダンシング時の捩れを抑え、剛性を向上させている photo:Hitoshi Omaeシートチューブに誇らしげに描かれるRMZのロゴ。チューブ後方はエアロ効果を期待してわずかにフィン加工がなされているシートチューブに誇らしげに描かれるRMZのロゴ。チューブ後方はエアロ効果を期待してわずかにフィン加工がなされている photo:Hitoshi Omae
ハイモジュラスカーボン製のシートラグは、オーダーに対応するため10種類以上の異なった角度のバリエーションで用意されているハイモジュラスカーボン製のシートラグは、オーダーに対応するため10種類以上の異なった角度のバリエーションで用意されている photo:Hitoshi Omaeインテグラルシートポストを採用しており、デフォルトでのアジャスト幅は15mm。ただしオプションで35mmアジャストできるポストも用意されるインテグラルシートポストを採用しており、デフォルトでのアジャスト幅は15mm。ただしオプションで35mmアジャストできるポストも用意される photo:Hitoshi Omae

田代さんによればRMZの誇る7種の剛性は、もっとも低いタイプであっても同社のRFX8よりも上で、もっとも剛性の高いタイプはRA5より上の、同社最高レベルに仕上がっているという。ブリヂストン・アンカーの契約選手たちに乗らせると、彼らの好みは意外にもバラバラだそうで、現在、飯島誠、山本雅道、普久原奨がRMZのプロトタイプに乗っている。

アンカー・RMZを前にして、チーム・ブリヂストン・アンカーの相川将(左)と福田真平アンカー・RMZを前にして、チーム・ブリヂストン・アンカーの相川将(左)と福田真平 photo:Hitoshi Omae7種類用意された剛性の設定レベル、チーム・ブリヂストン・アンカーの契約選手から得たぼう大なデータを背景に算出されるスケルトンからもわかるように、RMZはハイアマチュア〜プロレベルを目標に設計されている。

もちろん、フィッティングマシンやソフトを手直しすることにより、ファンライド向けの設計もできるはず。また、今後はトラックやMTBクロスカントリーへの適用も不可能ではないと見られる。

受注開始は2010年1月10日、価格は48万円。RMZのオーダーシステムの詳細についてシクロワイアードでは続報を予定している。なお、RMZとはRoad Matching Zenith(頂点)の略だそうだ。

text&photo:Hitoshi Omae

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