イタリア国内のオープニングレースとして知られるGPコスタ・デッリ・エトゥルスキ(UCI1.1)でNIPPOヴィーニファンティーニが活躍。山本元喜が逃げに乗り、11名のゴール勝負でグレガ・ボーレ(スロベニア)が勝利を飾った。



11名のゴール勝負を制したグレガ・ボーレ(スロベニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)11名のゴール勝負を制したグレガ・ボーレ(スロベニア、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:bettiniphoto


GPコスタ・デッリ・エトゥルスキ2016 コースマップGPコスタ・デッリ・エトゥルスキ2016 コースマップ (c)www.gsemilia.itGPコスタ・デッリ・エトゥルスキ表彰台 グレガ・ボーレ(スロベニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らがシャンパンを開けるGPコスタ・デッリ・エトゥルスキ表彰台 グレガ・ボーレ(スロベニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らがシャンパンを開ける photo:bettiniphoto2月7日にイタリア中部ティレニア海沿いのドロラティコを拠点に開催された、GPコスタ・デッリ・エトゥルスキ(UCI1.1)。イタリア国内のレースカレンダー初戦であり、イタリアに本格的なロードシーズン開幕を告げるレースだ。

21回目を迎えた今大会には、ランプレ・メリダを筆頭に、NIPPOヴィーニファンティーニやサウスイースト・ベネズエラ、アンドローニジョカトリなどイタリア勢を中心とした18チームが参加。日本からは山本元喜と菱沼由季典(アモーレ&ヴィータ)が出場した。

厳しい寒さのなかでスタートしたレースは序盤からアタックが繰り返され、その中から山本元喜ら3選手が先行する形で幕を開ける。最大で11分半ほどまで広がったリードも後半にかけて縮められ、残り約60kmを切ると山本が先頭集団から脱落。残りの2選手もその後しばらく先行したものの、有力勢のみに絞られた集団に飲み込まれた。

終盤はアタックが続き、残り10km地点に設置された山岳ポイントを越え、ゴールラインのあるドロラティコの街に到達した際には11名の選手が残るばかりになる。そしてボーレがロングスプリントを開始すると、フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アンドローニジョカトリ)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)は横に並べない。1年ぶりにチームに戻ってきたボーレがチームにとって待望の今季初勝利を挙げた。以下、ボーレと山本のコメントを紹介する。

グレガ・ボーレ(スロベニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
「チームメート全員に感謝したい。チームメートのおかげで、自分が動かないといけないときまで、つまり残り1kmを切るまで、脚を溜めることができ、勝利が決まるラスト300メートルでは、最高のパフォーマンスを発揮することができた。彼らは、いつ、どうやって助けたらいいのか、とてもよく理解してくれていた。この勝利をとても嬉しく思っているし、勝利の喜びをチームメートたちと共有できることもまた嬉しく思う」

山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
「チームの勝利を知ったときは、かなり嬉しかったです。チームオーダーはいつもどおり『逃げに乗れるようにアタックに反応すること』『逃げに乗れれば脚を温存しながら走るように』『逃げに乗れなければチームリーダーのグレガの側にいるように』という内容でした。逃げが決まるまでは、かなりアタックが掛かり続け、最終的に15人以上の飛び出しをランプレが潰した後のカウンターアタックで決まりました。まず、ガスプロム・ルスヴェロとバルディアーニが飛び出し、そこに自分が後乗りで追い付いた形です。

逃げているときは、指示どおりに脚を温存して走ろうとしていたのですが、横風がかなり強かったこともあり、後ろに入っているときにも上手く休むことができず、途中で千切れてしまいました。

チームには申し訳なく思いましたが、去年のこのレースでNIPPO・ヴィーニファンティーニは誰も逃げに送り込むことができず、集団を引くことになり、半分以上の選手がかなり消耗してしまっていました。そのことを思えば、今年は自分が集団に追いつかれたラスト2周手前では自分以外の全員が集団に残っており、先頭を引いていた様子もなかったので、千切れてしまったとはいえ、他の選手を温存するという面で逃げに乗ったことに意味があったと感じられました。

今後の抱負は、今まで目標としていた『本場ヨーロッパでの逃げに乗る』ということが達成できたので、これからは逃げに乗った上で、最後まで絶対に千切れずに、チャンスがあれば逃げ切りを狙っていきたいです」

レース内容やコメントはNIPPOヴィーニファンティーニのレースレポートより。



GPコスタ・デッリ・エトゥルスキ2016結果
1位 グレガ・ボーレ(スロベニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)     4h40’36”
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 アンドレア・フェーディ(イタリア、サウスイースト・ベネズエラ)
5位 ジウリオ・キッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF)
6位 イゴール・ボエフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)
7位 マッテーオ・ブザート(イタリア、サウスイースト・ベネズエラ)
8位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ステファン・シューマッハ(ドイツ、クリスティーナジュエリー)
10位 ステファン・ラビッシュ(オーストリア、フェルベルマイヤー)
DNF 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)


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